117話 小悪魔たちの会議
悪魔王選出試験 本選まであと五日。
僕は昨日、長野の山の中にある寺に行き、黒鳥とキルビスに再び会いに行った。キルビスなら死神について何か知っているのではないか?と思い奴らを倒す方法は無いのか?ということを聞きに行った。
しかし、死神を倒す方法はわからなかった。だが、いくつかわかったことがある。
まず一つ目、死神は造られし悪魔と同じで人工的に造られた存在ということ。
二つ目、悪魔界と人間界を救った人間…‘最強の魔術師,を天魔の門と人間界の間の異空間に封印した者はレティアではないということ。
三つ目、‘最強の魔術師,が生きていた時代にも死神は存在していた。死神は創造主が死ぬと死神も存在が消えてしまう。ということは死神の創造主はまだどこかに生きているということ。
つまり、その死神の創造主が‘最強の魔術師,を封印した犯人ではないかということ。理由は死神は元々、悪魔界のテロリストと呼ばれていて、無差別に悪魔や人間を殺して行き、世界征服をつかもうとしたのだが、‘最強の魔術師,に邪魔をされ、その創造主が‘最強の魔術師,を封印したのではないか?という説だ。
だがもし、その説が正しかったらなぜ…死神の創造主は‘最強の魔術師,を封印した後、世界征服を行おうとしないのか…。考えれば考えるほどわからなくなっていく…。僕は自分の部屋の床に転がり込んだ。
「…レアルはいないのか…」
と僕は黒い箱を見て言った。きっとレアルは悪魔界に行ったのだろう…。僕はそう思っていた。
しかし、レアルは人間界の僕の家の近所にある工場跡地にいた。レアルだけではない。憎まれし小悪魔 ラーシと裏切られし小悪魔 デリットもいた。
「魔神に選ばれし三悪魔を集めるなんて、何か用かレアル?」
とデリットはレアルに聞くと、ラーシが言った。
「魔神に選ばれし三悪魔を集めさせる案を出したのは僕さ、っていうか、君がいなかっただけなんだよデリット」
「なんだ?二人でグルか?」
とデリットはラーシとレアルに聞くと、レアルは話題を出した。
「デリット…死神のことは知ってるか?」
「死神…?あぁ、悪魔界最強の殺し屋とかいうらしいが…そんなのウソの存在じゃないのか?実際、俺は見たことないしある説では神話の中に登場する登場人物としか…」
「それがいたんだ。僕とレアルは目の前で見た。三人の死神をね」
とラーシはデリットに言うと、デリットは驚いた表情で言った。
「死神を見たというのか…一体どこで…」
するとレアルはデリットに説明した。
「悪魔王選出試験 予選の地獄の戦場スタジアムで会った。アルべラム大臣は死神を雇って悪魔王選出試験の敗者を一人残らず殺したんだ」
「悪魔王選出試験ってあと五日後に本選じゃないか…」
「デリット…君も審査委員を任されたのか?」
とラーシは聞くと、デリットは聞き返した。
「まさかお前たちもか…?」
「そうだ」
とラーシは答えると、レアルは二人の小悪魔に言った。
「アタシたち魔神に選ばれし三悪魔を審査委員にするとは…。アルべラム大臣…何か裏がありそうだな…」
「裏?」
とラーシはレアルに聞くと、レアルは答えた。
「アルべラム大臣は何か恐ろしいことを企んでいるのではないか…ということだ」
そのとき、ある声が工場跡地に響いた。
「気付かれてしまったか…」
その声に魔神に選ばれし三悪魔たちは反応した。
「誰だ!?」
とラーシは言い、魔神に選ばれし三悪魔たちは戦闘態勢になった。レアルたちの前にある悪魔が姿を現した。
「ワタシのことを知った以上、君たちは少し眠ってもらおう」
と言い、レアルたち魔神に選ばれし三悪魔の前に現れたのはアルべラム大臣だった。