スクールランドリー
コインランドリーの学校版。
「こんにちはー」
「うん」
「入れておきますね、下着」
「間違えないでね、クラス」
そして、また1人。
「静かに本を読める。
なんて素敵な委員会なんだ」
少女は呟く。
『スクールランドリー』
コインランドリーの学校版。クラスごとに汗などで濡れた下着や服を洗濯機や乾燥機で綺麗にする。モチロン、男女に分かれている。
昼休みが終わると保健室の先生が、カゴに入った下着などを洗濯機などで綺麗にする。放課後に各自生徒たちが取りに来る、という感じ。
そして、ランドリー委員会。
昼休みの間だけ、1人、監視をする。
「今年も平和に読書ができる。
1人というのが、いい」
2年生の彼女。静かに読書ができるからということで、挙手をした。
だが、すぐに静寂は破られることになる。
「わー! 本当に洗濯機とかがたくさんある!」
元気な声。
新入生であろう。まだ入学式があってから数日、そこの高校にしかない光景に驚く生徒がいてもおかしくはない。たくさんの洗濯機や乾燥機、しかも学校の中。珍しい光景である。
「えっと、このシャツ、私のだよな?」
(なぜ確認をする)
「100円払うんだ!? よかった、ジュース代がポケットにあった!」
(それでいいのか?)
「どのカゴに入れたらいいんだ?」
(クラスの番号が書かれてるだろう?)
2年生の少女は心の中で突っ込む。
結局、
「すみませーん、初めてなんですけど利用の仕方教えてもらえませんかー?」
「自分のクラスは? じゃあ、そのカゴに入れて。違う、それ隣のクラス」
「ありがとうございます。私、新入生なんで」
「だろうね」
「常連さんですか?」
「ここの委員」
「へー、そんなのあるんだ」
「委員会決めるときに知るはずだけど?」
「もしかしてなんとかランドリーってやつですかー?」
「それ」
「なんだ、遊園地じゃないんですねー。ランドって言うから夢の国みたいなものかと」
ははは、と後輩の少女は笑う。
「後は、先輩が回してくれるんですよね?」
「本当に何も知らないのか…。
保健室の先生がしてくれるよ。
いいから帰りな」
「1人で寂しくない? もっと話そうよ」
「いいから帰れ」
「ちぇ」
いいから出ていけ、というように先輩は読書を再開する。
だが、何気なく後輩は近付くと、
「…!?」
キスを先輩にした。
あまりにも自然で、何をされたのか、すぐに理解することはできなかった。
「ありがとうのキスです。私、汗っかきなんで。また来ますねっ、可愛らしい先輩」
笑顔で後輩は去っていった。
「な、何だったんだ? 一体」
キスをされたことは理解した。
「キスするほどのことか?
まさか、これが陽キャ!?」
戸惑う。
「今年はうるさくなりそうだ」
そう冷静に呟くと読書を再開した。
だが、
「集中できない…!」
混乱は収まらなかった。
ありがとうございました。




