114話 生き残った悪魔王候補
「ラムクスゥゥゥ‼‼」
と朱希羅は言い、死神に攻撃しようとしたが、朱希羅の身体には鎖が頑丈に巻きついていたため、朱希羅は動けなかった。
「くそぉぉぉぉ‼‼」
と朱希羅は叫んだ。すると死神はラムクスの身体から魂のような物を抜き取り、僕たちに巻きついている鎖を消した。
「鎖が消えた…⁉」
とゼルキルムは言い、立ち上がった。すると僕は三人の死神に向かって歩きながら言った。
「あいつらだけは許さねぇ‼」
するとゼルキルムは僕に言った。
「止めろ!さっきの戦いでお前もわかったはずだ!俺たちと死神では戦闘経験の差があり過ぎることを!今のお前が戦いを挑んでも無駄死にするだけだ‼」
「じゃあ死神が敗者を殺戮していく姿を黙って見てろって言うのか⁉」
するとある小悪魔が僕に言った。
「ゼルキルムの言う通りだ隼人。今のお前が戦っても何も意味はない。ただ悲しむ人が増えるだけだ」
その声はレアルだった。レアルの隣にはラーシもいた。
「不吉なオーラを感じたが…やはりお前たちだったか…。悪魔界最強と謳われた殺し屋…死神…‼」
とラーシは三人の死神に言った。
「我々はお前たちに用はない。ここに敗者がいないのならば、ここにいる意味もない。お前たちが敗者となれば、我々はお前たちを殺しに来よう…」
と三人の死神は言うと、黒いオーラに包まれ消えてしまった。
僕は悪魔化が解け、ラムクスの死体を見て言った。
「手が出せなかった…。まったく歯が立たなかった…」
「悪魔王選出試験…敗者は…殺されてしまうのか…⁉」
と朱希羅は言った。そのとき放送が流れアルベラム大臣が生き残った悪魔王候補に連絡した。
《今、生き残っている悪魔王候補34名の諸君、予選突破おめでとう。今後も敗者は死神によって殺される。これが代々悪魔王選出試験に伝わるルールだ。これからも頑張ってくれたまえ。なお、予選はこれで終了とする。悪魔王選出試験 本選は来週の予定だ。身体と心の準備を整え、全力で参加してくれたまえ。最後に一つ。本選で敗者になり殺されてしまうのかと欠場した際には我々はその者を敗者とし、死神が必ず殺しに行く。欠場はくれぐれもしないように。では、悪魔王選出試験 予選、終了だ》
とアルベラム大臣の放送が流れた。