108話 予選開会式
《ではこれより第三回 悪魔王選出試験 開会式を開始する》
と画面に映っているアルべラム大臣は言うと、スタジアムの壁にあるステージのような場所にアルべラム大臣が現れた。僕はアルべラム大臣を見てレアルに聞いた。
「あれがアルべラム大臣っていう人か?」
「そうだ。悪魔王の次に偉い悪魔だ」
「じゃあ悪魔王選出試験の主催者はアルべラム大臣なの?それとも悪魔王?」
と僕は聞くと、ラーシが答えた。
「悪魔王選出試験の主催者は不明なんだ。アルべラム大臣かどうかはまだ確定できない」
「そうなのか…」
と僕は言うと、アルべラム大臣はマイクを持って68人の悪魔王候補たちに言った。
《悪魔王選出試験は三段階によって行われる。まずは予選、その次に本選、そして最後に決勝戦だ。予選では68人がサバイバル法式で戦闘してもらう。場所はこのスタジアム地獄の戦場ならどこでもいい。フィールドでも、客席でも、スタジアム内部でもアリだ。本選に勝ち上がれるのは34人。つまり予選で半数が落ちるということだ。本選では一対一の勝負になる。決勝戦に勝ち上がれるのはわずか2人。悪魔会議ではリーグ戦法式で行おうとしていたが、時間が無い。より戦闘に長けた者が決勝戦に勝ち上がれる。では、これから行う予選を詳しく説明しよう》
とアルべラム大臣は言うと、メモを見ながら説明した。
《さっきも言ったが、このスタジアム内ならどこでも戦ってもいいとする。戦闘制限時間は一時間。その一時間…生き延びれるかが予選の鍵となる。ただし、戦闘で骨折、気絶したり、大けがを負った場合は脱落。敗者となる。また悪魔王候補同士で連合を組むのも可能だ》
「連合…!?」
と朱希羅は言い、僕を見た。
《もし、戦闘制限時間が終了しその時点で生き残っているのが34人以上だった場合、今度は制限時間30分でもう一度戦闘を行ってもらう。敗者にはそれなりのプレゼントがあるから期待して待っていてくれたまえ。以上が悪魔王選出試験 予選のルールだ》
「敗者にはそれなりのプレゼントがある?参加賞か?」
と朱希羅は言うと、スタジアムに放送が流れた。
《予選開始は30分後です。悪魔王候補の皆さん。準備をお願いします》
その放送が流れ終わったとき、レアルは僕に言った。
「アタシとラーシは悪魔王候補じゃないから、このスタジアム内にいてはいけない。だから外で応援してるぞ。勝てよ隼人」
「はいはい」
と僕は適当に返事を返したとき、朱希羅が僕に言った。
「隼人。同盟を組まないか?」
「俺も同盟を組みたかったんだ。よろしく朱希羅」
「あぁ!」
と交渉成立し、僕と朱希羅は同盟を組んだ。
そして、戦闘開始時間が訪れようとしていた。
《ただいまから、悪魔王選出試験 予選を開始いたします》
と放送が流れると皆が戦闘態勢になった。
《戦闘開始!》
という放送とともに、68人は動き出した。