10話 ネロスとラーシ
結局、僕は悪魔の誕生の秘密を聞き出せなかった。
僕はもう一つ聞きたいことがあったので、聞くことにした。
「あの…もうひとついいですか…?」
悪魔王は「なんだぁ~い?」と答える。
もうさっきの真面目モードは消えてしまったようだ。
僕はさっそく質問した。
「あの悪魔の継承という腕輪は何なのですか!?
光ったと思ったら身体の3割が悪魔になって…」
と言っていると悪魔王は質問してきた。
「なにっ!?まさかお前っ、悪魔化したのか!?」
とかなり驚いている。
もしかしてけっこう深刻なことなのだろうか?
僕は全て話した。
実は良い悪魔だったネロス、ラーシという黒衣の小悪魔とボスと言われる悪魔。
悪魔王も冷静に聞いてくれた。
「ネロスとラーシ…。
あいつらは昔からいつもいっしょだった。
一人前の悪魔に育てる学校。悪魔学校でもあいつらはトップを争うようになった。
そしてネロスは小悪魔のとき、悪魔六剣士の一人になり、
ラーシは行方不明になったと聞いたが…。
まさか二人とも殺しを趣味にする悪魔になっていたとは…。」
悪魔王は顔に手を当てていた。
そして僕に質問してきた。
「本当にその黒衣の小悪魔はラーシと名乗っていたのだな…。」
僕は質問に答えた。
「確かにネロスが黒衣の小悪魔にラーシと言っていた。
それがどうかしたんですか…?」
悪魔王は不思議そうに話した。
「ネロスとラーシは同じ年のはずだが、ラーシだけが小悪魔なんてことはないはずだ。
まぁ、いずれ謎は解けるだろう…。
とりあえず悪魔の継承のことだが、あれはあまり乱用するな…。
そのまま悪魔化がどんどん進行していったら、二度と人間に戻れなくなっちまうかもしれないからな。」
と言われ僕は人間界に帰ることにした。
悪魔界の自分の部屋にある黒い箱から人間界の自分の部屋に転送された。
考えてみれば悪魔王に転送してもらったほうが早かったのでは…?
僕はすぐにベッドに転がりこんだ。
そのまま夜が明けた。
次の朝。
僕はまた悪魔討伐任務に行くことになった。
悪魔と遭遇するために僕はルートを考えた。
自宅→公園→学校付近→商店街→工場跡地→自宅だ。
工場跡地まで歩いてきたがまだ悪魔は現れない。
と、思ったそのとき、
小悪魔のレアルは何かを感じた。
「……来るぞ!」と叫び、
レアルが魔力で僕を吹っ飛ばした。
「痛っ…!!」と僕は声をもらしながら前を見ると爆発の跡が残っていた。
レアルも爆発には巻き込まれなかったようだ。
すると「よくかわせたね。」と上から声が聞こえた。
僕は上を見上げると黒衣の小悪魔 ラーシが浮いていた。
さらに黒い稲妻と共に悪魔の大将が現れた。
「お前か…?ネロスを倒したのは…。」
と僕に質問してきた。
僕は悪魔の継承を身に着けて勇敢にこう言った。
「そうだ!」と…。
いつも短くてすいません…。