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そんな告白最低だ!  作者: 3206
第二章 あいつには振り回されてばっかりかもしれない……。
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普通の反応だよな?

ゴールデンウィークは本当に退屈だ。部活やってる人は忙しいだろうが、何もやってないあたしみたいな奴にとっては退屈以外の何物でもない。

……小説書くか? 久しぶりに。とか思ったけど結局止めて。今日まで過ごしてきた。

本日は五月四日。カラオケがある日だ。

で、今あたしたちは駅にいる。最寄りの駅――耀華中学校の近くにある耀華駅が待ち合わせ場所になっていた。

ただいまの時間正午十二時。ちょうどお昼時の時間帯だ。

「……で、お前も呼ばれたわけか」

「そういうことだ」

いつもながらだるそうに答えたのはもちろん優人。ま、主催者が蘭だからこうなるとは思ってたよ。予想の範囲内だ。

「……で、お前はなんでそんなに俺から距離を取ってるんだよ」

何言ってるんだか、たかが十メートルくらい離れただけじゃないか。

「別に普通だ。お前なんか他の物見てるんじゃないのか?」

「俺が罰ゲームの時――逃げるなよ……」

別に普通だ。たかが三十メートル離れただけだ。よくあることだ。全力疾走すらよくあることだったからな。早歩きなだけまだマシだ。

でも、このままじゃあさすがに気まずいだろうからな、やっぱりここは。

「…………なんでカラオケ行くのに本なんて持ってきてんだよ、お前は」

「普通だろこれくらい。本はいつでも持ち歩いてるにきまってる」

蘭の場合は、昔学校に年齢制限つきの本を持ってきていたが、小説だし、写真があるわけでもないので取られなかった。ま、単に先生が気付かなかっただけだが。

「…………」

「…………」

静かになると読書がはかどる。なのに、周りの雑音のせいで集中できない! 蘭! さっさと来いよ! 

「優人も来てたのか」

と、男の声が聞こえてきた。てーと、この声はどっかで聞いたことがあるぞ…………。確か名前は――

「萱沼か。やっぱり蘭のことだからあの時のメンツだろうとは思ってたよ」

と、優人が受け答えをするのと同時進行で萱沼は優人の方に向かっていく。

「……あっ、ナオちゃんも来てたんだ」

と、急に立ち止まってこっちに向かってきた。なんだ、見かけによらずチャラ男なのか萱沼。

「っていうか、なんでそんなに離れてるの? 優人と距離とりすぎでしょ」

苦笑しながら萱沼があたしの隣に来る。

「もしかして前の時のこと気にしてんの?」

「優人は危険人物ってことにしただけだ」

「うわっ…………優人、なんか同情するわ」

何故に同情なんだ? 別に普通の対応だと思うんだが……。

「あいつに同情しなくていいだろ」

「でも、ナオちゃんって、優人の彼女でしょ?」

「…………………………………………………………なにをどう見たらそうなったんだ?」

「え? ちがうの?」

違うものなにも、その発想が出てくること自体が不思議になるんだが……。

「違うなら、どんな関係なの?」

……どんな関係、か。うーん、そうだな……。

「物理的に距離を取るくらいの関係だ」

今の状況を見ればわかる通りな。

あたしがそう答えれば萱沼は苦笑する。だからなぜそこで苦笑するんだ?

「優人と距離とるなら俺と距離とった方がいいと思……あ、みんな来たんじゃない?」

と、萱沼があたしの肩越しに優人がいる方を見る。そこには優人以外に三人、あの時王様ゲームをやったメンバーがいた。

やっとカラオケが始まるかな。久しぶりだな。


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