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そんな告白最低だ!  作者: 3206
第二章 あいつには振り回されてばっかりかもしれない……。
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おかしな人がここにいます

「……蘭…………。お前目に光がないぞ……?」

いったいこいつは何をやったらこうなるんだ? これは俗にレイプ目ぞくにばれる奴なんじゃないだろうか? っていうか格好が、椅子に――と言ってもソファーだが――思いっきり横になっている。……いや、違うな。ソファーに頭だけ載せて、床に膝をついてる……。これだけ見ると本当に何があったんだ、って感じになる。

「何があったんだ?」

蘭に聞いても仕方ないので、今バラードを歌っていた絢香に聞いてみた。

「えっとね、要するに『ここで死ぬわけには……ッ!』って言って倒れたから……。なんか妄想してたみたいよ?」

「うん、理解した。あいつはまだ歌い足りなかったが、歌いきる前にのどが限界を迎えたんだな。……アホじゃん……」

「でも、それだけじゃないと思う。ほら、さっきから蘭がなんか言ってるし……」

え? そうなのか?

絢香に言われて蘭の方に耳を近づけてみると、呪文のようなものが聞こえてきた。蘭は繰り返し「どうせ叶わないんだ、どうせ、どうせ……ぶつぶつ」と、言っていた。お前はいったい何がどうしたらそうなるんだ?

「あれ? 蘭、大丈夫か?」

あたしと一緒に戻ってきた萱沼も蘭を見て心配そうにしている。あたしは飽きれてるだけだが……。

「とりあえず、そろそろカラオケ終わるからそのあと何とかしよう」

「……ナオが膝枕してあげたら早く良くなるんじゃない?」

絢香よ、お前まだそんな思考をする奴だったのか? なぜ蘭が同性のあたしの膝枕で回復するんだよ。お前は蘭に犯されたのか?

「それかナオが柴原君の膝枕するとか」

「絢香、冗談でもやめてくれ」

なんであたしがそんなことせにゃならんのだね。優人はあの王様ゲームのことがあったからなるべく近づきたくないんだよ。

「……ちょっと、いま、なんて言った……?」

と、地獄の底から声が! なんだこの邪念がこもりまくってあふれ出てきてるのが目に見えるという現象は!……あ、蘭か。

「ナオが膝枕すんの!? 優人君に!? ちょっと待って! 今ケータイ用意するから!」

「まてまてまてまて! なんでいきなり元気になってんの!? しかもケータイ出して何するつもりだよ!」

「安心して! あとで写メ送ってあげるから!」

そういうことじゃねぇ! なんでお前は写メとる準備してんだ! やんねぇからな! 絶対あたしは膝枕なんかしないからな!

「ってか、蘭が復活したんだし、また歌い始めろよ! お前まだ歌いきってないんだろ!」

と、あたしは無理やり話題を変更して逃げる。

「……ま、無理やりはやめとこうかな。よっしゃぁ! 歌うぜぇ!」

あれ!? 蘭ってそんなキャラだったっけ!? 今までカラオケ何回か行ってるけど、お前そんな風になったことなかっただろ!? それに素直すぎるぞお前! いつもならもっと粘るだろ! 本当におかしくなったのか!?

蘭は「よし! これだ!」と言ってどんどん曲を入れていく。しかもすべてロック系統のやつを。お前本気でのどがやばいだろ! やめとけ! ロックはやめとけ!

と、心の中で言っても意味がなくて、蘭は歌い始めてしまう。

「蘭! それあたしが歌う! だからいったん飲み物飲め!」

「マイクは渡さない! あたしはテンションマックスなんだ!」

歌い始めてしまうのであたしも歌い始める。マイクが二つあるので二人までは同時に歌うことができる。

なんか隣であたしの呼び方に悩んでるやつがいたけど、気にしない!

勝手に決めてくれって言ったし!


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