ウラの医者
これは薬物を扱っていますが、もちろん推奨するものではありません。
ところどころ詳しい箇所があるかもしれませんが、これは調べる機会があっただけで、決して体験談ではありません。
違法薬物は、使用だけではなく、許可された者以外の単純所持も犯罪になります。決してやってはいけません。絶対にやってはいけません。
僕は表では普通の精神科の医者だ。だが、休みの日になると・・・
「陣藤、コーラ持ってきたか?」
ここで、コーラは「炭酸」のコーラではない。コカインのことだ。
僕は、医者という立場を利用して、コカインなどを仕入れている。
「はい、大量に。」
「御苦労。では、報酬だ。」
「ありがとうございます。」
この裏の副職は本職に負けず儲かるのだ。最初は、罪悪感は確かにあったが、それは徐々に消え、今は金の亡者になってしまっている。自分でも、足を洗わなくてはならないことはわかっている。本来言われている薬物依存とは違うが、「立派な」薬物依存になってしまっている。そして、やめなければ刑務所行きになることもわかっている。なのにやめられない。これが依存だと身にしみて感じている。
きっかけは、研修医時代に見つけたバイトである。「恵まれない研修医さん、ここでバイトしてみませんか?きっと今の倍の報酬はもらえるでしょう。」という宣伝文句で、なんだろうと申し込んでみたのが最後だった。実際に本職の報酬より倍以上もらえた。最初は、もってきた方の代わりに販売することで、麻薬取扱者の免許取得後は、今の仕事をすることになった。
どうも法律の穴をついているようだが、僕は専門ではないのでよくわからない。しかし言えることは利用されたこと、やめられないことである。
明日は、仕事だ、表の姿に戻ることにする。