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悪魔の継承  作者: 夜海 来火
第6章 悪魔王選出試験
146/231

141話 二つの正義

「「「「「「我々は死神デスパーソン。スタジアムの観客を殺しに来た」」」」」」


「なに!?カルラ聞いたか!?」

と僕は戦闘態勢になっているカルラに聞くと、カルラは答えた。

「はい、聞きました。それが何か?」

「それが何かって……死神デスパーソンは関係ない観客を殺そうとしてるんだぞ!!この戦いは中止にするべきだ!!」

「そうはいきません」

「どういうことだ!!?カルラ……お前は観客を見殺しにする気か……!!?」

と僕は聞くと、カルラは答えた。

「試合中止の合図は鳴っていません。それに悪魔王選出試験の本当の目的はコレなのですから……」

「何を言っているんだ……カルラ……!!」

「さぁ、試合を続けましょう」

とカルラは言うと、僕に攻撃を仕掛けてきた。鬼神化して相手の動きがはっきり見える僕は攻撃を避けつつ、カルラに言った。

「悪魔王選出試験の本当の目的とは何だ!!?……まさか!!」

「今頃気づいたんですか?そう、ワタシはアルべラム側の悪魔ですよ」

「……騙したな!!!」

と僕は言い、カルラに向かってパンチを放ったが、カルラは僕のパンチを避け、僕から距離をとり言った。

「騙してなどいません。あなた方が勝手にワタシを“善”の悪魔と思っていただけです。いや、ワタシたちこそ“善の悪魔”ですがね……」

死神デスパーソンを雇って罪の無い者を殺しても“善”と言えるのか!!?」

「力無き者は邪魔なだけです。仮にワタシたちが“悪”だとしたら、貴方たちは“正義”なのですか?悪魔王選出試験 本選では敗者になれば死神デスパーソンに殺される。そのルールを知ってもなお、貴方はヤウルを遠慮なく倒しました。本当に“正義”なのならば、そこは自ら棄権するのではありませんか?」

「あぁ……確かに俺は“正義”とは言い張れねぇ……。なら、お前だって俺の仲間だったゼルキルムを倒して、死神デスパーソンに殺させたじゃないか!!」

「はい。ワタシも“正義”だとは言い張れません。そう考えると本当の“正義”なんて存在しないのです。しかし、ワタシたちはその“正義”に一番近い存在です。一番 正しい道にこの世の者を導いてる存在に近いのです。ワタシはゼルキルムを倒しました。そして死神デスパーソンに殺させました。しかし、彼はもうすでに死んだ悪魔……。彼を生き返らせたのはワタシが最も忠誠する者なのです。その者はいずれ本当の“正義”となる。そう考えると死んだ者を生き返らせ、殺した。それだけの話です。それにゼルキルムは元々罪人だった。悪魔界を征服しようと悪魔界を襲撃して、二代目悪魔王を死に追い上げた大悪人なのです。裁きを下すのは当然のことです。それでも何か不満がありますか?」

「仮にそれが“正義”だとしたら、今ここで関係ない観客を殺させたら“悪”じゃないか!!もしお前が自分を“正義”と思うのなら死神デスパーソンにそんなこと止めさせろ!!」

「いいえ、これも“正義”です。死神デスパーソンとはやがて“正義の使者”となる者。死神デスパーソンは毎回 敗者を殺す時に魂を抜き取っていませんでしたか?なぜ抜き取るのかというと、死神界でその魂を死神デスパーソンに転生するのです。“正義の使者”になれるのですよ?幸せじゃないですか?死神デスパーソンは観客を“正義の使者”として迎えに来たのですよ」

とカルラは答えると、僕は手を強く握りしめ、プルプル震わせながら言った。

「テメェ……ふざけたことをベラベラと……」

「貴方が観客を“正義の使者”にお迎えしたくないのなら、このワタシを倒してこのステージの壁を破壊し、6体の死神デスパーソンを倒さなければいけませんよ……。まぁ、そんなことをすれば、貴方は“正義”の計画を阻止しようとする“悪”ですがね……」

とカルラは言うと、ステージの外から声が聞こえてきた。


「隼人!安心して戦ってくれ!俺たちが死神デスパーソンを倒す!」

その声は真司だった。僕は真司を見て言った。

「真司!真司なのか!あの邪神の弓矢デイモンアーチェリー……間違いない!真司だ!」

「……予想外ですね」

とカルラは言うと、僕はカルラに言った。

「カルラ、お前に本当の“正義”を拳でわからせてやる!!!」

「ワタシたちこそ“正義”だ!!あなた方はただ“正義”と名乗っているだけの“悪”!!ワタシたちこそ“正義”に近しい者!!負けはしない!!」

とカルラは言うと、僕とカルラはお互いに向かって走り出した。




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