ドミニクと、洞窟。ベルンゲラ視点
洞窟へ行くのに、ドミニクには、アレクの時の装備を貸した。ソフィアナにより、空調設定なされたあれは、なかなかに便利だ。
自分は、つい先日、ソフィアナと洞窟に来た時に、ベルンゲラの物に、付けてもらったから大丈夫だ。
ニコライ達も、アレを着てくるだろう。
彼らはあの時、マハル二国から助けて出してくれた、お礼だと、ソフィアナから、好き好きに、色々装備に付与してもらっていた…。
ソフィアナが居ない、穴埋は、あのウサギのぬいぐるみを連れて行く事にした。
ドミニクも、アレで、魔法は僕に並ぶ実力者だ、なんとか、洞窟の最奥まで、行けるだろう…。
執務室を片付け、装備を済ませた、ハンス等と馬で、洞窟に向かった。
ドミニクは、執務室を訪れた時は、死んだ魚の様な目をしていたが、今は、希望へと、輝きを戻していた。
だが、さて、本当に、泉は、現れてくれるのか…。
ソフィアナから、説明は、受けたが、実際、動く所は見てないし、試してもいない…。
何かいつもの様な誤算が無いことをいのるしか…。
あと、奴は…我々だけでも、なんとかなるのか…。
そんな事を考えていると、訓練に使う洞窟に着いた。
ドミニクと僕は、王族とバレないように、ハンスとニコライの後ろに着く。
2人が、洞窟を見張る兵に挨拶し、代表とし記帳する。
いつも通りすんなり中に入った。
洞窟内で、先頭に立ち、先を急ぐドミニク。
既に小さな怪我をしている。手首に巻いてあるハンカチも、血で汚れてしまっている。
先を急ぐ気持ちもわかるが…
「ドミニク。先は長い、今から張り切り過ぎては、最奥に行く前に力尽きて、1番必要な場面で、使い物にならなくなるぞ…。
とりあえず、先頭は、(脳筋な)ニコライに任せろ。」
「は…はい。わかりました。兄上…」
大丈夫だと、突き進むかと思ったが、意外にも素直に言うことを聞いたドミニクに、驚きつつ、6人で順調に進む。
奥に行くにつれ、以前の様に強い魔物が現れだすが、あのうさぎを出す必要はなさそうだ…。
なぜって、黒いオーラを放つハンスが、八つ当たりのように、ばっさ、ばっさと、討伐していく…。
それを目の端で捉えながら、思う。
『陛下…ハンスは、敵に回さないことを…
いや、ブランバード家は、敵に回さない方がいいと思います。早く“僕の”アナを返して下さい…。』
洞窟の8割りまで来た所で、ちゃっかり、「私のソフィへのお土産(魔石)だ」と、魔石を拾っていた、ハンスが手を止めた。
「何か来る…。」
『この辺りは…』
ハンスの言葉に、辺りを見渡し、この間きた時、ここで、出会った魔物を思い出す…。
素早い動きで、20頭程の群をつくり、ボーンフォックスが現れた。
前回は、40頭以上いたが、まだ完全に、魔物が、復活し切れていない事に安堵する。
そして、その40匹をみた、アナが、「骨!素材!」と喜んでいだ事も思い出し、魔法で、素材をダメにしない様に、全て、剣で仕留めさせられた、無駄な苦労を事を思い出した。
あの時の苦労を思い出したのは、僕だけでは無かったのだろう、騎士3人が、げっそりしている。
僕は、あの時のストレスをはらさんと、ばかりに、風魔法を使い一瞬で、全て刈り取った。
それを見ていた、3人が、ホッとしている。
また、素材を集める事になるのかと、ハラハラしたに、違いない…。
そして、ゆっくり奥に進んでいけば、また、見覚えのある魔物が現れた。
それは、ゆっくり、ゆっくり現れた。岩亀だ…。
「殿下どうしますか⁈あれは、魔導師がいないとこの人数では…」
ニコライが、数歩下がり聞いてきた。
『前に、ソフィアナが、やつを熱してから、急速に冷やす事で、硬い物も割れるといい、火と、水の魔法を使って倒していた…。火の属性なら、ドミニクが、持っている。水の属性なら私が…。』
「あれは、僕とドミニクで、やる。」
「兄上!?」
「ドミニク、ガンガン奴を熱しろ!みんなは、僕とドミニクより後ろに下がれ!」
ドミニクは、頭に?マークを付けながら、岩亀を熱し始めた。
岩が赤くグラグラし始めたのを見届け、ドミニクを止め、一気に凍らせる寸前まで冷やした水をかけた。
プシュー
ソフィアナの時のように、あたりは霧で真っ白になった。そして…。ピシッピシッっと音がなりはじた。
すかさず、風魔法で、ソフィアナの様にスパッと…。と
「エアカッター!」
魔法を使ったが、切れない!
岩亀の首に深い切り傷ができただけだった…!
「魔力が足りなかったか!?全員で、首を狙っい切こめ!」
その声に反応したハンスが、剣に己の火の属性の魔力をまとわせ、数倍の長さの剣を作り打ち込んだ。
岩亀の首は、ゴロンと転がり落ち、その後ハラハラと魔石へと変わって行った。
「ハンス!なんだその剣!飛ばすだけじゃなかったのか!ズルイぞ!!」
と、叫んでいるのは、ニコライだが、あいつの剣も、魔力を飛ばせるようにとか、この前頼んでいたのを僕はしっかり聞いている。
だが、ズルイといえば、魔力の使えないイワンが、魔石を付け変えるだけで、好きな魔力を使える剣にしてもらっていた…。しかも、相当高いレベルでだ…。
あれは、あの剣は、誰がみてもズルイ…。
ニコライに、ズルイと叫ばれても、ガン無視で、魔石を拾うハンス…。あの魔石も、きっと大喜びだろうな…。
「兄上…。騎士たちが…いえ、騎士たちの装備⁈ですか⁈なんかおかしくありませんか⁈あと、貸していただいた、このシャツ?装備…⁈周りの温度を感じません。先程までは、気がつかなかったのですが、あんなに、炎や、水を出して、温度を感じ無いのはおかしいです。」
「ドミニク、そこは、聞いてくれるな…。
兄が秘密に、入手して、秘密で使っている物だ…!
これらが無ければ、最奥は、難しい…。マリー嬢の為に、目を瞑れ…」
「う…」
マリー嬢の為なら、お前は、なんでもできるんだな…我が弟よ…
お前なら、泉が現れるだろう…。
さあ、あとは…
そろそろ現れるころかな…
奴が…




