120話 見抜けなかった幻覚
(アルべラム大臣を倒すにはまず、あの地面から生えている手が幻覚か本物かをはっきりしなければ…)
とレアルは思いながら戦闘態勢になった。アルべラム大臣はレアルに言った。
「たとえ君が魔神に選ばれし三悪魔の一人だったとしても、ワタシに勝つことなど到底不可能。大人しくワタシについて来てくれないか?」
「アルべラム大臣…貴方は何を考えているんですか…?」
「君に語る必要は無い…」
とアルべラム大臣は言うと、アルべラム大臣は姿を消した。
「げ…幻覚!?」
とレアルは言うと、アルべラム大臣の声が工場跡地に響いた。
「さっきレアル君は幻眼の指輪が創りだす結界を破壊したつもりらしいが、君たちが見ていた結界は幻覚でできた偽物…」
すると青空が消え、大量の巨大な目玉が工場跡地を覆っていた。
「これが本物の結界なのだよ」
とアルべラム大臣の声が工場跡地に響き渡ると、工場跡地全体の地面から真っ黒い手が生えてきた。
「そうか…!!だから幻覚が…この真っ黒い手もすべて幻覚…!!」
とレアルは言うと、あまりの真っ黒い手の多さに拘束されてしまった。するとアルべラム大臣の声が響き渡った。
「さぁ、ここで眠ってもらおう」
「クソッ!!」
とレアルは言ったとき、ドォンという凄まじい音が工場跡地に響き渡った。
すると工場跡地を覆っていた大量の巨大な目玉の結界が崩れ始めた。それと同時に魔神に選ばれし三悪魔を拘束していた真っ黒い手が消え、アルべラム大臣が姿を現した。
「なんだ…!?何が起きた…!?」
とアルべラム大臣は言うと、声が聞こえた。
「俺が結界の外から破壊しただけだ…」
「君は…」
とアルべラム大臣は言うと、土煙の中から悪魔化した僕が姿を現した。
「は…隼人…!!」
とレアルは言うと、僕は拳を握りしめ言った。
「アルべラム…お前の野望は俺が砕く…!!」
と悪魔化した僕は言い、戦闘態勢になった。
そのころ、悪魔界でも人間界でも天空界でもない世界…死神界では死神たちが儀式を開いていた。その儀式とは悪魔王選出試験 予選の敗者から抜き取った魂のような物をドス黒い湖の中に入れていた。するとドス黒い湖の中に入った魂が骸骨の姿で出てきた。
「順調か?死神創造の儀式は…」
と謎の人物が死神に声をかけた。
「見ての通りでございます…」
と一体の死神は言うと、謎の人物は言った。
「数は?」
「我々は23万6千875体であります…」
「そうか…。まだ神話時代のときの方が死神の人数はいたか…」
と謎の人物は言うと、赤毛の男が謎の人物に言った。
「神話時代…というと‘最強の魔術師,がいた時代か?」
「その通りだ。まだまだ死神の数が足りないな…悪魔王選出試験の敗者だけでは1億体までいかないか…」
すると赤毛の男は言った。
「だが俺たちの計画に不覚は無い…。たとえ一億いかなくたっても大丈夫だろ」
「そうだな」
と謎の人物は言い、死神は悪魔王選出試験の敗者の魂から創られているため、どんどん増幅していった。