マリー様とお茶会
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「マリー様とのお茶会の段取をつけて参りました。」
アマニは、綺麗なお辞儀をしながら、そう告げた。
ソフィアナは、軽く頷き、続きを促した。
「本日、午後の食間にお茶会をとの事です。殿下からも、マリー様ならと、許可を頂きました。」
午後の食間とは、日本で言うなら、3時のオヤツと言う意味になる。
「わかったわ。アマニ、適切なドレスを選んでおいて…。でも…。できるだけ、ナチュラルで、苦しくない物でお願い…。」
「賜りました。」
ドレスは、王城で、採寸した後に、クローゼットが、溢れる程ベルンゲラ王子から贈られた…。
やたら、どのドレスにも、金や、水色、青と言った、彼の髪や、目を想像させる色の布や、刺繍があるのは、きっと気のせいであると、思うようにしている。
気が付いたら負けな気がするから…。
午後の食間に、マリー様が部屋に訪れた。
手土産と、この間のお礼に、マリー様が、刺した刺繍のハンカチをもらった。
ピンクに近い薄紫色のハンカチに、黒色の糸で、花と葉を縁取りの様に細かく刺繍してある、可愛いカッコイイ感じだ。
前世の黒と紫と薔薇を中心としたブランドを思い出した。あれ好きなブランドだったのよね〜。
「マリー様、とても可愛い物をありがとうございます。大切に致しますね。」
「趣味程度なので、お恥ずかしいですが、昨日のお礼と、今日のお招きのお礼に…。ソフィアナ様の髪の色を入れてみました。」
「黒で、こんなに可愛らしさを演出できるなんて、素晴らしいですね。それに、私の髪を…と言う事は、昨日から、今日の間で、これだけの刺繍をなさったっいう事ですよね⁈すごいです。これだけ精密に早くできるなんて、趣味を通りこして、プロかと…」
ハンカチをまじまじ見ながら、そう言えば、
「気に入って頂けたようで、何よりです。」
と、天使の微笑みを浮かべた…。
『天使の微笑み頂きましたぁ。これ有料じゃない⁈大丈夫⁈私女の子なのに、ときめきそうだわ〜』
笑顔の眩しい、マリー様との年頃のたわいな話しは、楽しく、お互い、ついつい時間を忘れて話込んでいた。
ふと、扉の外が騒がしいのに気がついた…。
私が目線を扉に向けたのに、つられ、マリー様も、扉へと視線を向けた。
「?」
「?」
不意に、ノックも無く、扉が開いた。
「マリー、ここに居る⁈」
「殿下、こちらはソフィアナ様のお部屋です。」
「殿下落ち着いて下さい。」
扉の前の、イワンが、半開きの扉を握りしめ、ノックもせずに、扉を開いた本人、ドミニク様は、腰に従者を1人ぶら下げながら、イワンが、抑えている扉を開こうとしていた…。
「えっと…」
どうしたものかと、マリー様に目線を送れば、溜め息を付きながら、
「ソフィアナ様、大変申し訳ありません。ドミニク様の入室の許可を頂いても?」
と、問われた。
「あっ。はっはい。イワン、かまわないわ。」
と、声をかければ、イワンの力が弱まったのをいい事に、ドミニク様は、扉を開け放った。
「ソフィアナ嬢‼︎マリーは、私の婚約者だ!!!」
「???」
「ソフィアナ様失礼致します。私、ドミニク殿下付き従者のフラン・アルートルと申します。お伺いも、ご挨拶もなく、入室しましたこと、主に代わり謝罪致します。」
ドミニク様の腰にぶら下がっていた、フラン(と言うらしい)が、素早く姿勢を正し、謝罪してきた。
「私は、悪くない!体の弱いマリーをソフィアナ嬢が、誘惑してるから悪いのだ‼︎」
ドミニク様は、お怒りのようだ…。
『誘惑って…。ははぁ〜ん。わかったぞ…。ドミニク様、私に、焼きもち焼いてるな…。好き過ぎて、周りが見えなくなるってやつかな…。はじめてみた…。』
怒れるドミニク様だが、内心が読めてしまっては、何だか可愛くみえてしまう…。
そっと、マリー様を伺えば、顔を赤らめて、なんとも、複雑な顔をしている…。
『でも、この態度…。色々ダメよね…。悪戯しめてあげましょうか…。』ついつい、意地悪心が芽生えてしまう…。
「これは、これは、ドミニク様、私と、マリー様2人っきりでの、マリー様の美しい笑顔やお声を独占できた楽しい、時間を壊しにみえるなんで、随分無粋ではなくて⁈」2人ッキリとか独占を強調するように、少し馬鹿にした、話し方をしてみる。
実際には、侍女たちも数人いるし、まず、第一に女性同士だ…。嫉妬するにしても、あからさま過ぎる…。
「な!貴様!
