政権を取り返そう
ブックマークありがとうございます。読んで頂いている、皆様に感謝してます。
トーイ、ハンス、アレク、ニコライは、トウエイを先頭に、玉座の間に、向かっていた。
「アレク…。お嬢様を助けたら、任務完了で帰っていいはずなのに、こんな事、してていいのか⁈」
ニコライが小声で、アレクに話しかける。
「隣国の平和は、我が国の平和にもつながる。今の奴らが、このままでは、また、何をされるかわからん。どさくさ紛れに、潰すにも、今ならいい機会だ。」
アレクは、腹黒く、ニヤリと笑う。
その微笑みに、ハンスも、つられる。
「そうだな、私の天使に手を出した事。後悔させてやらなければな…」
ふふふふ…と、ハンスの笑顔の黒さは、悪魔も真っ青な顔だ。
そんな二人に、ニコライは、若干頬を引きつらせる。
玉座の間の前には、数人の見張りがいる。
壁際に隠れて様子を見ていたが、ハンス達は頷き合うと、同時に、戦闘態勢に入る。
トウエイは、トーイの護衛に徹する。
アレクは、玉座の間への扉を確保し、トーイを迎え入れる。トーイが、進む道の前には、ニコライが、敵の兵をねじ伏せている。
騒ぎを聞きつけた、他の兵もトーイが、歩いた後から、わらわら出てくる。
後ろから湧いてくる敵は、アレクと、ハンスで、なぎ倒す。
トーイとトウエイは、玉座へと進む。
その周りには、この国の重鎮だろう、貴族がいるが、皆怖がり、壁際へ逃げている。
貴族達は、トーイの姿を見て、目を見開き、怯えながら、驚きをあらわにしていた。
玉座の近くには、驚きと、戸惑いを隠さない宰相。
玉座には、シメルが、余裕の表情で座っていた。
ニコライが、宰相を取り抑える。
「悪な、痛い思いしたくなけりゃ、抵抗すんな。」
「く…。」簡単に取り抑えられた、宰相は、悔しげに顔を歪めた。
シメルは、トウエイが取り抑えようと掴みかかる。
トーイは、玉璽の隠し場所へ足を進める。
玉璽は、玉座の後ろにある壁の中だ。
シメルは、トウエイをあざ笑うかのように、ヒラリとかわし、身を翻す。
「こりゃ、誰かと思えば、元近衛隊長さんじゃないか⁈首になったんじゃなかったのか?ははははは。」
シメルは、トウエイを馬鹿にしたように笑う。
「残念だったな。殿下はまだ、俺を必要としてくれてるからな。現在進行形で、近衛だ!」
シメルと、トウエイは、剣を抜き合い相手に向けている。お互いに間合いをとりながら、牽制している。
そうこうしている間に、トーイが、玉璽を壁から取り出し、振り向き掲げた。
「みよ、我が正当なこの国の王なり。」
「くっ。そんな所にあったのか‼︎」
ニコライに押さえ付けられながら、宰相は、悔しそうに呟いた。
周りにいた、貴族は、玉璽を見ると、皆トーイに傅いた。
追ってきていた兵も、玉璽をみると、戦いを辞め、その場で、皆、ひざまづいた。
アレクと、ハンスも、周りを警戒しながら、トーイに近寄る様に歩き出した。
シメルは、苦々しい顔で、トーイを睨みつけたが、不意に、ニヤリと笑い、トーイへと、走り出した。慌てて追うトウエイ。
だが、間合い分出遅れ、シメルの手が、トーイに届いてしまう。
「おい!」
と、シメルが、声を出せば、数人の黒いフードをかぶった男が、シメルの周りに現れた。
男が剣をトーイへ振りかざす。
トーイはギリギリの所で、剣を避けるが、その拍子に、手から玉璽が、転がり落ちた。
転がった玉璽は、シメルの足元に…。
シメルは、ニヤニヤしながら、それを拾い上げ。
「ほら、これで、俺が王だぞ。わははははははは。」
と、玉璽を見せつけた。
トーイは悔しそうに、シメルを睨み、トウエイは、トーイに切りかかっている、黒フードの剣を剣で、受けていた。
他の黒フードは、アレクと、ハンスにより倒されていた。
あとは、シメルの脇に2人、トウエイと牽制し合っている1人が、残っていた。
シメルは、今の状態は、不利だと瞬時に判断し、玉璽を持ったまま。玉座の間を出ようと、動きだす。
「宝物庫に向かうぞ。護衛しろ!」
周りの黒フードに、そう声をかけ、シメルは、踵を返した。
向かう先は、転送陣のある宝物庫だ。
「宝物庫だと!?」
アレク、ハンスは、その声を拾い、焦る。今宝物庫には、ソフィアナ達が、いるからだ。
護衛は、騎士が2人居るが、魔法が使えない、ソフィアナを守りながら戦うには、戦力が心許ない。
アレクは、ハンスを振り返って、
「私が行く!」
とだけ言い残し、ハンスの返答も聞かずに走り出した。ハンスは、頬を引きつらせていたが、こちらのトーイの護衛も必要だ。
トウエイと、戦っていた、黒フードの意識をサクッと刈り取る。
宰相は、その辺にあった縄で、ニコライにぐるぐる巻きにされていた。
「トウエイ、あの、膝まづいている兵は、使えるか⁈」
「ああ。あいつらは、トーイ様を見たことが有るし、シメルはまだ、玉璽と、契約をしていない。正統な王が、誰かわかっている。今のシメルは、目の前で、王から、玉璽を奪った強盗だ。」
「おい、そこの兵。我々は、玉璽を取り戻し、シメルを捕まえる。ここに居る裏切り者の始末と、トーイ様の護衛をまかせる。トウエイは、トーイ様とここにのこれ、護衛対象を増やしたく無い。」
「わかった。わが国の事…。巻き込んで、すまない。よろしく頼む。」
ハンスは、トウエイからの言葉に頷き、
「ニコライいくぞ!」
と、走り出した。もちろん、可愛いソフィアナが心配だからだ。
宝物庫まで、たどり着けば、中から、剣がぶつかり合う音と、ガラスが割れるおとが聴こえた。
「アレク‼︎」
ソフィアナの、悲鳴にも似た声に、ハンスは、走っていた、勢いのまま扉を開けて中に駆け込んだ。
中では…




