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再生の泉 ベルンゲラ視点

本日2個目です。お気をつけ下さい。

最奥にいる、あいつが、現れた…。


そう。やつは…


3つの頭を持つ…


ケルベロス‼︎


全員が、戦闘態勢に入る。が…


「兄上…。あれはなんでしょう…⁈」


「ケルベロスだ。」


「でも、顔が…」


通常ケルベロスは、凶暴な犬だか狼だかの顔を一つの体に3つもつ、とてつもない大きさの化け物なんだが…



目の前のケルベロスは、前回、アナ達と、来た時に、アナに、2つ首を落とされたのだ…。


ケルベロスは、

そう。今は、単なる首だけが、木の枝の様に、顔の付いた首から2本生えた、でかい犬⁈だった。


そしてなぜ、そのまま、倒されていないかと言うと、命が惜しくなったケルベロスが、命乞いをし、この洞窟の仕組みを話したからだ。

ケルベロスから出る濁った魔力が、この洞窟の中の魔物を生産している…。


居なくなった方が平和なのに…。


「ケルベロスが居なくなってしまうと、魔石が取れなくなる‼︎それなら、従わせたらいい‼︎」


とか、突拍子のない事を言い出したのは、アナだ。


そして、従わせた。


さらには、泉と、AIの石像の見張りと、漏れ出る濁った魔力を一部浄化し、泉の力とする仕組みを組み込んだ。



「ぐううるるる」


低く唸りながら出てきた、ケルベロスは、僕の顔を見て、ピタッと、唸り声を止めた。


「なんだ、お前らまた来たのか…。」


「え!?兄上‼︎‼︎‼︎ケルベロスが喋った!!!」


流石のハンスも、魔物が話すのは、初めてみたようだ。目を見開いている。

僕らも、初めて見た時は、それはそれは驚いた…。


「うん⁈今回はあのキレイなボーズはいないのか⁈」

キレイなボーズとは、男装したソフィアナの事だ。


「あら…。今回は、あなた方だけですか…。」


ケルベロスの後ろの奥から声も、聞こえてきた。


全員が警戒して、奥を見るすると…。

そこから、どこか見覚えのある、ケルベロスの大きさから一回り小さい(と言っても、ケルベロスより小さいだけで、充分、化け物の大きさの)犬が現れた。


現れた姿は、どこから、どお見ても生き物だが、前回誰も会った覚えはない。


こんな化け物を見て忘れる奴もいないだろう…。



「あっ!あっあ、あ、あ、あ、あ」


イワンが、石像がある方と奥の犬を交互に指差しながら、ああ言っている。


「イワン、どうしたんだ?」


イワンの指差している石像がある方をみる…。


そこには、例の泉を出現させる為に、試練を計算するAI⁈搭載(ソフィアナ曰く)真実を告げる石像が有り…

有り………あり?


あるはずの石像が…、

キョロキョロ見渡してみるが、無い‼︎‼︎


すると、奥にいた犬が、意味ありげに、

「ふふ…」

と微笑んだ。


「石像が無いぞ!?」

「どういう事だ⁈」

ニコライとサムスンも、キョロキョロ見渡す。



そう。アナが、ケルベロスが寂しくないようにと、

犬の形にした(当初は、女神の像の予定だったらしい)、AI搭載の泉の見張りの石像が、無いのた‼︎


そして、その石像とよく似た、犬が目の前にいる…。


「ああ、いやちょっとな。

うん。お前達が言う、真実の愛って奴だ。」


ケルベロスが、豪快に笑った。







ずっと、いつからかわからない長い時間、

ケルベロスは、たった一匹で、ここにいた。


体は、一匹だが、頭は、3匹…。

意識も3つだった。


だから、話し相手には、困らなかったが…。



アナに、首を落とされ、一匹となり、始めて寂しさを感じたそうだ。


ケルベロスは、AI搭載の石像に、毎日、ずっと話しかけた。

石像は、学習機能があり、徐々に、ケルベロスを不憫に思い始めたらしい…。


ケルベロスは、ケルベロスで、自分の寂しさを紛らわせてくれる唯一の存在に、依存していった。


ケルベロスは、動けない石像を不憫におもい、愛しく?思い出し、なんとか動ける体を手に入れてやりたいと思ったらしい。


ケルベロスは、石像に、「君を愛している」と、告げ泉を出現させ、泉の底の祠から、願いを叶えるべく、万能薬を取り出したらしい。


そう。万能薬だった…。


“願いが叶う万能薬…。”そんなばかな…。


誤算が、すぎるよ、アナ………。


石像に、その薬をかけて、命を吹き込んだらしい…。


ケルベロスの魔力は、莫大で、それに見合った試練だったため、なかなか泉は、深く大変だったとは、ケルベロスの意見だが…。


それを乗り越えたケルベロス…。


ただの石像から、生命のある者に変えてもらった石像の犬もまた、ケルベロスに恋したらしい…。


なんだこの展開…!


