136話 消えた思い出……
「おかえり隼人。あらお友達?」
と母さんが僕と江川を見て言った。江川の後ろには元憎まれし小悪魔 ルリがいるが普通の人間である母さんには見えていなかった。
「初めまして江川 隗です」
「松田隼人の母です。ゆっくりしていってね」
「お邪魔します」
と江川は言い、僕と江川とルイは二階の僕の部屋に入った。
僕は押入れの中から黒い箱を出した。
「これが僕の部屋に突然 現れた黒い箱だ」
「……開けてみてくれ」
「あぁ」
と僕は言うと、箱を開けた。すると僕たちは臭い煙に包まれ、気がつくと僕たちはガレキの山の上にいた。
「悪魔界の世界は人間界とそっくりと聞いたが……悪魔界はボロボロでとても人間界と似てるなんて言えないな……」
と江川は言うと、僕は江川とルリに言った。
「ここから悪魔界の病院までは近いんだ。行こう」
そして僕たちは歩きだし、少し歩くとボロボロの病院にたどり着いた。
「ここに呪われし小悪魔 レアルが入院している。レアルだけじゃなく。憎まれし小悪魔 ラーシと裏切られし小悪魔 デリットもだ」
「うわ~新世代の魔神に選ばれし三悪魔が勢ぞろいじゃない……」
とルリは言うと、僕たちはその病院の中に入った。
「こんにちわ~。レアルいます?」
と僕は顔面崩壊した悪魔に話しかけた。
「ん?松田隼人か!いるっちゃあいるよ。こっちの部屋じゃ……」
と顔面崩壊の悪魔は言い、部屋を案内すると江川が僕に言った。
「なんか……かなりボロくないか?」
「あぁ……にしては治療はすげーよ?」
と僕は言い、レアルがいる部屋に入った。レアルはもうほとんど無傷の状態だった。
「無事みたいだなレアル」
と僕は言うと、レアルは僕を無言で見つめていた。
「なんだよ?少しは返事を返せよ」
と僕は言うと、レアルは真顔で言った。
「あなた……誰……?」
「……は??おい、レアルとぼけるなよ……」
と僕は言うと、顔面崩壊の悪魔が独り言を言った。
「しまった!レアルは確か……」
「おい!レアル!おちょくってんのかよ!?」
と僕は言うと、ラーシが僕の目の前に現れた。ラーシも無傷の状態だった。
「松田隼人。別の部屋に行こう」
とラーシは言うと、僕たちは別の部屋に移動した。
「なんで?レアルは一体どうしちまったんだ?」
とラーシに聞くと、ラーシは答えた。
「記憶喪失さ。原因はよくわからないが、アルべラム大臣と戦っていたときに頭を打ったか……、それともアルべラム大臣が何かしらの呪文をレアルに唱えたか……」
「俺はアルべラム大臣からレアルを守ったとき、あいつはまだ意識を保っていた……。頭は打ってはいなかった……」
と僕は言うと、裏切られし小悪魔 デリットが言った。
「だとするとアルべラム大臣の呪文による記憶喪失の確立が高いな……。呪文にはそういう記憶喪失する呪文もある。呪文と言ってもこの程度の呪文は呪いじゃなく魔法と言うが……」
「アルべラム大臣はレアルに時間が経つと記憶が消える魔法を唱えたと考えられる……」
「なんで……そんなことを……」
と僕は言うと、ラーシが答えた。
「レアルは僕たちが知ったアルべラム大臣のことよりも、さらに詳しい情報を手にしたようだ……。そしてそのことを発表しようと僕たち魔神に選ばれし三悪魔は集まったが、そこでアルべラム大臣が襲撃しに来た。レアルはまだ僕たちに話していない“大切なこと”を知っていたが、アルべラム大臣はレアルがそのことについて知っていると推理し、記憶を消したのだろう……」
「口封じか……」
と僕は言うと、江川が言った。
「俺とルリもアルべラム大臣が怪しいと睨んでいたが……大切な情報を消されたな……」
「レアルの記憶を取り戻す方法はあるぞ。松田隼人」
と顔面崩壊の悪魔が僕に言うと、僕は答えた。
「記憶を戻す方法……?」
と僕は聞き返すと、顔面崩壊の悪魔は答えた。
「呪文を唱えた張本人、アルべラム大臣を殺すのじゃ」
すると僕は答えた。
「……あぁ、アルべラム大臣は許さない。許せない……。レアルの記憶を消しやがって……」
「松田隼人……そこまで……」
とラーシは言うと、僕は言った。
「まず、悪魔王決定戦に勝つ!そして悪魔王になる!そしてアルべラム大臣の今までやっていた罪を見つけ出して、アルべラム大臣を死刑台に送ってやる!!」