マリーは私の物だ!
マリーとの2人の時間も、美しい笑顔も愛らしい声も、匂いも、感触も全て、私の物だ‼︎‼︎」
ドミニク様は、更にお怒りだ。
『匂いとか感触とか…増えてるし…』
「マリー様は、マリー様の物では、ありませんの⁈
あと、好きなお人を物扱いするのは…。女性からは、好まれませんよ?」
「私は、マリーを物扱いなど…」
好まれない。の言葉にたじろいだ、ドミニク様に、追い討ちをかける。
「私、マリー様から素晴らしい、刺繍を頂きましたの。あのセンスの良さ…。いまから、2人で、ドレスのコーディネートなどして、お互いに、着せ替えごっこをして遊ぶつもりなんです。2人とも、裸とまでは、いかなくとも、下着姿となってしまいますから…。
殿方は、退室して頂きたいですわ。」
2人で、と、裸と、下着を強調して話してみれば、ドミニク様は、更に動揺する。
「なっなっな…。2人っきりで…はっはだ…は…裸…。はだ…か…」
『裸同然と言う意味だけど、彼の中では、マリー様は、完全に裸ね…。メインはドレスの着せ替えなんだけど…。そして、お互いって言ってるのに…。』
ドミニク様の動揺に、ついつい笑がこみ上げてくる…。
「フランさん?。殿下をお部屋の外にお連れして下さる⁈私たち、フィッティングルームの方へ行きますから…。」
「はい。賜りました。殿下いきますよ。」
「はだか…2人っきり…はだ…」
不敬だのどーのこーの言われる前に、若干パニック気味のうちに、従者のフランに、ドミニク様を部屋の外へ連れ出してもらう。
フランが、部屋を出ようとすれば、待機していたイワンによって、扉が開かれた。
「マリー様。ドミニク様を追い返してしまいましたが、良かったですか⁈」
今だ赤い顔が治っていない、マリー様なは話かければ、
「はっはい。お騒がせしてすみません。いつもは、あのような方では、無いのですが…。」
申し訳無さそうに言うマリー様。
すると、いままで黙っていたマリー様の侍女が、
「発言をお許し下さい。昨日、夜分に、お部屋に殿下が、みえた時。お話もそこそこに、マリー様は、ずっと刺繍を刺していらしたので、お帰りの際も肩を落としてお見えでした。その…失礼ながら、寂しかったようで…。」
「私、趣味に没頭してしまう癖がありまして…。」
『ドミニク様は、マリー様の本心が見えなくて、不安なのと、マリー様の体調面での不安なので、過保護が増して、独占欲とごちゃ混ぜになってる感じかしら⁈』
そんな推測をしながら、
「マリー様の、私、回りくどい事が苦手なので、失礼を承知で、伺います。
お噂、伺いました。なんでも、本当は、思い人が居たとか…。今は誰を思って見えるのですか⁈」
「それは…。…………。」
真っ赤な顔で、今までの事を話すマリー様は、食べちゃいたいくらい、とっても可愛かったです。
この日を境に、ドミニク様からは、会うたびに、睨まれます。
『そんな可愛くない事してると、協力してやんないぞ!』
魔力が、あろうとなかろうと、ソフィアナのお節介は、変わらない…。




