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タワシ先生の、正しい卒業式の練習の仕方!

作者: pp

音楽の授業が好きな人は、この小説を読まないほうが良いと思います。

また、『目上の人を敬おう』をモットーにしている人も・・・。

 ここはとある小学校の音楽室。6年1組は今年で初めての音楽の授業だ。しかも、音楽の先生が今年から、かたくるしそうな男の先生に換わる。


「皆さんおはようございます。えーと、まずは私の自己紹介ですね。私の名前は・・・」

「タワシでーす!」

クラスの男子が叫んだ。先生の口が開いたままになっている。(先生の頭はちくちくしていて、タワシのようだ。)

「あのですねぇ・・・」

先生が怒りの表情をうかべている。

「せんせーい。もしかして、キレてますぅ?」

さっきとは違う男子が叫んだ。

「・・・女子の皆さん、男子が騒いだら注意しましょうね。」

「「嫌です!特に、先生の言うことなんか!タワシ頭になってしまいます!」」

女子全員が口をそろえて言った。

「な・・・。(汗)こんなクラスで良いと思っているのですか?」

先生はおおまじめだが、生徒は笑っている。

「だって、今のは卒業式の掛け声の練習ですから!」

一番前の席の女子が代表して言った。

「「あおげばとうとし・・・・・・・」」

「「きみがよは・・・・・・・」」

合唱には男子も参加した。絶対にどこかで作戦をたてていたに違いない。

「先生!僕達・・・」

1人の男子が手を挙げて叫んだ。

「何ですか?」

「私たちは!」

今度は女子だ。

「「立派になるために・・・」」

クラス全員が声をそろえた。

「中学校へと、」

男子だ。

「今、羽ばたきます!」

また女子だ。

「「羽ばたきます!」」

男子全員。

「「羽ばたきます!」」

女子全員。

「「羽ばたきます!!」」

クラス全員。


 しばらく沈黙が流れた。1分ほど経った後、先生が眼鏡の位置を直しながら言った。

「もう卒業なのですか!?あなた達は6年生になったばかりでしょう!」

それでも生徒はうろたえなかった。

「「善は急げと、いうじゃないですか。」」

いくら先生といえども、クラスの総攻撃はきついものだった。

「早すぎます!」

先生は、もう本当にキレる直前のようだった。

「やる気のない生徒は、音楽室から出て行きなさい!やる気がある人に迷惑がかかります!」

次の瞬間、先生は「やってしまった!」と思った。生徒全員が音楽室から出て行こうとしたのだ。

「タワシセンコー、元気でなぁー!」

「2度と授業の予定を入れないでくださーい!」

「頭で水道掃除しといてくださいねぇー!」

先生は、音楽室から次々と出て行く生徒達をただ呆然と見ていることしかできなかった。

「み、皆さーん!」

先生の必死の呼びかけにも、生徒はまともに返事をしなかった。

「「あおげばとうとし・・・・・・・」」


 結局、先生の最初の授業は大失敗に終わってしまった。そして、校長先生に大目玉をくらった。その後、行く所のなくなった6年1組の生徒が他のクラスの授業を妨害したことは、言うまでもない。


 そして、6年1組は新たな伝説を作り上げたのであった。

私の学校では、音楽の授業がまともに受けられません。そこで、このような設定を思いつきました。

ネタは自分で考えました。先生があだ名をつけられているのは本当ですが・・・。

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― 新着の感想 ―
[一言] タワシ先生がかわいそうでかわいそうで(ホントかよ)、思わず吹き出してしまいました。 一致団結したクラスの様子がとてもらしくて、二年程前の現役時代を思い出しながら読ませてもらいましたv
[一言] よかったです
[一言] 何だか、現実にありそうで怖いんですけど……。
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