12話 新たな戦士
ゼルキルムと戦闘した僕だったが、
悪魔化してもゼルキルムの圧倒的なパワーの前ではまったく歯が立たなかった。
そんな僕のピンチに同級生の山田真司が現れる。
なんと真司は悪魔武器を持っていた。
「これが俺の悪魔武器、邪神の弓矢だ!」と言い、
弓を引き絞り、矢を放った。
グサッとゼルキルムの右腕に矢が刺さった。
うわぁ、痛そう~。
と僕は思ったが、悪魔化した僕はまるで「いい気味だ。」という表情で見ている。
ゼルキルムはムッとした顔で真司に質問した。
「この矢を放ったのはお前か?」
真司は返事した。
「そうだ、かかってこい!」
ゼルキルムは腕に刺さった矢を抜いて、空高く飛んだ。
「この工場跡地もろとも貴様らを吹き飛ばしてやろう…。」
と言い、手を僕たちに向けた。
ラーシは「えっ!?僕も!?」と言っている。
ゼルキルムはラーシのことなんて眼中になかった。
「終わりだ!」と言い、すさまじいエネルギーが工場跡地に落ちてきた。
目の前は光で何も見えなかった。
聞こえる音はギュイイイイイイン!という爆音だけだった。
僕は死んでしまったのだろうか…?
やがて目が覚めると僕は自分の部屋のベットの上にいた。
悪魔化も解けている。
リビングに行くと母さんがいた。
母さんは僕に聞いてくる。
「どうしたの隼人?真司君もけがだらけじゃない。」
僕は母さんに「真司はどこ?」と聞いた。
母さんはお父さんが使っていた部屋を指差した。
僕はお父さんの部屋に入ると、レアルと布団で寝ている真司がいた。
レアルの話によるとマースさんが工場跡地にエネルギーが落ちる前に、
僕をおぶって、真司をお姫様だっこし、レアルを頭に乗せて助けてくれたそうだ。
もしかしてマースさんは超人なのだろうか?
ついでに工場跡地は完全な焼野原になっていて、レアルが名づけた名前は戦場跡地だ。
僕は傷を癒すため安静にして寝ていた。
その日の夜。
学校の屋上にゼルキルムとラーシがいた。
ラーシがゼルキルムに話しかけた。
「あいつら絶対に死んじゃったね。
黒い箱を持っていたのかもしれないのに。」
ゼルキルムは月を見ながら言った。
「かもではない。あいつらは黒い箱を持っている。それに…。」
ラーシは「それに?」と聞く。
ゼルキルムは答えた。
「あいつらは…死んでいない…。
明日からはすぐにでも奴らが持っている黒い箱を探し出すぞ。」
その後、ゼルキルムとラーシは学校の屋上から姿を消した。