11話 実力の差
ネロスを討伐し、
もう二人の悪魔の存在を知った僕は次の日、再び悪魔討伐に出かける。
工場跡地を歩いていると小悪魔のラーシとボスと言われる悪魔の大将が現れた。
大将は僕に聞いてきた。
「お前か?ネロスを倒したのは…?」
僕は勇敢に答えた。
「そうだ!お前は何者だ!」と…。
大将は上を向いた。
次の瞬間、大将は笑い出した。
「ク……クハハハハハハ!
あのネロスめ、こんな雑魚に倒されやがって…!!
ゲハハハハハハハ!!」
僕は確信した。
仲間の死を笑う…。これが本当の悪魔だ!と…。
大将はにやけながら僕を見てこう言った。
「ネロスを倒したほうびにおしえてあろう。
俺様の名は ゼルキルム…。
この人間界と悪魔界の支配者となる男だ。」
僕はこいつが一番悪魔らしい…。と思った。
ゼルキルムは笑いながら言う。
「やる気があるなら来い。
てめぇの力をすべて俺様にぶつけて、悪魔と人間の実力の差を知れ!」
僕の身体は悪魔の継承という腕輪から悪魔化していき、
左腕、左肩、左目、髪の左側の身体の三割が悪魔化した。
意識を失った僕はゼルキルムに向かって走った。
「くらえッッ!!」
と言いながら悪魔の手と化した左手でゼルキルムを殴った。
しかしビクともしない。
ゼルキルムは悪魔化した僕ににらみながら言う。
「どうした?まさか、もう終わりか?」
悪魔化した僕は連続でゼルキルムを殴ったが、
ゼルキルムはあくびしている。
「ダメだ、ダメだ。痛くもかゆくもねぇ…。」
と言いながら僕を殴り飛ばした。
殴り飛ばされ倒れた僕にゼルキルムは手をかざした。
「ここで消えろ。」
と言いニッと笑った。
ゼルキルムの手に電光がバチバチなっている。
そのとき、
僕の悪魔化がさらに進行した。
左肩の裏が黒くなり、漆黒の翼が服を破り、左目から右目まで進行し、
身体の四割が悪魔化した。
しかし翼が生えたといっても片翼では十分に飛べない。
ゼルキルムは「さらばだ。」と言うと、
すさまじいエネルギーが工場跡地を吹っ飛ばした。
僕は片翼で何とか飛び、攻撃を回避した。
だが、飛んでもおよそ三秒で地面に落ちてしまう。
一方、
工場跡地の外では真司が走ってきていた。
「あの爆発は…!?悪魔なのか…!?」
と言い、工場跡地に入って行った。
その頃、
僕にゼルキルムは余裕の笑みで言う。
「どうした?息が上がってるぞ…。」
この悪魔はネロスとは違って強かった。僕が悪魔化しても歯が立たない…。
と思っていたとき、助っ人が現れた。
そう、僕の友達。山田 真司だ。
しかし精神までも悪魔化している僕は真司にただ一言。
「失せろ…。」と言う。
しかし真司は悪魔化した僕に「まあまあ、怒るなよ。」と言い、僕の前に立つ。
ひょっとして真司は僕が悪魔化したことに気付いていないのでは!?
レアルが真司に叫んだ。
「お前は悪魔に対抗する武器を持っていない!お前が戦っても死人を出すだけだ!」と…。
真司はレアルに余裕な顔で返事を返した。
「武器ならここにあるぜ…。俺のとっておきがな!」
と言い、腰についているベルトから黒い棒を取り出した。
「こいつが俺の武器だ。」
と言い、黒い棒を見せてくる。
まさか如意棒とか言うのでは…!?
と思ったが黒い棒がカシャン、カシャンと音を立てながら変形していく。
そして黒い棒はあっという間に弓に変わってしまった。
弓からは黒い不吉なオーラを感じる。
よく見ると真司のベルトにたくさんの矢がついていた。
ゼルキルムは視線を真司に向けた。
真司はゼルキルムに向かってこう言った。
「これが俺の悪魔武器、邪神の弓矢だ!」と…。