139話 隼人vsカルラ
《戦闘開始!》
という放送が流れると、悪魔化した僕はカルラに向かって走り出した。
「真っ正面から仕掛けてくるとは……」
とカルラは言うと、背負っている十本の剣の内二本を手に持ち、一本の剣を物凄い勢いで僕に向かって投げた。
「なっ……‼」
と僕はすぐに反応し、飛んできた剣を避けた。飛んできた剣はステージを囲むガラス製の壁に刺さった。
「ハァ……今のくらったら悪魔化してるとは言え危なかったぜ……」
と僕は言っていると、カルラが一本の剣で僕に攻撃を仕掛けていた。
「安心するのはまだ早いですよ!」
とカルラは言うと、僕に剣を振り下ろした。するとその剣の動きは止まってしまった。
「なに⁉」
とカルラは言うと、僕がカルラの剣を白刃取りしていた。
「悪いな。悪魔化した俺の眼はどんな速い動きでもはっきりと見切るんだ。俺の悪魔化した左眼は見切ってるぜ、お前の細かい動き、足を踏み出す位置など全てな……。もちろん、剣を振り下ろす位置、タイミングもな…」
「ほぅ、これが悪魔の継承の力ですか……」
「いや、ちがう。俺と相棒の力だ」
と僕は言うと、カルラは僕から距離をとり、言った。
「相棒?」
「あぁ、この腕輪の中にいる相棒だ」
と僕は言うと、悪魔の継承の中にいる初代悪魔王 ルシファーデーモンが独り言を言っていた。
「松田隼人の奴……ちゃんと我のことを覚えてたか……。しかし相棒とは馴れ馴れしいな……」
「つまり、テメェの動きは読めてんだ」
と僕はカルラを指差して言うと、カルラはもう一本片手に剣を持ち、計二本の剣を持ち言った。
「なら、悪魔化していない右側を狙うまでです」
とカルラは言うと、素早い動きで僕の右側から攻撃を仕掛けてきた。
「速いッ‼いや、悪魔化した眼で見ればこんな動き……‼」
と僕は言い、左眼で見ようとしたが、カルラは僕の左眼の視界に映らない場所から攻撃を仕掛けてきた。
「これでは見切れない‼」
と僕は言うと、カルラは僕を斬りつけた。
「ぐあああああ‼!」
「たとえ悪魔王決定戦に進出できたとしても、悪魔武器の能力が無しではただの人間‼」
とカルラは言うと、僕をステージを囲むガラス製の壁に向かって蹴り飛ばした。
「あのカルラって奴……半端ないな……」
と真司は言うと、朱希羅は真司に言った。
「あぁ、本選でもあいつだけ別格の強さだった……」
と朱希羅は言うと、ルリは思った。
(なんでカルラは悪魔王選出試験に……?カルラは昔から無駄な行動は一切しない……だとすると……)
ステージ上ではカルラが二本の剣を持ち、僕に近づいてきていた。僕は起き上がり、戦闘態勢になった。
「まだ足掻きますか……隼人さん……」
とカルラは言いながら、僕に向かってズンズン近づいてくる。
(想像以上だ……明らかに本選のときとはケタ違いの強さだ……‼まさか、本選のときは力を抜いていたとでも言うのか……⁉だとしたら、カルラ……なんて奴だ……‼)
と僕は思うと、カルラはニヤッと笑いながら言った。
「CHECKMATEです。隼人さん」
勝者はカルラなのか……⁉