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ドミニクの決意

ドミニク視点です。

マリーは、僕の腕の中で、発作を起こして倒れた。

今もまだ、意識が戻らない。


治療師の話では、ここ数日の命だと…


そんなの…嘘だ…。



マリーと話した時、最初で最後のお願いをされた。

でも、婚約破棄はしたくない。

こんな状態でも、手放したくない。


せめて、家族の元に行きたいと、彼女は、マリーは言っていたから…。



今は、マリーの家族を呼んで部屋で水入らずになっている。


本当は、自分が、近くに居たかったが、婚約破棄ができない自分にできる、最大の許容範囲内で、家族に看病を譲ってきた…。


このままマリーが、死んでしまったら…。




行く当ても無く、仕事をする気にもなれず、進んだ道の先は、兄上の執務室だった…。



知らず、兄上を頼ってしまった自分を鼻で笑う。


どうしても、1人ではいられなくて、執務室の前に来たから、そのまま兄上の元を訪ねた。



兄上は、執務室で仕事をしていた。

書類を見ていた目を何も話さない、僕に向けた。



「どうした⁈ドミニク…」


「ベルン兄さん…。どうしよう…」


「な!?」

兄上は、いつもは、兄上と呼ぶ僕が、幼いころの呼び方をしたことに驚いた顔をして、ただ事では、無いと思ったのか、座っていた椅子から立ち上がり、僕の側にきた…。



「マリーが、倒れた…。

意識が無くて…ここ数日が山だって…」


兄上の綺麗な顔が、何かを耐えるように歪んだ。


「そうか…」


「僕はどうしたらいいかな…」


「………。」


しばらく部屋には、沈黙が続いた。





「手が………

手が、ない、わけではない…。」


兄上が、とても言いづらそうに、長い間を置きながら、話す。




「本当は、私の知り合いに、優秀な治癒師がいて…。正体を追求しない約束で、マリー嬢の事を頼もうと手配していたのだが…。今、その治癒師が、病気になり、会えない…。」


「な!」


兄上が言う、優秀な治癒師という言葉を聞いた、僕の胸が輝いたが、今現在の治癒師の状態に、落胆する。


『自身で、治せばいいのに…。』

ついつい、思ってしまうが…、

大概、治癒師は、自身が病気になれば、上手く力を操れず、自身の病気は、治しずらいことは、皆んながしる知識であり事実だ。


「マリーには、時間が無いのに!

なんで、もっと早く連れてきてくれなかったんだ!」


やりきれない思いに、悪くない兄上を責める言葉が、口をつく…


「いや、こちらにも、色々と時事があったんだ。すまない…。」


兄上の表情に後悔が見て取れるが、今は、ワラにも縋る思いだった…。

兄上なら、何か、どうにか、なんとかしてくれないかと…。


「そんな…じゃあ…どうしたら…」


両手で、顔を覆い、耐え切れず、床に膝をつく…もう、僕は、泣き崩れる寸前だ…。


「だから、そう、焦るな…!

