111話 生き返っていた悪魔
悪魔王選出試験 予選 戦闘残り時間25分。
僕たちの前にかつて狩武によって殺されたはずの悪魔、ゼルキルムが現れた。
「なんで…生き返っているんだ…!!?」
と朱希羅は聞いた。ゼルキルムは答えた。
「誰が生き返らせたのかは知らないが、現に俺は生き返った。俺もお前らと同じ悪魔王候補だ。安心しろ…俺が悪魔王になったら悪魔界を今以上に平和にしてやる」
「信用はできるが…なんで生き返ってんだ…?」
と僕は聞いた。すると、朱希羅は言った。
「考えられるとすれば…狩武が使ったあの術か…?」
「あの術?」
と僕は聞くと、朱希羅は答えた。
「覚えていないのか?悪魔六剣士を生き返らせたあの術…悪魔召喚だ…」
「そういえば…じゃあ…誰がその術を…?」
と僕は言うと、朱希羅は言った。
「まずは、ゼルキルムを倒さないとな…」
僕はゼルキルムに言った。
「同盟を組まないか?ゼルキルム。俺は別に悪魔王なんかなりたくはないんだ。この試験に参加しているのは強制的だし…だから、俺はお前と同盟を組んでお前を悪魔王に仕立て上げたい。朱希羅にも頑張ってほしいんだけど…やっぱ人間なんかが悪魔王になっていいのかな?」
「俺も隼人と同じ意見だ。俺もできればこんな悪魔王選出試験なんて参加したくない。だけどやるからには勝ちたいんだ。だから、同盟を組まないか?」
するとゼルキルムは言った。
「断る」
「な…なんで!?」
と僕は聞くと、ゼルキルムは答えた。
「俺は生き返った!それだけじゃない!今までよりも強くなったんだ!だから、他の悪魔の連中じゃ話しにならないからな…お前達でこの俺の…自分の力がどこまで強いのか…!?試させてくれ…!!」
とゼルキルムは言うと、僕は悪魔化して言った。
「闘るしかねぇか…!!闘るぞ朱希羅!!」
「しかたねぇ!狩武と戦うときは協力してくれたが…手加減しないぞゼルキルム!」
と朱希羅は言い、僕たちは戦闘態勢になった。
「手加減しないか…。その言葉、そっくりに返すぞ!!」
とゼルキルムは言うと、僕と朱希羅はゼルキルムに向かって攻撃を仕掛けた。
その頃、アルべラム大臣の部屋では部下がアルべラム大臣に連絡していた。
「どうやら死神に連絡したところ、敗者が決まったら行くとのことです」
「そうか、それ以外に何か言っていたか?」
「いいえ。何も…しかし、悪魔界最強の殺し屋…死神を見た者は必ず死ぬ。と言われていますが、よくそんな殺し屋を雇えましたね…」
「彼らは悪魔王選出試験には代々雇われているのだよ。まぁ、簡単に言えば…悪魔王選出試験の敗者を殺すことが彼らの仕事の一つなのだよ…」
「アルべラム大臣。もうすぐ時間です」
と部下は言うと、アルべラム大臣はスタジアムのスクリーンを見た。
「あと残り時間10分わずかか…」
とアルべラム大臣は言い、独り言を言った。
「さて、何名が生き残れるか…。楽しみだ」