100話 本当の悪魔の継承
狩武は身体を分離した後、分離した身体から新しい身体ができたため、狩武は二人になった。
「「容赦はしないぞ‼」」
と二人の狩武は言うと、それぞれ僕と天真に攻撃してきた。僕は一人の狩武と殴り合ってたとき、言った。
「一人一人が強い…‼それに攻撃がビクともしてねぇ‼」
と僕は言い、攻撃が通用しないので、狩武の攻撃を避け続けた。すると天真はもう一人の狩武の攻撃を避け続けながら言った。
「一体どうすればいいんだ‼?攻撃が通用しないなんて…‼」
「直接攻撃が効かないなら、こいつはどうだ‼」
と僕は言い、狩武から少し離れて狩武に衝撃波を放った。しかし、狩武には衝撃波も効かなかった。
「言ったはずだ。お前たちがどう足掻こうとしても、この俺の前では無力に等しい」
と狩武は僕に向かってズンズン歩きながら言った。
「勝ち目が…ねぇ…」
と僕は絶望したとき、狩武は僕を蹴り上げた。そして、狩武はジャンプし、空中から僕を地面に蹴り落とした。
「ぐああああ‼」
と僕は言い、地面に墜落した。そして気を失ってしまった。
「隼人!」
と天真はふとよそ見したとき、目の前にいた狩武に攻撃され、さらにもう一人狩武が現れ、2対1でズタズタにされていた。
『隼人…おぃ…隼人…』
と聞き覚えがある声が僕の意識に聞こえてきた。僕はいつの間にか変な異空間にいた。
「あれ…ここは…どこだ…?」
と僕は言ったとき、またある声が聞こえた。
『ここは念のためにと俺が悪魔の邪眼の中に創り出しといた空間だ』
その声は聞き覚えがあった。後ろを振り向くとそこにいたのは僕の父親である松田直人だった。
「父さん!あれ…父さんって死んだんじゃ…」
と僕が聞いたとき、父さんは答えた。
『あぁ、実際死んでいる。だが、意識だけはこの悪魔武器の中にあるように細工して置いたのさ』
「でも…なんでこんなことを?」
『お前の中から見ていたからわかるが、どうやら狩武に苦戦してるらしいな』
「まるで勝ち目がねぇ…。攻撃が全部効かねぇし、何か分離して二人になるし、再生力半端ないし…」
すると父さんは笑って言った。
『お前には悪魔の邪眼があるだろ?それがあればお前の攻撃を強化できるじゃないか』
「でもあれって…攻撃の強さの問題じゃないと思うんだ…攻撃が一切通じない…」
『確かにそうかもな。だけど、お前はまだ悪魔の継承の力を充分に出し切れてないんだ』
「出し切れてない…?俺は鬼神化して戦ってたぞ…」
『ちがう。悪魔の継承というのは初代悪魔王の力を使用者の力に変換する武器だ。初代悪魔王と契約したのなら初代悪魔王の力をそのまま使用できる。が、今のお前の使ってた力は鬼神の力が初代悪魔王の力を引き出すことを邪魔してる…初代悪魔王の力はあんな程度の力ではないはずだからな』
「じゃあどうやったら充分に発揮できるんだ?」
『なぁに、簡単さ。鬼神の力を3%にして、残りの97%は全て悪魔武器に頼れ』
「え⁉3%だけ⁉」
『大丈夫、お前ならできる。だってお前は…』
「なに?」
『いや、なんでもない』
「なんだよ⁉気になるだろ」
『フッ、まぁ時期にわかる。とにかく、お前なら大丈夫だ。世界の未来を俺はお前に託したぞ』
「……あぁ、やってみるよ。父さん」
すると、僕は気づくと駐車場で倒れていた。そして目の前にはボロボロになった天真が二人の狩武にズタズタにされていた。
「それ以上…天真に…手を出すなァ‼‼」
と僕は言い、超高速のような速さで移動し、二人の狩武を殴り飛ばした。僕は頭に白銀に輝く角が生えていて、髪の毛の色は角と同じ白銀になり、目の瞳は紅く、歯が鋭く牙のようになっていた。
「今になってようやく…初代悪魔王が最後に言った『全力で戦えよ』の意味がわかったぜ…」
と僕は言い、二人の狩武を指差して言った。
「覚悟しろ狩武‼悪魔の継承の本当の力を見せてやる‼‼」