手が無いわけじゃないと、言ってるだろう…。

ただ…。ちょっと…いや…だいぶ命がけなんだが…」



兄上の手が、僕の腕を掴み、立たせるように、引っ張り上げる…。

兄上の言葉と、力に、抵抗なく立ち上がった勢いて、兄上に縋るように、掴みかかる。


「え!?命がけで、何かをしたら、マリーが助かるの⁈命がけで何かするだけでいいなら、いくらでもやるよ。兄上‼︎教えてくれ‼︎」


「………。わかった…。わかったから、まず、落ち着け。座れ。」


兄上は、そう言うと、僕を執務室にある、来客用のソファーに座らせた。



その後、騎士団の副団長ニコライ。

近衛騎士隊長ハンス。

近衛騎士のサムスン。

騎士団長の息子で、騎士のイワンを呼んだ。


兄上は、彼らが揃うまで待てと、急かす僕にお茶を進めた。



騎士の4人が、そろって兄上の執務室に現れた。


ニコライが、代表して挨拶をして中に入ってきた。


兄上は、彼らに、

「ドミニクの婚約者のマリー嬢が、倒れて命の危機だ…。私の婚約者も、先日母上の元で倒れて、面会謝絶にされている…。

私達は、お互いの婚約者の為に、あそこへ行こうと、思う…。ハンスは知らないが、あとの3人は、知っているあそこだ…」


知っていると言われた、3人の顔色が変わる…。

ソフィアナ嬢が倒れたと聞いた、ハンスだけは、背後に、黒いオーラが立ち込めだす。


「兄上?どこへ行こうと言うのですか⁈」


「待て、ドミニク。そして、待てハンス。どこに行く⁈」


無言で、不機嫌なオーラを隠そうともしない、ハンスの手は、扉にかかっている。


「ソフィアナは、王命での、面会謝絶だ。君が行っても、会えない。」


「私の、“あの”ソフィアナが、倒れたのなら、それは一大事です。殿下。」


ハンスは低い声で、言い返してきた。


「言いたい事は、わかるが、待てハンス。

せめてもと、聞いた限りで、命に別状は無い。

ただ、感染症の疑いがあり、隔離しているらしいが…。

まあ、それでも、“あの”ソフィアナに限って?と、色々疑問が、残るのだが…。

だが、陛下の保護下という事だ、なんらかの事情があるのかもしれん…。

もし、最悪何かの病気ならば、ドミニクを今から連れて行く泉で、僕も、薬をソフィアナの為に取ってこようと、思う…。」



薬?ハンスに話しかける兄上は、今、薬と言った。



「兄上…⁈薬…⁈」


「ああ。万能薬だ。ただ…ある場所と、取得する条件が、なかなかハードでな…」


兄上が、唸るように呟いた。ハンスは、冷静に聞き返す。

「殿下?どういう事ですか⁈」


「ハンス…、お前は、泉についてなどイワンにでも聞け。

とりあえず、マリー嬢は、一刻を争う状態だ。君たちは、護衛として来てもらう。今から支度をして来るように。」


騎士たちは、兄上の一言で、準備の為部屋から出て行った。


「さて、ドミニク…。

今から行く場所は、騎士たちが訓練で、使っている、あの洞窟だ。ただし、その洞窟の最奥だ。

そこで、君の心が試される。

認められれば、泉が出現する。泉の底に祠があり、その中に万能薬は、あるんだが…。

嘘、偽りがあれば、泉は現れない。現れたとしても、迷いなどを偽りと、取れば、泉に命を吸われる。

だから、泉に入れるのは、万能薬を必要とする者を嘘偽りなく愛してるもの、ただ1人だ…。

マリー嬢のためには、ドミニク、君しか入れない。わかるかい⁈命がけってことだ…」


「ああ…。兄上、ありがとう。

僕だけにしか出来ない事なんだね。

彼女の為に、僕だけが出来ることがあるなんて…!直ぐに行こう!」


僕の瞳に輝きがもどる。だって、マリーが、死ななくていいかもしれない。

そんなの、やらないわけがない!!


「ああ。行こう。」


最近、パタパタと、ブックマークして下さった方が増えました。ありがとうございます。

Twitterも、活動報告もしていないのに、ブックマークが100を超えて、ちょっとびびってます。笑

どこから私を見つけて下さっているのか…。

偶然にでも、読んで頂き、さらには、ブックマークして下さって居る方々、ありがとうございます。

ビビりつつも、嬉しいのが本心です。笑


だから、ちょっとした、お礼を込めて、少しだけ⁈サプライズ⁈みたいな⁈お話を準備してます。もしかしたら、気が付いている方もいるかもしれませんが…、(まだ無理かな…)が、あるのです…。

(できなかったら、どうしよう…。)

期待は、しないで、お待ち下さい。

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