隣国マハルニア 4 ソフィアナ2
いつも、読んで頂きありがとうございます。ブックマークありがとうございます。
脱走に、失敗して、落ち込んだソフィアナだったが、服の中に隠した、解毒剤は、なんとか見つからずに済んでいた。
ことと、思わぬお米との出会いに、気分は、高揚し、どうやって、貿易しようかと考えていた。
『さて、これからどうしよう…。だいぶ手荒く扱われていたけど、トウエイは、大丈夫かしら…』
トウエイが居るだろう、牢の方をみていると、
「「ソフィアナ様‼︎いますか⁈」」
『この声‼︎』
「ハス⁈ラス⁈」
ソフィアナは、聴き慣れた2人の声に、返事をした。
そんなに長く会えなかったわけでもないが、2人に会えるかも知れない喜びが、あふれる。
「ソフィアナ嬢、無事ですか?」
『この声…あの呼び方。まっまさか…。』
「あ……」
その後、聞こえた声に、まさかの思いで、目を見開き呆然として両手で、口を覆う。
足早に、ソフィアナの牢前までやって来た3人に、ソフィアナは、感動で、涙が、目に浮かぶ。
「ハス…ラス…。あなたは…アレク?」
順に目をやり、一人一人名前を呼ぶ。
2年前より、背が伸びている。青年の頬に、牢の柵の間から手を出して触れた。
優しく微笑んだアレクに、最近よく見た笑顔が重なった、気がした…。『?』
「ソフィアナ嬢無事か?助けに来た。」
「ええ、ありがとう。会えて嬉しいわ…助けが来るとは思っていなかったから…。」
「ソフィアナ様、下がって下さい。鍵を壊します。」
ハスが、ネックレスから、ナイフを取り出し、鍵を壊そうとすると、ソフィアナが、
「ハスその必要はないわ。“解錠”これで、開いたわ。」
ソフィアナの、“解錠”の声に反応して、鍵が、カシャンと開く。
「ソフィアナ様これは?」
ハスが、呆れた顔をした。
「え…。お父様に、お仕置きで、いつどこに閉じ込められるかわからなかったから…。アンクレットに、ちょっとしこんどいたのよ…」
「ソフィアナ様、そんな準備してたなんて、やらかしてる自覚あったんですね…!」
ラスが、笑いながら、言う…。
「ソフィアナ嬢は、人を驚かせる名人だな。発想や思考、常識が、普通人と全然違うから、面白い…。」
「アレク、それは褒めてる?貶してる?」
「惚れ直してる。」
しれっと、甘く囁かれ、プラスニッコリ微笑まれては、赤面必須な、ソフィアナだが、
「はっ!」と冷静になり、斜め手前の牢を確認した。
『あ…やっぱり…アレクの笑顔の流れ弾に、ラワラも、やられてる…
胸を押さえて座り込んでいる…。そんな場合ではないのに…
あの笑顔は、やっぱり女性には、目の毒…。
あれ?????¿…なんか、引っかかってる…?何かしら?』
「ソフィアナ様、あの方は?」
「一緒に逃げたいの。ラワラと言って、天才錬金術師のお孫さんなんだけど…。その、方も、彼女を人質にされ、城で、働かせているから助けたいの。
あとね、ここに、入って来た時に、男性がいなかった?その人は、お城の中に詳しくて、元近衛さんなの。だから、連れ出したいの。処刑される皇太子様をそうなる前に助けたいから、探しているんですって…。で、あとね。そこの牢に、すごい怪我をしてる人がいて…。その人も助けたい…。あとあと、家畜の餌となってるものも欲しいの。」
「家畜の餌?」とは、ラスだ。
「ソフィアナ嬢。あなたの優しくて面倒見がよく、人を放っておけない、お節介な所は、あなたの美点だ。だが、今回は、彼らを牢から出す事はできますが、助ける事は不可能です。こちらに、そこまでの備えはない。私たちの目的は、ソフィアナ嬢の救出のみです。」
アレクに冷静に切り返される。
「なら、アレクは、帰っていいわ。ハス、ラスさえいたら、なんとかなるもの…」
