133話 本選終了そして進出者発表…!!
僕は第16回戦は試合のことよりも死神のことばかり考えていた。
「どうした隼人?顔色悪いぞ」
と朱希羅が僕に聞いてきた。カルラも心配してきた。
「大丈夫ですか?どこかで横になったほうが良いのでは…?」
「いや、大丈夫です。ちょっと考え事してたんで…」
と僕は言い、戦闘を観戦した。
「この二人の戦闘はどうかね?デューラ君」
とアルべラム大臣はデューラに聞くと、デューラは答えた。
「…あまり高評価できませんね…。どちらも大味な攻撃ばかりで隙が生まれすぎです…」
「フッ、もしかしたら魔神に選ばれし三悪魔より最初に君を審査委員として雇った方が良かったかな?」
「まぁ、結果オーライです」
とデューラは言うと、ステージではカムンという僕たちと同じくらいの身長の悪魔がアランドという大男の悪魔を殴り飛ばし気絶させた。
《戦闘終了。アランドが気絶したことにより、第16回戦の勝者はカムンです》
という放送が流れると、カムンは地面に座り込んでしまった。
「ハァ、ハァ…た…助かった…」
とカムンは言うと、三体の死神が現れた。
「「「我々は敗者を殺しに来た」」」
と三体の死神は言うと、アランドの首を斬り、魂のようなものを抜き取って、消えてしまった。ステージの外側には16体の首が無い死体が転がっていた。その中にゼルキルムの死体もあった。
《悪魔王選出試験 本選の閉会式を行う。悪魔王候補の諸君。スタジアムのフィールドに集まってくれ》
とアルべラム大臣がマイクで放送すると、スタジアムのフィールドに配置されてあるステージがゴゴゴゴゴゴゴと音を立てながら、スタジアムの地下に沈んでいった。
「ステージが…!!」
と朱希羅は言うと、アルべラム大臣の部下の悪魔たちが16体の敗者の死体をおぶって、16個の棺桶に向かって歩き出した。
「なんか…やだな…。あんな人生の終わり方…」
と朱希羅は僕に言うと、僕は朱希羅に言った。
「あぁ。こんな試験…ただの殺戮ショーじゃないか…」
と僕は言うと、僕たち悪魔王候補はスタジアムのフィールドに集まった。
《ではこれより、悪魔王選出試験 本選閉会式を始める。と同時に悪魔王決定戦の推薦状を二人の悪魔王候補に授ける》
とアルべラム大臣は言うと、アルべラム大臣はマイクをデューラに渡した。
《悪魔王候補の皆さん、お疲れ様でした。ではこれより審査した結果を報告します。悪魔王決定戦に進出するのは二名。エントリーナンバー28番、カルラ選手。エントリナンバー30番、松田隼人選手です》
とデューラがマイクで言うと、僕とカルラは目が合った。
「よろしくお願いします」
とカルラは僕にスマイルで言った。僕は無言でカルラを見たあと、アルべラム大臣がマイクで言った。
《では進出する候補二名。このステージまで来てくれ》
とアルべラム大臣は自分が立っているステージに僕たちを呼ぶと、僕とカルラはそのステージに向かって歩き出した。
ついに決定戦に勝ち上がる二名が発表された…!!