128話 カルラの過去 【後編】
ワタシは彼を呪うことには反対した。だが彼は言った。
「俺を呪わないのなら、俺はここで死ぬ」と…
ワタシは彼の願いを受け入れ、彼を呪うことにした。呪うといっても呪文はいくつもある。ワタシは呪われた者に命の別状はない呪文を唱えることにした。最も軽い呪い…。しかし呪いは軽くとも残酷なもの…一番軽い呪いは…その人間を悪魔にする呪いだった…
それ以外の呪いはすべて一か月後に心臓麻痺や自殺して死んでしまうという呪いだけだった。その他にも呪いはあったが人間には耐えられなくなり、その場で死んでしまう。それが最善の手だった…
そしてワタシは彼に呪文をかけました。
「うぎゃあああああああ!!!!!」
という彼の悲鳴と共に彼は人間から悪魔に姿を変えていきました。皮膚の色は緑になり…髪は白髪になり、あの三大悪魔武器の一つ、悪魔の継承の悪魔化より酷い姿になったのです…。
呪文を唱え終わった時の彼を見たワタシは驚きました。彼は人間でも悪魔でもなかったのです…。そう…まるで怪物でした…。
「ハァ…ハァ…カルラ…。見ろ…これでお前に触れれば…お前は成長できるんだな…」
「……でも貴方はもう…人間に戻ることはできない…!!」
「あぁ、俺はもう人間じゃない。名前も変えなきゃな…」
「ごめんなさい…ごめんなさい…!!」
とワタシは泣いて謝った。そんなワタシの肩に手を触れ、彼は言った。
「これより俺の名は…スフォルザントだ…」
「スフォル…ザント…」
「カルラ、お前に頼みがある」
【現在】
「そしてワタシは彼の言うとおりに今も動いています。彼のために」
とカルラは言うと、ゼルキルムは言った。
「お前は嘘をついている!スフォルザントとは死神を創りだした人物だ!死神は遥か昔の神話時代から存在している!ってことはスフォルザントは神話時代にいたということだ!お前の話だとそのスフォルザントとなる前は人間の高校生のだったって言ったな、神話時代に高校生なんて存在したはずがない!正直に言え!」
とゼルキルムは言うと、カルラは答えようとした。
「それはワタシの次の代の魔神に選ばれし三悪魔の力を使い…」
「それ以上語ることは禁止されているはずです…カルラ様」
と三体の死神がいきなり現れ、カルラに言った。
「そうでしたね。ということなので」
とカルラは言うと、ゼルキルムは言った。
「じゃあ俺を生き返したのはスフォルザントなのか!?なぜだ!?なんで…」
「殺ってしまいなさい」
とカルラは死神に言うと、三体の死神は真っ赤な鎌を構え、ゼルキルムに襲い掛かった。
「カル…」
とゼルキルムは言おうとしたとき、ゼルキルムは死神に首を斬られ、魂のようなものを抜き取られた。
カルラはゼルキルムの死体に言った。
「ワタシがこの悪魔王選出試験に参加しているのも、こうして試験を勝ち進んでいくのも、全ては彼のため…。彼のためならワタシは死ぬ覚悟で動く。彼がそうだったから…」