144話 使いの者
「あの男は……‼‼」
と天真は言うと、聖弥は天真に聞いた。
「なんだ⁉知り合いか⁉」
すると天真はその黒コートに赤髪の男を睨み答えた。
「俺の両親を殺し、悪魔への復讐のきっかけを作った男だ……‼」
朱希羅も赤髪の男を見て驚いていた。
「バカな……あの男は……だがなぜここにいる⁉」
「あの男を知っているのですか?」
と江川は聞くと、朱希羅は答えた。
「……父親だ」
「父親⁉確かに髪の色は同じだけど、なんでアンタの父親が死神とグルなのよ⁉」
と元憎まれし小悪魔 ルリは朱希羅に言うと、赤髪の男は一体の死神に聞いた。
「アルベラムはどこにいる?」
「アルベラム大臣はスタジアムの放送室にいらっしゃいます」
「そうか」
と赤髪の男は言うと、朱希羅と江川がその男の前に立った。
「アンタは……俺の父親……矢崎 閻じゃないのか……?」
「そうだ。だからどうした?」
と矢崎 閻は言うと、朱希羅は答えた。
「アンタはここで倒す!罪の無い母さんを殺し……そのうえ死神を雇って敗者を殺してきた奴の味方なら……、父親だろうが関係ない!ここで殺してやる!!」
と朱希羅は言うと、閻に向かって走り出し攻撃を仕掛けた。
「仕方ない……」
と閻は言うと、朱希羅の攻撃を片手で弾き飛ばした。
「ぐはッ!!」
と朱希羅は言い、ステージの壁の外側に吹っ飛んでしまった。
「さぁ、次はどいつだ?」
と閻は言うと、天真が閻に向かって攻撃を仕掛けた。
「この俺だ!!」
と天使化した天真は言い、閻に向かってパンチを放ったが、閻は天真のパンチを片手で受け止め、天真の腹に強烈なパンチを放った。
「ガハッ!!」
と天真は言い、腹を抑えると閻は天真の頭をつかみ、地面に叩きつけた。
「……なっ!!て……天真!!!」
と朱希羅は言ったが、天真はそのまま地面に倒れ込んでしまった。
「き……貴様ァ!!!!」
と朱希羅は言い、閻に向かって走り出したが、閻は瞬間的な速さで朱希羅の背後に立ち、朱希羅を蹴り上げた。
「愚かな息子よ、お前は俺にとって不要……ここで散れ」
と閻は言うと、空中に蹴り上げた朱希羅に向かってジャンプし、地面に向かって殴り飛ばそうとしたとき、江川が朱希羅をかばって地面に殴り飛ばされた。
「ぐっ!!」
と江川は言い、左腕を抑え地面に墜落した。朱希羅は地面に倒れ込んでしまった。
(なんてパンチの威力だ……今の攻撃で左腕が思うように動かない……)
「……お前も死にに来たか?立ち去れ。こいつらは俺に恨みを持った者だ。憎しみを持たないお前は俺には敵わん……」
と閻は言うと、江川は言った。
「安心しろ。すぐに溶かしてやる……」
そのころ、ステージ上では僕とカルラが戦闘を繰り広げていた。
「そろそろ鬼神化も切れる頃じゃありませんか?」
とカルラは言うと、僕に向かって八本の剣で攻撃してきた。僕はその攻撃を避けることができなかった。
「ぐああああ!!!!」
と僕は言い、カルラから距離をとった。今の攻撃は切り傷が浅かったため致命傷じゃなかった。しかし身体中が浅い切り傷ばかりで血がダラダラ出血していた。
「さて、もう終わりですか?鬼神化というのは……」
とカルラは言うと、僕の鬼神化が解け、眼の色も変わり、悪魔化に戻ってしまった。
「くそッ……!!」
「もう終わりにしましょう。隼人さん」
とカルラは言うと、僕に向かって攻撃を仕掛けてきた。