お呼び出し
洞窟に、ちょっと、手心を加えて叱られたソフィアナは、1週間の部屋での謹慎と、魔力を使わない約束をさせられた。
ま。律儀に守るソフィアナかどうかは、さて置き、謹慎中に、王妃様から内密に、お呼び出しが、なされた。
「アマ二…、王妃様の用事って何だと思う?
前のお茶会では、あんな優しそうな顔と、雰囲気だったけど、実は、誰もいない所で、婚約者イビリとかかな?
ねー、どう思う!?」
「その様な事をされる方だとは、思いませんが、何か思うところは、あるのかも知れませんね…。“ソフィアナ様だけで、内密に来るように…”とは…。」
「私、謹慎中なのに、見つかったら、また、怒られちゃうやつよね?これ…」
「とりあえず、王妃様に、ベルンゲラ様には、王妃様の元に来た事をお伝えする、お許しを頂いた方がよろしいでしょうね…。あの、お怒りの後ですし…。」
2人は、揃って遠い目をする…。
あの洞窟の後のお説教を思い出しているのだろう…。
ソフィアナは、青い顔で、呟く…。
「そっ…そうよね…」
アマニと、2人で、コソコソ話しながら、着いたのは、王妃様の部屋の前だ。
アマニが、ノックして、中の侍女とやり取りしたあと、ソフィアナだけが、部屋の中へ通された…。
通された部屋には、また王妃様は居なかった。
不安に、扉が締るまで、アマニを振り返る…。
アマニと、ソフィアナを隔てる扉が締まれば、奥の扉が開き、部屋の主である、王妃様が、現れた。
気がついた、ソフィアナは、向き直ると、急いで淑女の礼をとる。
「ソフィアナさん、楽になさって…。まずは、そちらに…」
そういいながら、王妃は、ソフィアナをソファーへと促した。
紅茶を準備させた後、侍女に手で合図し、人払いをする。
しばらく、お互いに、紅茶を飲み、なんとも静かな時間が過ぎて、ソフィアナは、居心地が悪くなる。
どうしたものかと、考え出したと同じころ、王妃様は、紅茶を静かにテーブルに置いた。
「ねえ、ソフィアナさん。あなた、光り属性ではなくて⁈」
「え⁈…」
「前のお茶会でも、あなたは、隠しているようだったから、あえて言わなかったのだけど…。ベルンは知っているのかしら⁈」
「え…あの…」
『王妃様、疑問形じゃなく、確信がある様に話してる…なんで…⁈』
「ふふふ、そんなに怯えないで。私は、あなたの味方よ。
人ばらいしたのも、この場にベルンを呼ばなかったのも、ベルンにあなたが隠していたら、話せないからよ。あとは…、何かしら…。
ああ。“なぜ魔力がわかったか⁈”かしら⁈」
王妃様は、愛らしい顔を傾げ綻ばせて、クスクスと笑う。
その様子に、ソフィアナは、どう反応していいか悩む…。
「私の、光魔力は弱すぎて、使えないの…は、知っているわよね⁈
でもね…。
透かすように、光に関することなら、人の心を覗く事が、ちょっとできたゃうの。これは、私と、陛下しか知らない事よ。子供達も知らないの…。ふふふふ。」
「な…!!!!!」
ソフィアナは、王妃の言葉に、息をのみ、驚きに目を見開いた。
「なぜ私が、あなたを呼んだかわからないって顔にかいてあるわ…。ふふふふふ…。
ソフィアナさん、あなたに、お願いがあるの。」
王妃様は、ニコニコしていた顔を真剣なものに変える。
「私は、毎年、ある場所に行くの。
そこには、この国の基盤を守る国宝の魔導具があるわ。その国宝には、どの魔力でもいいから、魔力を溜めなければいけないのだけれど…、
1番相性がいいのが、光なの。
だから、私が毎年、行くのよ…でもね…。
相性がよくても、魔力を溜めれるだけの魔力が、私には無くて、いつも、数ヶ月かかるわ。
しかも毎回寝込むの…。
どの魔力でもいいけれど、混ぜるわけにはいかなくて…、他の人に頼むのなら、一度魔導具の魔力を空にしなこればならないの。