彼女⁈石像の犬も、ケルベロスの斬られた首の為に、万能薬を取りに行くと言ったが…、

ケルベロスは「君を独占したいから…」とかなんとか…断ったらしい…。


こんな洞窟の底で、いちゃつかないで欲しい…。




話を聞いていた、ホグ達6人が、いたたまれなくなったころ、ドミニクが声を上げた。


「ケルベロスの大事な石像の犬。私に、万能薬を取りに行かせてくれ!」


「うふ。では、私に触れながら、あなたの望みと心と理由を全て話しなさい。

嘘、偽りなく、必要性が認めなれれば、あの辺りに、泉が出現します。泉の底に祠があるから、なかから、万能薬を持って行きなさい。」




ドミニクは、石像の犬の鼻に手を置いた。

「私の婚約者のマリーが、産まれながら心臓の病気だ。今、意識が無く、いつ死んでもおかしくない状態で、彼女の病気を治す薬が欲しい。

私が願うのは彼女の病を治し彼女の命を救う万能薬。

私は、彼女を愛している。私の命にかえても、守りたいんだ!どうか…どうか泉よ、現れてくれ…」


ドミニクの切なる願いに…。







しばらくの静寂の後、泉が現れた。


「あなたの魔力も、なかなかの大きさです。

泉は、相当深いでしょう…。泉に入っても、迷いや、嘘があれば、泉の水が貴方の生命力を奪います。心していきなさい。」


「おい。息が続かなくて、不安になって、引き返そうとするなよ。不安も、迷いとみなされ、生命力吸い取られるからな。死んでももかまわないと、命がけで行く約束したからな、まあ、頑張れよ。

あれな、じわじわ生命力すってくるんだが、なかなか辛かったぞ…!」

ケルベロスは、胸を張って、忠告してくる…。


ドミニクは、一瞬青ざめたが、首を振る、マリーの姿を思い出し、絶対に助けると思い直したようだ。


「ドミニク…。取りに行く、条件は、真実の心だけだ…。その他、取り方には、条件は無い。魔力の使用制限もだ…。

要は、息が続くうちに行って帰ってきたらいいんだ!お前の闇属性は、役だだないが、火の属性を上手く使えば、水中を早く移動できるはずだ!

気をつけて行ってこい!」


ニヤリと笑いドミニクを励ました。


水中魚雷をイメージした様な速さで、ドミニクは、潜って行った…。

水中の訓練なんかしていないドミニクの息が続くのは、もって、数十秒だろう…


ドミニク、急げよ…。



潜り始めて、100秒以上に、到達しようと言う頃…


あまりの長さに、ハラハラしはじめた、僕たちの眼下の水面に、気泡が現れ、同時に、ドミニクが飛び出てきた。そのまま、跳ね間違えた魚の様に、陸で、はあはあ息をしながらぐったりしている。


そんなドミニクの手首から、一枚のハンカチが、切れ落ちた…。



「ドミニク様!」

サムスンとイワンが駆け寄る。遅れて僕とハンス、サイラスが近づいた。


「あ…に……え。」

ドミニクはら息も切れ切れに、手に持つ瓶を僕に見せた。どうやら、成功したようだ‼︎


ドミニクは、切れ落ちたハンカチを拾い抱きしめた。


ドミニクが入った泉は、ドミニクが出てきたと同時に消えていた。


そんなドミニクを騎士たちに預け、



「石像の犬よ、私にも、万能薬を…」


僕は、ドミニクと同様に、石像の犬の鼻に手を置いた。


「私の婚約者も、倒れて面会謝絶だ。

なんの病気がわからない。万能薬が欲しい。」


「情報量が少な過ぎますし、あなたには嘘があります。泉は現れません。」


「うそ!?確かに彼女の今の状態は、あやふやなものだが、彼女を思う気持ちには、嘘はない!」


「あなたは自分を偽っています。」


「!?何も偽ってなどいない!」


「殿下、殿下、アレクの存在じゃないですか?

ソフィアナ嬢には、偽ってますよ…」


イワンの指摘に、僕は呆然となるしか無かった…。


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