9話 明かされない謎
前回。
僕は悪魔討伐任務のため、公園を歩いていると、
悪魔六剣士の一人、ネロスに再び遭遇してしまう。
マースさんが戦うも本気を出した悪魔の攻撃によって戦闘不能に。
僕は悪魔の継承という腕輪の力で身体の3割が悪魔化してしまった。
でもこれなら戦えるだろうと思ったが、意識を失い。
今、僕は精神までも悪魔化していた。
「来な、ウスノロ。」
と悪魔化した僕がネロスに言う。
レアルがマースさんを引きずりながら言った。
「なんだあれ…もうほとんど悪魔じゃねえか…。」
ネロスは黒刀を振り上げ攻撃をしかけた。
しかし、悪魔化した僕の左目はさっきまで見えなかった悪魔の動きがはっきり見えた。
相手の細かい動き、足を踏み出す位置など全て見切ることができた。
悪魔化した僕は左手の逆鱗で覆われた爪でネロスを切り裂いた。
我ながらひどい…。
ネロスは緑色の血をブッシャアアアアアア!!と出しながら倒れた。
まだ意識はあるが、起き上がる力は出ないらしい。
僕の悪魔化が徐々に消えて、黒いウイルスは僕の体内から腕輪に戻っていった。
体内からウイルスが腕輪に入るとき、何だかくすぐったかった。
黒いウイルスが全部腕輪に戻り、元の姿に戻った。
ついに勝った。
ケンカで勝ったことがない僕が初めて悪魔に勝ったのだ。
(しかも一撃で…。)
ネロスは倒れたまま僕を呼んだ。
僕は警戒しながらゆっくり、ゆっくりネロスに近づく。
するとネロスは話し出した。
「お前なら我が同士がやろうとしている大いなる計画を阻止できるかもしれない。
いいか、悪魔の誕生するのには秘密が…!!」
ジジジジジジジジジジ…!!
という黒い雷光と共に黒衣の小悪魔が現れた。
「我々のことは人間に絶対に知られてはならない…。ネロス…お前は僕たちを裏切ったな…。」
ネロスは緑の血をゲホゲホ吐き出しながら言った。
「ラーシか…何しにきやがった…?」
ラーシと思われらしき悪魔はネロスの質問に答えた。
「決まってんだろ…。負け犬の後始末。」
ネロスは必死に問い詰める。
「なんであんな奴の命令に従う!?あいつのしてることは何を生み出すのかわからないのか!?」
ラーシは答えた。
「お前はやはりそちら側の悪魔のようだな…。ネロス。
ずっと僕やボスに対抗できる人間を探していたんだろう?
だから君はレアルを連れているこの人間をためした…。」
正確に言えば僕がレアルを連れていたのではなく、
レアルが僕を連れていたのだ。
ラーシはまだまだネロスに話しかける。
「でも残念だったね…。やっと人間を見つけたのに…。
ここで……死んでしまうのだから…。」
ラーシはネロスに手を向けてこう言う。
「雑魚は消えろ。」
と言い一瞬でネロスは跡形もなく消えていた。
僕とレアルはポカーンと見ていた。
ネロスの消えた周りに小さなクレーターができていたのだ。
なんて恐ろしいチビだ!!
そのあとラーシは雷光と共に消えた。
一体、悪魔の誕生にはなんの秘密があるのだろうか?
僕はその秘密を明かすため悪魔界にいる悪魔王に会いに行くことにした。
相変わらず悪魔界の空気は臭い。
僕は悪魔王に悪魔の誕生について聞いた。
「あの…悪魔王…様…?」
悪魔王は笑顔で振り向く。
「おお、様ってちゃんと言えたね~!えらい、えらい!」
どうして毎回 口調がウザいのだろうか…?
僕は本題に入った。
「悪魔の誕生って、秘密があるんですか…?」
「…………!!」
悪魔王は動揺している。
すると悪魔王は手を僕の肩に置きこう言った。
「お前は……知らないほうがいい……。」
と初めて悪魔王が真面目になった…。
結局、悪魔の誕生の秘密は謎のままになった…。