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そんな告白最低だ!  作者: 3206
第一章 もう一度あいつと会うことになるとは
10/38

電話相手は……

誤字などがありましたら指摘してください。

感想でもかまいません。

俺が目覚めたのは太陽が昇り始めた後だった。時刻は七時ジャスト、まさか朝日七時にベートーベンの運命を聞くとは思わなかった。そして何故着メロが運命なのかという疑問もある。こいつの着メロサイレントにしておいたはずなんだが。

俺は携帯を手にとって通話ボタンを押す。

「もしもしナオ――」

「おかけになった電話番号はただ今使われていないか、東京のアニメショップにあるか、異世界にいてでられないかのどれかの都合により出る事が出来ません。御用の方は直接会いに来てください」

それだけ言い終わると俺は電話を切った。

まったく、土曜日なんだからもう少し寝かせろ。昨日は深夜三時まで読書してたんだから。

受験終わってから読みまくってんだよ。それくらい分かってんだろあいつなら。

そしてまた俺はうとうとし始めたときにもう一度。今度はちゃんと出てやる。

「はい、もしも――」

「ナオはどうやって異世界に飛んだんの!?」

「どうしてそういう結論に達したんだ!!」

おかしい! おかしすぎる! なんで俺が異世界に言ったことが前提なんだよ!

「いや、だって東京行こうとして家出たんだけど今はそこにいる可能性はゼロじゃん。時間が時間だし。だから次にナオが電話に出たら異世界に行ってたって事でしょ」

「まずお前の中二病を治してこい!」

「治るんだったら治して欲しいけどね。実際治そうとしたナオだって中二病になったじゃん」

「否定はしないけどな。……ご用件はなんでしょうか」

「うん、それなんだけどさ。優人君と再会できて良かったね!」

「何が良かったねだよ。あいつと再会したからって何にな……あれぇ!? なんでお前が知ってんの!?」

「まったく、私を何だと思ってるんだよ。神だぞ神」

「そういう中二的なのはいいんだよ! 本当はなんなんだよ!」

「実は私ナオと同じ高校にいてさぁ、監視してたんだよね」

「だからそういう冗談はいいか――」

「ナオのツッコミは隠せないよね。そういうキャラだし。すぐ本性出たじゃん」

「なんで知ってんの!?」

ありえねー! 何だこいつ、もしかして本当におれと同じ高校に……いやいやいやいや。それだけは無い。そんな事あったら俺の人生がまとものはずが……。

「何かフラグ立てたような気がする!」

やべぇ、やっちまったよ。本当にこいつの言うとおりになりかねないよ。

でもまて、俺がこれ以上あいつに関わらなければ問題ねえじゃねーか。それなら話は簡単だな。

「まあ、とりあえずそれを確認したかっただけなんだな?」

俺はツッコミをやめらられなかったということをひとます認める。

「そう! でさ、結局のところどうなの!? やっぱり運命だとか感じちゃう!?」

「確かに、運命かもしれないな」

だって一ヶ月どころか一週間も経ってないのにツッコミ再会だぞ? 俺、将来そっちの方向に進む事になるのかな、芸能とか。

「おお! ナオが認めた! それじゃああれだね、これからさらに楽しくなるね!!」

「俺は全然楽しくないんだけど」

高校生になってもツッコミ属性継続とか……………………嫌だ。

「私が楽しいからオッケーでしょ?」

「俺は何のために生まれてきたんだろうな!?」

「そんなのこの世界という物語のヒロインとして!」

「…………」

あれ? 何かおかしくない? ツッコミ属性=ヒロインって……。

もしかして俺、今物凄いやばい事を言ったんじゃ……。

「なあ蘭、お前どういう意味で話を進めてた?」

今さらだが、俺が今電話をしているのは例の年賀状を送ってきた奴、松川蘭その人だ。

「? 今更何言ってるの? そんなのもちろん優人君とナオのことって言う意味で話してたに決まってるじゃん!」

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………やっちまったよ。

俺、あっさりと柴原優人+白文和桜=恋愛ストーリーという方程式を肯定してしまっていたらしい。

「ナオ? どうかした? もしかして優人君から連絡があったとか?」

「そんな事は起こらないから安心しろ」

「え…………。も、もしかして!? 今一緒に寝てるから連絡なんてことはしないって言うこと!?」

「いいかげんそっちから離れてくれないかなぁ!?」

「優人君じゃないの!? 二股かけてるの!?」

「だから離れろって!!」

なんでこいつはこうなっちまうんだかなぁ。その妄想をほかのところに回して、小説でもかいてればいいものを、俺に言うんだから悪意があってやってるとしか思えん。でもこいつ、悪意なんてこれっぽっちも無いんだよな。余計たちが悪い。

「とりあえず、俺が今まで話してたのは俺のツッコミ属性は運命的なものなのかもしれないっていう意味だったんだよ」

「ああ、そういう事だったのか。どうりでナオが素直に認めると思った」

「ああ、そういうことだから一旦終わりにしよう。俺出かけるから」

逃げるのに一番都合がいい言い訳をして終わらそうとする。携帯電話だから一旦切ったところですぐにかかってきそうなのだが。

「うん、私もゲームやらないといけないし」

それが何のゲームかという話題はそのままスルー。

「じゃあまた」

「うん……………………あっ、ちょっと待って」

「? 何だよ」

電話を切ろうとしていたら再び話し掛けられる。もういっそ切ってしまおうと思うが、そんな事をやってもまた電話が掛かってくるだけなので今終わらせておく。

「一緒に寝るのは優人君とだけにしなよ」

「だからその話題から離れろっ!」

俺が怒鳴った瞬間、電話からは『ツ――――、ツ――――』と言う音が鳴っていた。もう一回電話かメールをしてあいつを妄想から引きずり出そうかと思ったが……。

「…………寝よ」

やっぱりあいつに何を言っても無駄だと分かったのでもう一度寝る事にした。


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