表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/142

やりたいこと。

ブックマークありがとうございます。

連絡をして、ベルンゲラが、ソフィアナの部屋を訪れたのは、2日後だった。


待ちにまった、ベルゲランの訪問に、ソフィアナが、ソワソワしながら、部屋に招き入れた。


いつもなら、『別に来なくてもいいのに…』の心がにじみ出る態度であるソフィアナが、部屋の中では、笑顔を輝かせて、ベルンゲラを待っていた。



そして、お願いポーズで、ベルンゲラへ迫っていく。


「ゲラ様、2つお願いが、あります。

私に、この部屋の中だけで、いいので、私1人の時のみ、錬金魔法だけの使用を許可して下さい。

あと、もう一つ。

あの騎士達が、訓練で使っている洞窟に、1回でいいです。イワンさんと、魔石を取りに行きたいんです。」


『アナの言葉の語尾は、「許可を下さい。」と言い切り、許可がもらえないとは、思っていないんじゃないか⁈普通、問うのならば、「許可を頂けますか?」じゃないか⁈』


そんな思いが、ベルンゲラの心の中を過ぎていったが、いつもより可愛い態度でいる事で、間違いなく…。ベルンゲラは、動揺している…。



「……。う〜ん…。錬金については、作った物は、見せる。説明する。これが、守れるなら、許可しよう。ただし、あまりにも、おかしな物は作らないこと。

これが、守れるならだ。


ただし、洞窟へは…、イワンと行く事の、許可は………ださない。」


「え⁈…そんな…」

ベルンゲラの返事に、ソフィアナは、ガッカリする。

『錬金術を許可されただけ、よしとしなきゃかな…』


そんな事を思って肩を落としていた、ソフィアナの耳に、ベルンゲラの声が、ゆっくり聞こえてくる。


「た    だ ぁー   し、

僕と、行くのなら、許可しよう。」



「え⁈」


「なぜいつも、頼るのは、イワンやハンスなのだ…。僕だって…」と、ベルンゲラは、小声で呟いているが、ソフィアナは、聞いていない。


「ゲラ様ありがとう。」と、ベルンゲラに近づき、その勢いで、ベルンゲラの手を握り、幸せいっぱいとでも言うような笑顔で、ブンブン手を振っている。


そんな顔を返されたベルンゲラは、たじろいでいる。


「いつ?いつ?いつ?」


手をブンブン振りながら、催促してくるソフィアナは、今まで、ベルンゲラを遠ざけていた態度とは、違い、ハンスや、アレクに向けるものに似ていた。


ついつい、頬が緩むのを必死で隠しながら、

「頑張って時間を作るから、もう少しまって…」



振っていた手が、緩やかにとまり、

「そうですか…。わかりました。できるだけ、はやくお願いしますね。」


と、顔にガッカリっと、書いてある文字が読み取れるほど肩を落とし、後ろを向き、すんなり離れていく。


ベルンゲラは、わけのわからない罪悪感と、名残惜しさに、「今すぐ行こう」と、言いそうになる己を叱咤する。


それからベルンゲラは、数日間、公務を大急ぎで、片付けるべく仕事に励んだ。



その間、ソフィアナは、部屋での錬金の許可を得ているため、錬金することにした。


「しばらく、私、お部屋にひきこもります。」

アマニに、そう宣言して、部屋に一人となった。


必要なものは…、クローゼットに、いけはだいたいある。魔法陣の本は、こないだ、こっそりマリー様から借りていた。


最近は、魔力封じの場所でも使えるように、魔石を使用して作るようにしていたが、ソフィアナは、基本何んでも、思うままなのだ。

必要なのは、想像力と明確なイメージくらいだろ。



そんなソフィアナが、今作りたいのは…。

なにより、したい事は…。




腕輪を外し、イアリングに触れた。



「みんな…。元気⁈」


ソフィアナが、やりたい事は、

懐かしいみんなに、連絡を取ることだった。


「かわった事は、無い?

困ったことは?

私、自分の部屋にいる時は、魔力封じを取って、錬金術を使えるように、許可をもらったから…

、今後は、連絡つきやすくなるわ。


じゃあ、今後、やってほしいこと、やりたい事を、今から言っとおくわね。

まずは、お兄様に、私への差し入れに紛れ込ませて、魔石をいくつか渡しておいて。あと、いつもの魔法陣の本も、ドレスか小物に紛れ込ませて預けて、お兄様に届けてもらって…。

あと、セブァセスのお店の方も…。

あとは……。」


ソフィアナは、公爵家の皆んなから、家の様子、店の様子を聞き、たわいな話しや、今までの事、ハスとラスには、救出に来てくれたお礼を話し、今後の指示を出す。みんなが、元気な事に、安堵し、話をするうちに、やっぱり、会いたくなる。



会いたくなり、考えて、はたと、気がついた。




そう。ソフィアナは、いい事に気が付いてしまった…。




『自分が、押し込まれ、ひきこもってる部屋は、毎回同じ。

結婚すれば、変わるにしても、結婚は、まだまだ先だろう。

それなら、この部屋は、今後も自分の生活の拠点なわけだ。

マハルニアのように、命の危険はない。


ただ、王子様と結婚と言う、危険性だけだ。

今や、この婚約回避は、“逃げない”と約束してしまった為、王子に嫌われる方向しか、回避手段は、残っていないが…。

それに、なぜか以前いたころ程の、孤独は感じない。

アマニやイワンが、居るからか⁈お兄様に会えたからか⁈

マハルニアから、帰った後から、なぜか、ベルンゲラの態度が、柔和したからか…⁈

実は、私を心配していた事や、私の事を考えての、魔力封じだったことがわかったからか…⁈

自分の心は、はっきりしないが、なにより、部屋で、錬金術の許可もくれた。

あとは、周りにみんながいないこと、出掛ける自由が無いこと、自由に魔法が使えないことが、公爵家とは違うが、まあ、それは、自分の為には、仕方ない事だ。

お妃教育がある事、以外、今までの、公爵家での生活と、あまり変わらないのでは無いかと、思えてきた。

ハンスが、魔法陣の本を持ってきたら、この部屋の可動できる家具に、自分のあのクローゼットに続く、魔法陣を付与して、行き来、出来る様にしよう』と、どんどん、虫かごに裂け目を見つけて、そこをこじ開け脱出しようとする虫のように、ソフィアナは、自身の身動きのとりやすい様に、解釈し、行動していく…



そう。錬金術の許可を得た、だけなのに、もうソフィアナは、自分は、自由じゃないと思いつつ、自由な気分にまで、なっていた。



プラス思考と、ちょっと忘れん坊…

都合の良い解釈をするところは、誰に似たのか…。


令嬢には、似つかわしくない、巧真しい、思考回路のソフィアナ…。


やりたい事は、無意識に、やれる環境にして行く…。

そんなソフィアナを悪く思えないのは、彼女は、やりたいことの思考の根本が、興味と基本、他人の為だから…。


『さあ。まずは周りを幸せにしなきゃね。』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