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9th Stage

 次の日の朝、俺たちの住むマンションの一室にマネージャーがやってきた。週末を迎えたこの日は、マネージャーと顔を合わせて打ち合わせを行うのが1日の始まりだ。


 居間のテーブルでは、レギュラー番組やイベント等の出演の確認、翌週に控えたシンゴーキの単独ライブに関する打ち合わせを手短に行っている。


「明後日に、お笑いライブのPRを兼ねてラジオ番組への出演が決まっているので……」


 そのラジオ番組『オラジ通り』は、俺たちが出演している深夜のレギュラー番組と同じラジオ局が制作している昼間のワイド番組だ。


「メインパーソナリティの江村佐織って、フリーアナウンサーの?」

「そういえば、赤井は番組の最初から終わりまで出るそうだが」

「江村と共演しているサブパーソナリティが休みを取っているので、その代理ということで」


 テレビやラジオの番組やイベントでは、3人揃って出演する場合もあれば、メンバーそれぞれが出演する場合もある。『オラジ通り』でのサブパーソナリティの代理も、プロデューサーからオファーされたことがきっかけで番組への出演が実現した。


「番組の途中で、ゲストの青山や黄島とともにトークしながら、最後にお笑いライブの宣伝をするということで……」


 俺たちは、当日の番組出演に関するマネージャーからの指示に耳を澄ませている。ここで、俺のほうから提案しようとマネージャーに声を掛けることにした。


「お笑いライブの開催とともに、CeroTubeのシンゴーキチャンネルの告知も合わせて行ったほうがいいと思うけど」

「今回はあくまでもお笑いライブの告知が目的だが、CeroTubeのチャンネルでも告知の宣伝動画を配信しているし」


 最終的には、お笑いライブ告知の詳細という形でホームページやSNSとともに、シンゴーキが運営するCeroTubeチャンネルも番組内で紹介することが決まった。CeroTubeチャンネルの名前をラジオで耳にすれば、新たなファン層の取り込みにもつながるはずだ。


 打ち合わせが終わると。イベント先への出発時間までシンゴーキチャンネルの企画を俺たちで話し合うことになった。


「配信で現在考えているのが2つあるけど」

「どういう企画なのか?」

「1つは、お笑いライブへ向けての意気込みを兼ねたトリプルトーク。もう1つは、笑ジャックの2人の部屋に俺たちがお泊りする企画」


 チャンネルで配信する動画は、テレビやラジオと違って時間的制約を受けにくい。俺たちだけが出演する場合なら、他の仕事の合間に収録することだって可能だ。


 けれども、他のタレントを出演させる場合には所属事務所を通してのオファーが欠かせない。笑ジャックとの企画は、水曜夜から木曜朝までの収録を予定している。


「笑ジャックの2人からの出演承諾は?」

「2人とも企画を快諾してくれたわ。当日は放送作家と映像スタッフもくるから」


 マネージャーは、俺のほうに笑ジャックの出演承諾書を手渡した。動画撮影でのハプニングが笑いの連鎖反応につながれば、この企画は成功したと言えるだろう。


 そのためにも、俺たちは撮影当日に必要な撮影用カメラとカメラつきドローンの準備に余念がない。

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