洞窟に置きます
騎士のみんなに、マハルニ国より救出してもらって、陛下と公爵家から、少なからず、謝礼は支払われたが、ソフィアナ個人的には、きちんとお礼をしていなかった。
騎士たちは、仕事でもあるし、あまり気にはしていなかったのだが、ソフィアナはきにしていた。
「ハンスお兄様には、お礼、何がいいかしら…。アレクには…。イワンさんは…。サムスンさんと、ニコライ様は、あの時初めて話したくらいだから、何がいいか、さっぱりだわ…。」
ベルンゲラに、錬金を許可してもらったのも、みんなには、力の事もバレているので、何らかのお礼ができるようにしたい思いも、あったからだった。
こないだ、こっそりイワンさんに、唐揚げと生姜焼きを渡して、感想を聞いたが、まずまずだった。
お弁当を作って、みんなでランチをして、何か錬金して欲しいものがないか、聞いてみるのもいいかもしれない…。
「部屋で唐揚げランチって、なんか違うし…」
『唐揚げと言えば、お弁当よね。お弁当なら、ピクニック…。ピクニックには、許可がいるけど…。
そうだ…。今度あの洞窟に行く時、みんなきっと護衛してくれるはず…。その時に、みんなにお弁当を作りましょう。そうと決まれば、お弁当とか入る、私用の収納バックを作っておかないとね。
あとは、その時みんなで座れるゴザを準備してもらわなきゃかしら?椅子の方がいいかしら⁈』
などと考えていると、思考はどんどんやりたい事を考え出す。
『あとは…。マリー様の為に、病気、怪我、呪いなど何にでも効く薬、万能薬を作りたいわ。でも、これを私が直に渡すわけには、いかなくて…。
そうね…どこかで、その薬が作られているなら、問題ないかしら⁈なら、万能薬を作る機械が作りたいわね…。
機械がつくれても、どうやってマリー様に渡す⁈
マリー様に、私の力を隠して、病気を治すためには……。
あっ‼︎
どこかに、何らかのカラクリを作り、誰かに…できれば、ドミニク様に取りに行ってもらおう。
では、どんなものにするか…。
う〜と、どうしようかな…。
あ。そうだ、誰にでも、チャンスは必要よね。
誰でも、例えば、ハスやラスみたいに、親を助けたい人でも、チャンスをあげたいわ。
でも、それで、お金儲けしようとかそう言うのは、ダメよね…。でも、絶対そう言う人は出てくる…だから…、そうね…
お兄様の鞘飾りの時に却下した、女神の像あれがいいわ。
あれに、嘘発見器をつけて、その人の能力に合わせた試練を自動で計算させる。
そうね…、例えるなら、AI搭載の女神像にして…。
嘘がなければ、泉が現れて、潜れば、祠がある。
祠の中に、万能薬。
うん。これ完璧。
あとは、本人か、本人の代わりに命を張れる、そんな人だけの取得資格限定にしましょう。
万能薬なんて、そう簡単に手に入っては、いけないものだもの…
嘘発見機で、少しでも嘘があれば、泉は現れない。
上手く嘘を隠せる人もいるかもしれないから、保険に、泉の水は、嘘や、自分を偽る心があれば、生命力を奪い、この泉の原動力とすることにしよ〜。
うわ。でも、良く考えたら、怖いシステム…。でも、これくらいしないと、盗賊とかに狙われてしまうものね。
あとは、無闇に人の命をかけて欲しくないから…
人が、管理する場所だが、手の届かない場所がいいわ…。女神に、怖いシステムの説明文も言わせないとね…。
う〜ん。
あ!いい場所がある。
あの騎士たちの訓練の洞窟。
まだ誰も最奥まで、行った事ないと言ってたし、誰でも入れるけど、魔物がいるから、それだけでも、泉の守りにできるはず…。
だから、洞窟の、最奥なら、いいんじゃないかな…
うん。
こんど、ゲラ様が、洞窟に連れて行ってくれると言ってくれたから、その時に最奥まで行って、さくっと作りましょう。
最奥まで行けば、カラクリに必要な、大きな魔石も途中で、いくつか手に入るはず。
ゲラ様は、強いはずだから、奥まで行っても、問題無いはず。
計画は、万全!!!
後は、ゲラ様が、いつ連れて行ってくれるかだわ。』
そんな事を考えていると、アマニが、ベルンゲラが、明日、部屋に来ると伝えにきた。
それから、そんな計画を知らないベルンゲラが、ソフィアナと、二人で、あの洞窟へ出掛けたのは、人形王子と言われるようになった、戦いの、後処理をした、一週間後だった…。
「ゲラ様、ありがとうございます。すごく楽しみです。」
「ああ、僕も楽しみだが、初めてのデートは、もう少しロマンチックなところがよかったなぁ…」
ベルンゲラは、やや遠い目をしている。
「?何かおっしゃいました⁈はやく、行きますよ!」
ソフィアナは、グイグイ腕を引いている。
いつになく、積極的で、嬉しいが、場所が、全然色気のいの字もない…
ベルンゲラの心は、複雑だった…。
流石に護衛を無しで、洞窟へは行けない。
2人と距離を置き、イワン、サムスン、ニコライは、護衛していた。
イワンは、なんだかんだで、結局一緒に来ている。ちゃっかり、以前ソフィアナに、洞窟で快適にしてもらった、シャツと救出で、使った、勝手に登れる手袋も、装備済みだ。
「さあ、サクッと最奥行っちゃお!」
の、ソフィアナの、叫びに、全員驚きと動揺で、目と口が、まあるく開いていた…。
そんな彼らに、魔法陣の本を自身の小さなポシェットからだし、快適シャツを提供した。
お弁当の時に聞くつもりだったが、最奥と聞いて、固まる彼らに、ついでに、どんな装備なら、最奥に行けるか、聞き、さくっと付与していく。
そして…
数時間後…………
はぁ、はぁと、肩で息をし、全身ボロボロの埃まみれ、細かな傷だらけの、5人の姿が、洞窟の出入口にあった…
清々しい笑顔のソフィアナ以外は、みんな疲れきまた顔をしている。
「アナ…。あれは一体どういう事か、説明してもらおうか…⁈」
肩で息をしながら、低い声で、唸るように話すのは、ベルンゲラだ。
「え⁈さあ…アレは私も、予想外で…。まさか話せるとか…。だから、初めは、女神像にするつもりだったんですけど…。まあ、アレで、納得してくれたみたいだし、よかったですよ。
あとは、どうやって、ドミニク様に伝えるかですかね…⁈」
「女神像?ドミニク⁈一体何の話をしている⁈」
「え⁈洞窟の最奥に、万能薬作る機械を設置したので、ドミニク様に取りに行ってもらえば、マリー様は、治るじゃないですか⁈私の力は、秘密なんで、こんな周りくどいやり方しなきゃいけなかったんですよ〜。」
ベルンゲラは、頭が痛いとでもいうように、片手を自分のおでこに当てて、頭を振り、大きなため息をつく。
「それなら、そうと言えば、僕の知り合いだとでも、いい、正体を隠して、マリー嬢を治癒しに行けばよかったではないか!?」
「え!?」
「僕の知り合いなら、正体を追求される事はない。」
疲れきった表情のベルンゲラに、みんな苦笑いだ…。
「でも、マリー様に、心を信じてもらうには、なかなかに、いい、試練だと思うのですが…」
「だれが、あんなとこまでいけるんだ!!?」
珍しく、ハンスのように怒っているベルンゲラに、ソフィアナは、しゅんとするしか無かった。




