135話 謎の同級生
「なんで……悪魔王選出試験のことを…!?」
と僕は動揺を隠しきれず質問すると、江川という生徒は答えた。
「俺も普通の人間じゃない。黒い箱を持っている」
「黒い箱を……!!?」
「俺の名は江川 隗。放課後、屋上でゆっくり話しがしたい。よろしいか?」
「あ…あぁ…うん。大丈夫……」
と僕は答えた。
そして放課後。約束通り僕は屋上に行った。屋上にはもうすでに江川がいた。
「待っていたよ松田隼人」
と江川が僕に言うと、僕は江川に聞いた。
「江川 隗一体……なんで悪魔のことを知っている……?」
すると江川は答えた。
「半年前……突然、自分の部屋に黒い箱が現れてな、俺はその箱を処分しようとしたが、中身を確認しようと箱を開けた。するとお前も知っているだろうが、俺は悪魔界に飛ばされた。そのときの悪魔界はボロボロの状態だった。悪魔たちは悪魔城の復旧作業を行っていて、誰一人休んでいなかった……」
「……なんでボロボロの状態に?」
「突然、悪魔界に巨大な隕石が落ちたらしいが……」
と江川は答えると、僕は思った。
(巨大な隕石……天真がレティアに勝者としての願いを叶えたときか……。となると、この江川が初めて黒い箱を開けたのは狩武と戦っていたときか……)
と僕は思っていると、江川は僕に質問してきた。
「お前が初めて黒い箱を開けたのは……?」
「俺?俺は中三の春だった……」
「約一年前ですか……」
と江川は言うと、僕は答えた。
「お前の部屋に黒い箱を置いたのは誰だったんだ?」
するとある声が聞こえた。
「アタシだよ。アタシが隗を呼んだんだ」
その声の正体は少女の悪魔だった。
「江川……この悪魔は?」
と僕は江川に聞くと、江川は答えた。
「元魔神に選ばれし三悪魔のルリだ」
「元…!!?」
と僕は聞くと、ルリという少女の悪魔は言った。
「そう、アタシの呪憎裏を隗が解いてくれたのよ!やっぱ隗を選んだアタシの目に狂い無し!」
「お前は魔神に選ばれし三悪魔だったのか!?」
「そうよ、元 憎まれし小悪魔 ルリだったのよ。知らないの?」
(憎まれし小悪魔 ルリだと!?憎まれし小悪魔はラーシじゃないのか!?)
と僕は思っていると、ルリは僕に言った。
「ラーシぃ?あぁ、新しい憎まれし小悪魔のことね。あんた魔神に選ばれし三悪魔についてよくわかってないでしょ……」
「なっ……この悪魔……まさか他人の心を読めるのか……?」
と僕は言うと、ルリは答えた。
「ピンポーン!魔神に選ばれし三悪魔にはそれぞれ能力があって、ワタシの能力は読心といって、他人の考えていることを読み取るの!この能力すごくない?」
「そんなことより、魔神に選ばれし三悪魔のことについて詳しく教えろ!」
と僕は言うと、ルリは即答した。
「無理」
「なっ……なぜだ!」
と僕は聞くと、ルリは答えた。
「だって、あんたの身近に魔神に選ばれし三悪魔はいないでしょ?魔神に選ばれし三悪魔の関係者以外 知ってはいけないことがあるのよ」
とルリは言うと、僕は答えた。
「俺の身近には呪われし小悪魔のレアルがいる!!俺は関係者だ!だからおしえてくれ!」
「証拠は?」
とルリは鋭い目つきで僕を睨み言った。今レアルは悪魔界の病院に入院しているため呼ぶことができない。
「証拠がないならダメね」
とルリは言うと、江川が僕に言った。
「もし、お前の身近に魔神に選ばれし三悪魔の一人がいるならば、俺をその悪魔の下に連れて行ってくれ」
と江川は言うと、僕は答えた。
「あぁ、悪魔界の病院にいるからすぐに連れて行ける」
「すまんな……」
と江川は言うと、ルリが江川に言った。
「ダメだよ隗!もしこの人間がウソついてたらどうするの!?」
すると江川は答えた。
「読心の能力を活用しろ。松田隼人がウソをついているのか?」
「……松田隼人の心を読んでも嘘はついてないけど、仮に妄想とかだったらどうすんの?」
「大丈夫だルリ。俺を信じろ」
と江川は言うと、僕と江川は学校から出て、松田家に行こうとしていた。
「もー!!!」
とルリは言い、ルリは僕たちについて行った。