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人形王子の意味は…

この戦場は、さほど危ないものでは無いはずたった。


ある日のこと、ソフィアナから、呼び出され、洞窟デートの為に、公務をこなしていた、ベルンゲンゲラの所に、マハルニアとは反対の隣国からの、嫌がらせ程度の奇襲の報告が来た。

その奇襲も、ベルンゲラのいる時に、起こった物ではなく、奇襲があり、鎮圧したが、鎮圧した隣国の兵士の中に、隣国でも、有名な貴族が居たため、王が出向くわけにもいかず、代わりに王子が出向いて、采配をとり、事情聴取する事となった為仕方なく、現場に赴く事になった。



着いてすぐに、作戦会議用の天蓋に案内され、戦場に居た兵士達を労った、ベルンゲラは、そこで、作戦と、経過を聞いた。

その後、本来自分が来た目的の、捕まえた、隣国の貴族に会う為、捕まえている天蓋場所へと移動した。

そしてその貴族と対面した。


対面し、尋問を始めようとした時、急に天蓋の外が、騒がしくなった。

ただならぬ空気に、緊張感が一気に上がる。


そこへ、


「奇襲です!!!!!

王子お逃げ下さい。こちらの兵は前線におり、今ここを守っているのは、20人の兵士しかおりません。敵は、ざっと200以上。前回の奇襲は陽動で、本命は、背後の山から、回ったようです。」


1人の兵が息を切らし、駆け込みながら、説明する。


「私も、戦おう。」


ベルンゲラは、脇に置いていた、剣を腰にさげる。


「無理です。いくらベルンゲラ様が、お強くても、現在の大将は、ベルンゲラ様です。あなたが1人うたれれば、我が軍の負けが決まり、前線の兵士全員が、捕虜となります。それだけは、防がなければ、なりません。」


「だがしかし…。」


ベルンゲラが、兵の言葉に、逃げる事を躊躇していると…


「だれか‼︎助けてくれ‼︎」


と、外から大声が聞こえた。


「‼︎」

“誰か助けて”のワードに、

ベルンゲラは、咄嗟に、壁に持たせかけてある自身の鞄へ目を向けた。


『やばい‼︎』


ベルンゲラのカバンが、もぞもぞ動き出す。鞄の口から、白い長いものが2本生えてくる…。


「みな動くな。喋るな‼︎」


ベルンゲラは、慌てて鞄に近寄る。


中から出てきたのは、アレクが、ソフィアナからもらった、愛らしいウサギのぬいぐるみだ。

イワンに言われてから、ソフィアナの居ない所では、このぬいぐるみは、持ち歩く様にしていた。


ベルンゲラは、前に言われた、イワンの言葉を思い出す。


『ソフィアナ様から、アレクに伝言だ。

もし、危ない場所に行く事があるなら、あのぬいぐるみを連れて行くようにだってよ。

あと、注意事項。『敵と味方を簡潔に教えること。』だと。じゃないと、動く者、喋るものはみんな斬られるらしい。範囲はアレクから、半径100メールで、発動のきっかけは、“誰か助けて“だってさ。停止させるには、“助かったと”言い、鼻にキスすれば、いいらしい。』


「この鎧は、味方だ、それ以外は、敵だ。」


今は、確かにピンチだ。

あのソフィアナが、作った物だ、期待してもいいだろうと、使う事にしたベルンゲラは、顔を出したウサギのぬいぐるみと目が合うと、そう答えた。



ぬいぐるみは、勢いよく鞄から飛び出すと周りを見た。周りには動くものは居なかった。

そのまま天蓋を出て行く。


出て行くと同時に、

周りから徐々に、金属がぶつかり合うような音や、小競り合いをする声が、少なくなる。


慌てて、ぬいぐるみを追い、天蓋の外にでて、ベルンゲラは、絶句した。





たった、一匹のぬいぐるみが、無数の敵を華麗になぎ倒し、いわゆる無双状態ってやつだった。





左右に跳躍し、すれ違いざまに、敵を一撃で倒していく。その速さこれいかに…。


あまりの速さに、味方すら、何が起こっているかわからないようだった。


すると、100メートルくらい先で、それ以上進まず、左右に飛ぶだけとなった。


「範囲はあそこまでなのか⁈」


ベルンゲラは試しに、10メートル程前に進む、するとぬいぐるみも、前に進みだした。


「みんな、これじゃあ、ぬいぐるみに、いいとこ持ってかれてしまうぞ。私達も戦うよ。」


ベルンゲラは、そう言うと、戦闘態勢をとり、片手に魔力をため、もう片方に剣を持ち、敵の方へ走って行った。


あたりにいた兵ももちろんそれに続いた。


だが、ぬいぐるみと、ベルンゲラの2人…。


1人と1匹?で、殆どの敵兵を斬滅した。



ベルンゲラは、ぬいぐるみを停止させ、

天蓋へ戻った。


天蓋では、居たはずの、隣国貴族の姿がなく、縄だけが切られて落ちていた。


すぐに、兵に探させたが、見つからなかった。


ベルンゲラが来る必要があった、隣国の貴族は、逃げてしまい、隣国の奇襲も落ち着いたため、ベルンゲラが、もうここに止まる理由が、無くなってしまった。


必要な書類をまとめると、今後の見張りの兵を残して、王城へ帰ったのだった。






この戦いから、ベルンゲラは、10倍の兵に勝った戦上手の人形王子と名を上げた。


戦いを知らない、町の人は、思う…



人形の様に綺麗な顔で、強いんだ。と…



実際は、ぬいぐるみと共に戦ったと言う意味なのだが…



そんな事より、早く帰って約束を果たしたいベルンゲラには、興味の無い話だ。


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