112話 予選終了!!
悪魔王選出試験 予選 残り戦闘時間10分わずか。
僕たちはなぜか生き返ったゼルキルムと戦闘を繰り広げていた。
《残り時間10分を切りました》
とスタジアム内に放送が流れた。その放送を聞いた朱希羅は僕に言った。
「あと少しだぞ隼人!ここで倒されたら今までの努力が水の泡だ!!ヤラれたりするなよ!!」
「お前こそな!!」
と僕は言い、ゼルキルムの攻撃を避け、ゼルキルムにパンチを放った。
「ぐっ!!」
とゼルキルムは言い、僕のパンチを何とか防御した。するとゼルキルムは僕の腕をつかみ、そのまま投げ飛ばした。
「おっと!」
と僕は言い、空中で体勢を整え着地した。そのとき、僕たちの背後から何者かが現れた。
「朱希羅!後ろだ!!」
といち早くその存在に気付いた僕は朱希羅に言った。朱希羅は背後からの攻撃を避け後ろを振り向いた。そこにいたのはさっき倒したラムクスだった。
「どうやら気絶した者は敗者にはなるが、戦闘の許可が出るらしいからな…。悪いがてめぇらは道連れの餌食になってもらおう…」
とラムクスは言い、戦闘態勢になった。
僕は戦闘態勢になり朱希羅に言った。
「朱希羅、ラムクスの相手を頼む!俺はゼルキルムを倒す!」
「わかった!倒されるなよ!!」
と朱希羅は言うと、僕たちはそれぞれ攻撃を仕掛けた。
そのころ、スタジアムの外にいたレアルとラーシはベンチに座って話していた。
「隼人たち…うまくやっていると思うか?」
とレアルは聞くと、ラーシは答えた。
「さぁね。でもあの狩武を倒したほどの男なんだ。松田隼人はきっとうまくやっているよ。もしかしたら本選では松田隼人を審査するかもしれないしね…」
「そうだな」
とレアルは言い、悪魔界の紫色の空を見上げた。
一方、僕とゼルキルムの戦いはハードになっていった。お互い無言で殴り合い続け、その衝撃でさっき僕と朱希羅が休憩したベンチがボロボロの状態になっていた。
《残り時間5分を切りました》
と放送が流れ、戦闘時間はもう終わりに近づいていた。僕はゼルキルムから距離をとり朱希羅に聞いた。
「大丈夫か朱希羅!?」
するとラムクスと殴り合っていた朱希羅はラムクスから距離をとって言った。
「なんとかな、くそ…ラムクス…しぶとい奴だぜ…」
「ハァハァ…確かに強くなってるな…ゼルキルム…。ならこっちも本気でいくぜ!!」
と僕は言い、僕を荒々しいオーラが包むと、僕は鬼神化した。なぜ狩武と戦ったときの究極悪魔化しないのかというと、究極悪魔化はあまりにも力が上がるため、究極悪魔化が解けた後、1週間くらいすさまじい筋肉痛が僕を襲ってくるのだ。
「さぁ、いくぞ!!ゼルキルム!!」
と僕は言い、ゼルキルムに向かって攻撃を仕掛けた。
「来い!松田隼人!!」
とゼルキルムは言い、また僕とゼルキルムは殴り合った。しかし、鬼神化したせいか、やはり僕のほうが戦闘力は高く、ゼルキルムを殴り飛ばした。ゼルキルムは壁に衝突した。が、またすぐに起き上がった。
《残り時間1分を切りました》
「うおおおおお!!!」
と僕は言い、起き上がったゼルキルムに向かって攻撃を仕掛けた。ゼルキルムも僕に向かって走り出した。一方、朱希羅はラムクスと激しい攻防を繰り広げていた。
「いい加減気絶しやがれッ!!!」
と朱希羅は言い、ラムクスを殴り飛ばした。が、ラムクスは無事、着地し、朱希羅に攻撃を仕掛けた。
「必ず!道連れにしてやる!!」
一方、ゼルキルムと殴り合っていた僕はゼルキルムの攻撃を避け、ゼルキルムの顔面にパンチを放った。そのとき、放送が流れた。
《戦闘終了です。お疲れ様でした》
すると、僕たちはピタッと止まった。
「フゥ…危なかった…」
と朱希羅は言い、地面に座り込んだ。僕も鬼神化が解け、地面に座り込んだ。
「ちぃ…!!」
とラムクスは悔しんでいた。ゼルキルムもそのまま地面に座り込んで僕に言った。
「やはり強いな、松田隼人…。だが、次は必ず勝つぞ」
「へっ、こっちのセリフだ」
と僕はゼルキルムに言い、休憩した。
そのころ、スタジアムのフィールドに16個のどす黒い光が落ちた。
「なんだ!?」
とスタジアムのフィールドにいた候補たちは驚いていた。そのドス黒い光は黒いコートを身にまとった骸骨に変わった。16体の骸骨がフィールドに現れたのだ。
「なんだお前ら…!?」
と足を手で押さえている悪魔が黒いコートの骸骨たちに聞いた。すると、黒いコートの骸骨は真っ赤な鎌を持ち、言った。
「我々は死神。敗者を殺しに来た」
と黒いコートの骸骨は言うと、手で足を押さえている悪魔の首を切り落とした。
ついに、16体の死神来襲!!!