「そんな可愛くない事を言うと、虐めたくなります。ちなみに、もう少ししたら、ハンスさん、イワンさん、サイラスさん、ニコライさんが来ますよ。彼らにも帰れと?」
「だって…。もう、知り合ってしまったのよ…。見捨てるなんてできない…。
それに、目の前に困った人が居たら助けるのが当たり前でしょ⁈」
ソフィアナは、ザ日本人の感覚でさも当たり前に言い放つが…。
「それは、自分にゆとりがある時なら、いいが、自分の危険をかえりみず、する事では無いよ。」
「なら、できるじゃ無い。ハスにラスに、アレクまで来てくれたのよ。さらにお兄様まで来るなら、怖い物なしだわ。」
「な…」
「それに、ものは、考えようよ。助けるって言っても、彼らの安全や、生活を確保するわけじゃ無いわ。それは、この国の皇太子様がする事だもの。だから、皇太子様を見つけてたすけたら、政権を取り返せるはずよ。そうすれば、他の人達は、皇太子様の命令で、解放されるでしょ⁈」
「ソフィアナ嬢…。政権を奪うのは、そんなに簡単な話ではないよ…。」
「なによ…。アレクのケチ…。私だって、このブレスレットが無ければ、みんなに頼らなくたって、なんだってできるのに…」
ソフィアナの目に、薄ら涙が浮かぶ…。
「ゲラ様。大嫌い。自分勝手に、私の自由を奪うの…。なのに、自分は助けに来ない。わかってるわ。王族だもの。こられない事くらい…。でも、普段あれだけ、好きだの失いたくないだのなんだの言うなら、助けに来たらいいのよ。強いくせに…。あの口だけ男…。」
ソフィアナの、八つ当たりは、今居ないベルンゲラへ向けられた。
「あ…。ソフィアナさ…ま…。」「それ以上は…」
ハス、ラスは、小さく呟いて、そっとアレクを盗みみたい。
アレクは、拳を握り締めて、暗い顔で、俯いていた。
ベルンゲラを思い出した事で、ソフィアナは、もう一つ思いだした。はっとして、アレクに謝罪する。
「アレク…。ごめんなさい…。私…。ベルンゲラ様の婚約者になってしまったの…。だから、本当は、逃げて、あの秘毒で死んだ事にしようと思っていたんだけど…。よく考えたら、そんな死人のはずの私じゃ、あなたの元には、行けないと思って…。結局、婚約者になった事で、私には、もう、好きな人と一緒になる事ができないんだって気が付いたの。
だから、ブレスレットを引きちぎるのは、我慢してるの。せめて、お父様や、お兄様達に迷惑がかからないように…。
そんな、自分勝手で、貴方との約束を破った私が、助けて何て、変ね…。」
「……。」
「私……。わかったわ、みんなの言う通りにする。でも、魔法陣は、探したい。あれがあれは直ぐに帰れるから。ゲラ様の所に行くわ。そしたら、ブレスレット外してもらって、もう一度ここに来たら、みんな助けられるわ。」
「ベルンゲラ様は、ソフィアナ嬢が、危ない事をするとわかっていて、ブレスレットを外してくれるのかな?僕なら外さないよ…。」
「ゲラ様は、逃げないと約束するなら、外すと言っていたの。だから、私、あの言葉を信じるわ…。逃げないと、約束して、外してもらうわ…。そうと決まれば、とりあえず、逃げましょう。ラワラ必ず、助けにくるわ…。」
ソフィアナは、そう言いながら、牢から出た。
ソフィアナが、牢から出る瞬間.、無表情のアレクに右手を捕まれた。
アレクが、ブレスレットに触れれば、ポロッと、ブレスレットの留め具が外れた。
ソフィアナは目を見開き、アレクと、ブレスレットを交互に見た。
「これは、王族の直系しか、外せないはず…。アレクは王族の血が流れてるの?」
ソフィアナの疑問に、アレクは答えず、にっこり微笑み。
「詳しくは、帰ってからにしよう。みんな助けるだろ?」
「えっ⁈ええ…。そっそうね。やる事沢山あるの。全部片付けたら、おにぎり食べるの…」
「おにぎり…?」ハスが、疑問の顔を返した。




