125話 最強の剣士
悪魔王選出試験 本選も時間が経ち、どんどん戦いは終わっていった。今は第13回戦。まだ僕の出番は来ていなかった。もう死神によって12人の悪魔王候補は殺されてしまった。ゼルキルムもまだ出番は来てなかった。
《戦闘終了》
という放送とともに死神が現れ、13人目の敗者を殺した。
「そろそろ俺の出番か…?」
と僕は言い、準備しようとしたとき次の対戦者が発表された。
《第14回戦はゼルキルム対カルラです》
という放送が流れ、スタジアムのスクリーンに対戦者の名前が発表されると、ゼルキルムとカルラという白髪のロン毛の悪魔がステージ上に向かって歩き出した。カルラという悪魔の見た目は僕たちと同じくらいの身長で、背中には10本の剣を背負っていた。
「ついにゼルキルムか…」
と僕のとなりの客席に座っている朱希羅は言った。僕はカルラという悪魔を見た。カルラの左目は眼帯で隠していた。僕は朱希羅に言った。
「あの悪魔…わかるか?独特な殺気が…」
「あぁ…ありゃ多分…。ただ者じゃないぞ…」
と朱希羅は言うと、放送が流れた。
《悪魔王選出試験 本選、第14回戦…戦闘開始!》
するとゼルキルムがカルラに向かって猛スピードで攻撃を仕掛けた。
「さっさとこの勝負、終わりにしようぜ!!」
とゼルキルムは言い、カルラにパンチを放った。しかしカルラはゼルキルムの猛スピードのパンチを避け言った。
「そうですね…早く終わらせましょう」
とカルラは言うと、背負っている10本の剣の内2本を引き抜いてゼルキルムに襲い掛かった。
ゼルキルムは剣による攻撃を避けようとしたが、足に切り傷をつけられた。
「ちっ…かすったか…」
とゼルキルムは自分の右足についた切り傷を見て言うと、客席にいた悪魔が言った。
「そうだ!間違いない!悪魔六剣士たちの師は10本の剣を持ち、剣技は最強と謳われている…。あのカルラこそ悪魔六剣士たちの師じゃないのか!?」
「そう言われてみれば確かに…!!」
と客席にいる悪魔たちは言うと、カルラは言った。
「そうです。ワタシが彼らを一流の剣士に育て上げました。まぁ、今となっては彼らは帰らぬ存在となりましたが…」
とカルラは言うと、僕は言った。
「悪魔六剣士を育て上げたのか…!?俺たちと同じくらいの身長の悪魔が…」
朱希羅が僕に質問した。
「もし奴が悪魔六剣士の師だとして、ゼルキルムに勝ち目があると思うか…?」
「さぁな…」
と僕は答えると、カルラはゼルキルムに言った。
「貴方に勝ち目はありません。ワタシは悪魔の領域を超えた最強の剣技を持っていますから…」
するとゼルキルムは右手の拳を強く握りしめ言った。
「残念だがそれはちがう。お前に勝ち目はねぇ…。なぜなら俺には最強の体技があるからな…」