145話 江川vs閻
「もう終わりにしましょう。隼人さん」
鬼神化が解け、通常の悪魔化になってしまった僕にカルラは言った。もう僕の身体は切り傷だらけで血がダラダラ流れていた。
「CHECKMATEです」
とカルラは言うと、僕は後ろに少しずつ下がった。
「く……くそっ!!!」
アルべラム大臣がいた放送室にはデューラもいた。
「もう松田隼人は終わりですね。どうしますか?もう試合終了にしても……」
「いや、まだこの試合は続けよう」
とアルべラム大臣は言うと、デューラはアルべラム大臣に聞いた。
「松田隼人に勝機があるんですか?」
「あぁ、ある」
そのころ、スタジアムのいたる場所では三体の死神と人間たちが戦っていた。そしてステージの隣では黒幕の使いの者、朱希羅の父親 矢崎 閻と江川が今、対決しようとしていた。
(まず確実に奴の攻撃を避け、奴の身体を2秒触れば奴は完全に溶ける!!)
と江川は思っていると、閻は江川に言った。
「俺を倒す方法を考えているのか?無駄だ。お前の攻撃は俺には通用しない」
「勝手に言ってろ。すぐにあの世に送ってやる!!」
と江川は言うと、閻に向かって走り出した。
「遅い」
と閻は目を閉じながら、瞬間的な速さで江川の背後に立った。
(このパターンで来る攻撃はだいたい読めている!!それにルリの読心の能力もあるからな!!)
と江川は思うと、閻の蹴り上げる攻撃を避け、閻の足をつかんだ。
「終わりだ!!矢崎 閻!!」
と江川は言うと、江川の手から灼熱の炎が噴き出した。
「マシンガンモードだぁ!!!」
と聖弥は言い、一体の死神に向かって連弾を放った。死神は高速のような速さで弾を避け続けた。
「なに!?この女神の拳銃の連射を避けられるなんて……!!」
と聖弥は言うと、死神は聖弥に鎖を巻きつけ、その死神は鎌を構えながら、自分のほうに聖弥を引き寄せた。
「しまった!!」
と身動きが取れない聖弥は言うと、セレシアが聖弥の目の前に立ち、鎌による攻撃を海王の扇子で防いだ。
「うわあ!!」
と聖弥は地面に滑り込むとセレシアが言った。
「アタシの扇子は鋼鉄製だ!そんなちょろい鎌などで斬れはせん!!」
「せ……セレシア、センキュー……助かったぜ……」
「この借りは五千円札で返せ」
「金かよ!」
と聖弥は言うと、別の死神が現れ、セレシアに向かって鎌から斬撃を飛ばした。
「しまっ……!!」
とセレシアは言うと、その斬撃は女神の拳銃の弾丸によって粉砕してしまった。
「この借りは五千円なセレシア」
「フン、さっさと鎖を解け、このガキが……」
とセレシアは言うと、二体の死神から距離をとった。聖弥も鎖を解きセレシアのとなりに立った。
「ケガはないか聖弥?」
と康彦は言うと、聖弥は答えた。
「あるがたいしたケガじゃない」
「そうか……なら、さっさとこの二体を片付けるぞ」
と康彦は言うと、聖弥とセレシアは言った。
「「あぁ!!」」
一方、閻の足をつかんだ江川は驚いていた。
「バカな!!灼熱の炎が効かない!?」
と江川は言うと、閻はまったく溶けてはいなかった。
「言っただろう?俺にお前の攻撃は通用しないと……」
「ば……バカな!!」
と江川は言うと、閻は江川を殴り飛ばした。
「ぐああああ!!!」
と江川は言い、地面に倒れ込んでしまった。
「か……隗!!大丈夫!!?」
とルリが倒れ込んだ江川に近づくと、江川は答えた。
「なんていう奴だ……矢崎 閻……!!」
「……貴様と遊んでも時間の無駄だな。俺との実力が分かったのなら、二度と俺の前に現れるな。クズが……」
と閻は言い、アルべラム大臣がいるスタジアムの放送室に向かって歩き出した。