123話 朱希羅vsヴィンジャ
「いきなりか…」
と朱希羅は言うと、僕は朱希羅に言った。
「負けるなよ、朱希羅…」
「あぁ。任せとけ」
と朱希羅は言うと、朱希羅とヴィンジャという巨体な悪魔はステージの上に立った。すると、ステージの周りに壁が現れた。
《戦いのルールは気絶したら負けだ。対戦者以外の悪魔王候補たちはスタジアムの客席に移動してくれ》
とアルべラム大臣は言うと、僕を含む悪魔王候補はスタジアムの客席に移動した。
「相手は人間か。こっちは死にたくないんでな。悪いがこの勝負…勝たせてもらうぜ…」
と巨体な悪魔 ヴィンジャは言うと、朱希羅は戦闘態勢になり言った。
「勝のは俺だ。最初から全力でいく!!」
と朱希羅は言うと、ヴィンジャは戦闘態勢になった。
そのとき、アルべラム大臣の声がマイクでスタジアム中に響いた。
《悪魔王候補 本選!第一回戦…戦闘開始!!》
すると、朱希羅はヴィンジャに向かって走り出し、攻撃を仕掛けた。
「デァ!!!」
と朱希羅は言い、ヴィンジャの腹に強烈なパンチを放った。
すると、客席にいた悪魔王候補の一人が言った。
「あの人間のグローブは三大悪魔武器の一つ…悪魔の鉄拳だ!!あのパンチはかなりダメージがあるぞ!!」
「勝負あったか…?」
と朱希羅は言うと、ヴィンジャは朱希羅に言った。
「それだけか?」
「なっ!!?」
と朱希羅は言うと、ヴィンジャは朱希羅を殴り飛ばした。
「やはり所詮 人間。この俺には貴様のパンチなど無に等しい」
とヴィンジャは言うと、客席にいた悪魔王候補の一人がヴィンジャを指差し言った。
「思いだしたぞ!あの悪魔は悪魔界プロレス大会の連続優勝者だった悪魔だ!!」
「そういえば確かに…!!」
とほかの悪魔たちは言った。
するとヴィンジャが朱希羅に言った。
「そうだ。俺は最強の肉体を持った悪魔だ。負けを認めろ。人間とはいえガキを殴り倒すのは、好かんからな…」
「知るかそんなこと」
と朱希羅は起き上がりながら言った。
「お前は俺には勝てん…」
「そんなのやってみなきゃわかんねぇ!俺は人間だ!ただの人間だ!ただの人間のガキだ!だけどな、そんな人間のガキでも悪魔王候補になって…ここまで勝ち残った人間なんだ!俺は悪魔王候補である限り…まだ可能性がある限り、全力で戦う!!」
「弱き者が強き者に恐れを捨て、全力で戦う…。その勇気は認めてやる。が、そんなのただの無謀な自滅だ。考える時間をやる…。棄権するなら今のうちだぞ」
「考える時間なんて必要ない!俺が考えているのはどうお前を倒すのかということだけだ!人間なめんなよ!!」
するとヴィンジャは目を閉じ言った。
「そうか、なら…」
次の瞬間、ヴィンジャは朱希羅の背後に高速で移動し言った。
「あっけなく散れ」
というと、ヴィンジャを目を開き朱希羅を空中に殴り飛ばした。
「ぐぁ!!」
と朱希羅は言うと、ヴィンジャは朱希羅の真上にジャンプし、朱希羅をステージに蹴り落とした。
「朱希羅!!」
と客席にいる僕は言ったとき、ステージに倒れている朱希羅にヴィンジャが空中から急降下し、朱希羅を踏みつけた。
「ガハァ!!!」
と朱希羅は言い倒れ込んだ。
「一回戦が終わったな」
とアルべラム大臣は言うと、デュークがアルべラム大臣に言った。
「いいえ、まだです」
「まだ?」
とアルべラム大臣は聞き返すと、朱希羅は起き上がった。
「まだ戦う気か?」
とヴィンジャは言うと、朱希羅の眼の色は悪魔化したときの僕と同じ紅色になっていた。
「うおおおお!!」
と朱希羅は言い、ステージに強烈なパンチを放った。その衝撃でステージの上に立っていたヴィンジャは空中に浮いてしまった。ヴィンジャだけでなくステージのパネルも空中に浮いた。
「なにっ!!?」
とヴィンジャは言うと、朱希羅は空中に浮いているパネルを踏み台として利用し、空中を舞うようにヴィンジャを空中で連続攻撃した。ヴィンジャは朱希羅の連続攻撃によって身体中に切り傷がついた。
「あれが奴の息子の隠された力…潜在能力か…」
とアルべラム大臣は言うと、朱希羅はヴィンジャを空中からステージに蹴り落とした。