御主を守る為にここへ来た。
平凡高校生が主役な物語。
トリップ、戦闘が苦手な方は閲覧注意です。
『公立南川高校』そこは凄く平凡であって偏差値も大して高くない本当に平凡な高校があった。
男女共学であるその学校に通っている者は皆、平凡だ。と言って過言ではない。
頭も良い者も学校の中にはいるがそういう者も、県では低い方だし、良いとも悪いともいえない。
そんな学校に高野光太は通っていた。
光太も学校ではとてつもなく勉強も運動も普通だし寧ろ悪いといってもいいかもしれない。
だけど、友達がいて小学校からの念願夢の一人暮らしにも最初は戸惑ったが、だんだんと慣れて来てとても快適な生活を送ってきていた。
しかしある時、光太に不幸とも幸運とも言えぬ事態がおきた。
「御主が高野光太、か?」
「…は?」
「だから御主が高野光太なのかと聞いておるのだ!!」
「あ、嗚呼…俺が、高野光太…だ」
「おお!!!」
灰色の髪が右目を隠していて蝶々リボンをツインテール風に結んで綺麗な桃色の着物を着た少女が、光太が家に帰ってきたときに呑気にお茶を啜ってテーブルで迎えてきていたのだった。
光太はとりあえず状況を整理しようと鞄をテーブルの下に置き、椅子に座ってから頭を抱えた。丁度少女と向かい合わせになった。
(こいつは一体誰なんだ…?)
今の時代に着物を着ていて…だけどスカートぐらいの丈しかない。
そんなファッションに思い浮かぶ者は一人もいないわけで、光太はとてつもなく混乱していた。
そして何より気になるのは一体どうやって家に入ってきたかどうかだ。
光太の家はセキュリティはないが結構丈夫であって今まで一度も不法侵入なんてされたことがなかった。
(もしかして…プロ並の泥棒!?)
光太は一瞬思ったがちらりと呑気にお茶を飲んでいる少女を見てその案はすぐに消した。
(そんなわけない、だってこんなに幼いんだぜ!?)
少女は身長百三十センチメートルぐらいの容姿で明らかに『小学生』だった。小学生が泥棒なんてしない。そんな考えから光太は自分なりの答えに辿り着いた。
「お譲ちゃん、迷子?」
「違うぞ」
「え?でもここは、俺の家で…」
「だからあっているのだ」
光太はハテナマークを頭に浮かべるように首を傾げた。
すると少女がスタッと椅子から下りてとことこと光太の横に歩いて見上げるように光太を見た。
「我は高野冷螺と申す。貴殿の、先祖にあたる者ぞ。」
冷螺と名乗った少女が最後に言葉を言ってからたっぷり時間が立ち、
「………は?」
やっと光太が口を開いた。
微妙な所で区切ってしまいました。
続きます。