でも、空にしてしまえば、季節が狂い、天変地異の災害が起こるの。
50年前に、受け継ぎの為、当時の魔導師長が、一度魔力を貯める為に空にしたの。
その時の災害は、今も語り継がれる、
ロゼスチャーの大災害よ。植物は枯れ、嵐が起こり、病気が蔓延し、地震が一週間続いたわ…。
魔導具に、魔力が溜まり切るまでの間それは続いた…。
だから、空にできないのよ…。
その当時の魔導師長の魔力属性は、光…。
どうしても、光属性の私がやるしかないの…。魔力がほとんど無いのに…。
そこで…。今年は、あなたを連れて行き、私を助けて頂きたいのよ…!2人なら、いつもより、早く終わるし、私も、倒れないかもしれないの。頼れるのは、あなたしか居なくて…。どうかしら⁈」
『確かに、王妃様が、身体が弱く、よく数ヶ月間、寝込む事は、引きこもりな、私でも知る所だ…。
それが、国を守るため、国宝の魔導具に力を分けていたからだということだ…。光属性は、稀だ。今、2人いるのが、奇跡に近い確率なのだ…』
「お話は、わかりました。
まず、はじめの質問から…。ベルンゲラ殿下は、私の力を(全属性だと)知っています。
私を守る為、力については、秘密にしていて下さっているみたいです。判断は、全て殿下なので、私は、従っているだけです。
次に、協力の件ですが、私でよければ…、
喜んでお供します。ただ、せっかく殿下が、皆様に黙っていて下さるので、“ソフィアナ”は、面会謝絶の病気とし、侍女として、内密にお連れ下さい。」
「わかったわ…。ベルンには、私の力についても、秘密だから、あなたが病気で、私の侍女としてきてくれるのは、助かるわ。ありがとう。
では、次のお茶会で、私の部屋に来た時に倒れた事にして、私の管理する部屋で、面会謝絶として、そのまま出かける事にしましょう。予定の日は、一週間後よ。予定は、いつも数ヶ月だから、数ヶ月で…。
ただし、早く終われば、早く帰ってくるわ。」
「賜りした。」
ソフィアナは、王妃の言葉に、淑女の礼で返した。
王妃様の部屋を出れば、アマニが心配そうに部屋の前で、待っていた。
今回の呼び出しに付いては、ベルンゲラへ報告し、今後の為にもと、説得して、呼び出された時のみ、王妃様に、会いに行く許可は得た。
公爵家のみんなには、イアリングで、連絡し、しばらくの間、連絡は取れるが、会いには行けない事を話しておいた。
マリー様には、ベルンゲラ様からの監禁で、しばらく会えなくなると説明し、趣味の本に、一回しかない使えないが、身代わりの魔法陣を見つけたと、魔法陣の下絵を渡した。
魔石の糸を多目に作り、魔法陣わ身代わりにしたい人が、自ら作らないといけない魔法陣だが、身代わりの魔法陣を下着かハンカチに、不思議な糸で刺繍して、肌に触れさせていれば、軽い発作では、倒れないだろうと説明した。
ただし、身代われるのは、軽い発作で、命に関わる発作は、塞ぎきれない…ため、即死は、免れても、寝込む可能性はあると説明することもわすれない。だから、無理はしないように…と…。
ソフィアナは、謹慎中にこっそり会いに行ったので、マリーは、小声でクスクス笑いながら、大切に下絵と刺繍糸を受け取った。
そして、ソフィアナは、王妃様に呼び出されてから、一週間後、王妃様の部屋に行き、王妃様と旅にでた。
ソフィアナが、王妃様の部屋で倒れ、原因不明の病であり為、面会謝絶と報告を受けた、ベルンゲラが、王妃様の部屋の前で、
「ソフィアナに会わせろ」
と、暴れたが、さすが母親と言うべきか…
王妃様は、それをみこして、自分達が出かけた後を旦那様にお願いしておいた。
頼まれている王妃様の旦那様。
つまり、陛下が、ベルンゲラの後宮出入りを禁止した為、ベルンゲラには、なす術がなくなった…。




