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7th Stage

 翌日、俺たちは生放送番組『昼バラライブ』にレギュラー出演するためにテレビ局の控室へ入った。本番前のリハーサルまで少し時間があるので、その間を利用して同行したマネージャーに新プロジェクトの件を伝えることにした。


「自分たちでCeroTubeチャンネルから発信するということか」

「コント師としての俺たちの姿を見てほしいというのが3人の総意です」


 マネージャーは、自分たちのチャンネルを持つという意思と覚悟を俺たち3人が持っていることを強く感じ取った。


「それなら、私のほうも可能な限り協力してあげるわね」

「放送作家と映像編集は、青田が出演している番組のスタッフに頼んでもらおうか」

「次の収録の時に話してみるよ。引き受けてくれるかどうかは分からないけど」


 とりあえず、本格始動はチャンネル運営のスタッフがきてからとなりそうだ。


 それまでの間、俺は自宅マンションで撮影可能な2人コントのネタ台本をいくつか用意しなければならない。これは、お笑いトリオの最年長メンバーにしてリーダーである俺の矜持というものだ。




「おっ、カメラとドローンか」

「これから、CeroTubeチャンネルに上げるためのコントや企画で使おうかと今から考えているけど」


 自宅マンションでは、俺が購入したばかりの撮影用カメラとカメラつきドローンを他の2人に見せている。自宅で収録する2人コントは、トリオのうち2人が演じている時にもう1人がカメラで撮影するというものだ。


「3本のコント台本を用意したから、とりあえず見ておいてくれるかな。組み合わせは、俺と青田、俺と黄島、そして青田と黄島の3通りになるので」


 コント台本に目を通しながら、書かれている内容は一字一句間違えずに覚えなければならない。幸いなことに、短時間で終わるショートコントなので台本の内容はすんなりと頭の中に入っているようだ。


 動画に最適なカメラの設定を俺たち3人が確認すると、2人コントの室内撮影を開始した。普段はトリオでコントを行っているので、2人でコンビを組んでのコントは俺たちにとって新たな発見となったようだ。


 撮影を終えると、俺は他の2人に新たな提案をしようと声を掛けた。


「今度は、笑ジャックの2人も参加してのシャッフルコントってのはどうかな?」

「野村はいいけど、風野はなあ……」

「そうか、青田は風野と共演しているからなあ。相手がルーズということもあるし」


 案の定、青田は風野の参加に難色を示しているようだ。そうは言っても、風野と野村の2人が揃っていないと笑ジャックは成り立たなくなってしまう。


「それなら、別の企画を立てないといけないなあ」


 企画を練り直していると、部屋の隅に置かれたカメラつきドローンが入った箱が目に入った。


「もしかしたら、これを使った企画ができるかも」


 それはテレビでやりそうな既視感のある内容だが、お笑い芸人の素の姿を見せるにはぴったりの企画といえるだろう。しかも、ドローンを使っての室内撮影なら俺たちシンゴーキのチャンネルとしてのアピールポイントにつながるはずだ。

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