105話 突然の報告
すいません、文に誤りがあったため編集しました。ご迷惑をおかけしてすいません。
「このままでは悪魔界が成り立ちませぬ‼一刻も早く3代目悪魔王を決定するべきです‼」
と悪魔界の再構築された悪魔城の中で緊急会議が行われていた。悪魔王とはその名のとおり悪魔界の頂点に君臨する者のことを言う。初代悪魔王の名はルシファーデーモン。2代目悪魔王の名はデスターヌだ。
「うむ、私も同じ意見です。どうですかアルベラム大臣。次期悪魔王候補から次期悪魔王を選出してみては…」
と悪魔は言うと、アルベラム大臣と思われる悪魔が言った。
「いいでしょう。しかし問題はどう選出するかです。そこでワタクシは、次期悪魔王候補の中から最も戦闘力の高い者を選出したい。よろしいですか?」
「と…なりますと?」
と他の悪魔は言うと、アルベラム大臣は答えた。
「次期悪魔王候補同士が、戦い合うのです。今のところ次期悪魔王候補は68人。その68人がリーグ戦方式で戦い、優勝した者が悪魔王となる。意義はありますか?」
このアルベラム大臣の提案に意義がある者はいなかった。
狩武との戦いから10ヶ月が過ぎだ。ただいまは5月。僕の名は松田隼人。今年の4月から高校一年生だ。狩武との戦いの後、必死に猛勉強したため公立高校に進学することができた。真司とは学校が別々になってしまったが、携帯のEメールで毎日会話している。赤ん坊になった狩武はまだ0歳10ヶ月。やっとヨチヨチ歩き始めた頃だ。僕は今年の4月から毎日、通っている嵐流高等学校に登校した。いつもどおり、僕は自分のクラスの座席に座った。
「フー…疲れた…」
と僕は授業が始まる前に一眠りしようと思ったとき、開いていた廊下の窓からレアルが学校内に侵入し、僕のクラスまで入ってきて僕の前に飛んできた。
「おい!隼人!ビッグニュースだぞ!!」
「なんだよ…こっちは眠いんだよ…」
と僕は言い、眠ろうとした。なぜ、皆がレアルの存在に驚かないのかと言うと、悪魔とは無関係な人間にはレアルや悪魔の姿が見えないのである。
「起きろ!これは悪魔界が左右するビッグニュースなんだぞ!!」
「人間の俺には関係ないだろ…」
「関係大有りだ!!お前を含む次期悪魔王候補の中から三代目悪魔王を選出するんだ!!」
「三代目悪魔王…?ふーん…えっ!?俺を含む次期悪魔王候補!?」
「そうだよ!!」
「ハァ!!?俺は悪魔王なんか無関係…!!…ここだと人がいる…人目が無いところに行こう」
と僕は言い、レアルと一緒に学校の屋上に行った。
大空の下で僕はレアルに聞いた。
「どういうことだよ!?いつから俺は次期悪魔王候補なんかになっちゃったんだよ!?」
「今までのお前の戦績をアルべラム大臣が高く評価してな、次期悪魔王候補の一人になった」
「誰だよ!?そのアルべラム大臣って!?」
「悪魔王の次に偉いお方だ。しかもかつて次期悪魔王候補だった悪魔だ。今の悪魔界には悪魔王がまだいないからアルべラム大臣が全指揮権を持っている。お前がもし悪魔王になれば、悪魔界にいる悪魔たちはもちろん、アルべラム大臣も指一本で動かせるようになるぞ」
「そんなことはどうでもいい!!俺が悪魔王候補なら俺は辞退する!!」
「ダメだ。そんなことは許されない。一度決まったことは最後までやり通すのが悪魔の掟だ。掟を破ったら悪魔界の犯罪者として見つけ次第、殺されるぞ」
「マジかよ!?っつーかどうやって悪魔王候補の中から悪魔王を選ぶんだよ!?」
「それはまだわからない。詳しくは開会式に発表されるらしい」
「開会式とかあるの!?」
「そう簡単になれるもんじゃないぞ悪魔王は…現在でも悪魔王候補の数は68名だ」
「多ッ!!悪魔王になれるのはその中の一人かよ!!」
「とりあえず心の準備をしておけ。じゃあな」
と言うとレアルは飛んで行ってしまった。僕は重い気持ちになりながら遅刻にならぬよう、クラスに戻って行った。