129話 松田隼人vsヤウル
「ついにゼルキルムも死か…」
とアルべラム大臣は言うと、デューラはアルべラム大臣に言った。
「いえ、彼は一度松田狩武との戦いで死んでいます。おそらく悪魔召喚で生き返ったのでしょう…」
とデューラは言うと、アルべラム大臣は言った。
「フフッ、よく推理できてるじゃないか。そうだよあの方が彼を生き返らせたのだよ」
「……ワタシを試したのですか?」
「すまないな、まぁ許してくれ。そんなことより次の試合が始まるぞ」
とアルべラム大臣は言うと、放送が流れた。
《第15回戦はヤウル対松田隼人です》
僕はその放送を聞いたとき、席から立ち上がり言った。
「…ッ!!俺の出番だな…」
「がんばれよ、隼人!」
「あぁ、行ってくる」
と僕は言い、ステージに向かって歩き出した。スタジアムのスクリーンには僕の名前とヤウルという悪魔の名前が映っていた。
「勝つからな…レアル」
と僕は言い、ステージ上に立った。僕の前にはラウルと思われる悪魔が立っていた。悪魔は僕に向かって手を合わせ言った。
「ホホッ、松田隼人さんですか…。お手合わせよろしくお願いします」
「よ…よろしくお願いします…」
と僕も言い、お辞儀した。なんだ?この悪魔は…
「デューラ君。松田隼人君は知っているかね?」
とアルべラム大臣がデューラに聞いた。
「はい。かつて悪魔界を襲撃したゼルキルムを退け、人間界の人間を抹殺しようとしていたサタンデーモンを倒し、人間界の頂点に君臨しようとした松田狩武を倒した人間…ですよね」
「その通りだ。彼はきっと悪魔王決定戦に進出するかもしれないな…」
「いいえ。まだそれはわかりません。本当に彼が強いのか…このワタシの前でその強さを証明して頂けなければ、ワタシは彼を悪魔王とは認めません」
とデューラは言うと、放送が流れた。
《悪魔王選出試験 本選、第15回戦…》
その放送を聞いた僕は戦闘態勢になり、ヤウルは眼鏡をかけた。
「よし…」
と僕は言うと、戦闘開始の合図が鳴った。
《戦闘開始!》
すると僕は悪魔の継承によって悪魔化し、ヤウルに向かって走り出し言った。
「いくぞぉ!!!」
「まっすぐ突っ込んで来ますか…?もっと頭を使ってください」
とヤウルは言うと、ヤウルは16人に分身した。
「「「「「さぁ、本物を見つけられますか?」」」」」
と16体のヤウルは聞くと、僕は考えた。
ここは究極悪魔化で圧倒するか…しかし究極悪魔化は変身時間が短いしリスクが高い…
「仕方ねぇ、一体ずつ倒す!」
と僕は言うと、一人目のヤウルを壁に殴り飛ばした。すると殴り飛ばされたヤウルは消えてしまった。
「あれは分身か…残りは15体…」
「ホホホ、攻撃の隙は与えませんよ」
と一人のヤウルは言うと、15体が僕に向かって攻撃を仕掛けた。
「うおおおおお!!!」
と僕は3割の悪魔化から7割悪魔化し、背中に翼が生え、その翼で宙に飛び攻撃を回避した。
「翼が…!悪魔化…それが三大悪魔武器の中で最もレア度高い悪魔の継承の能力なのですか…?」
と一人のヤウルは聞くと、僕はそのヤウルの背後に空から着地し言った。
「さぁな」
と僕は言うと、そのヤウルを殴り飛ばした。僕は残ったヤウルを見て言った。
「残り14体…!!」