イワンを詰問
護衛に出勤してきた、イワンに、時間を作らせて、今、現在、ソファーに向き合い座っていた。
「で、私の情報をベルンゲラ様に、話したのはイワン?それとも、ハンスお兄様⁈」
腕をくみ、怒ってますよとわかるように、頬を膨らませて、イワンにすごむ。
「いえ。僕は、誓って話していませんよ。あと、ハンス様も…。」
「では、誰から…?」
その質問に、イワンは、やや呆れた顔をしたが、すぐに、元に戻した。
「誰かは、……わかりません。もし、どうしても知りたければ、殿下に直接聞かれるしかないかと…」
「素直に教えてくれるとは、思えません。
それに…。あと、私の事を知ってるのは、アレクよ…。
もし、もし、もしもよ。アレクが、“ばらした”として…。絶対自分からバラすはずないもの…。
捕らえられて、拷問でもされていたら、助けに行かなければ、いけないでしょ⁈
私が、誰から聞いたか、探った為に、捕らえられていた、アレクが、さらに酷い目に合わされたり、殺されたりしたら…。
だから、そんなこと聞けない。
ああ、きっとそうよ、だって、2年も、会いに来ないのよ。きっと捕まって、拷問されてたのかも…。私の事を言わずに、2年も耐えてくれてたのよきっと…」
わざと、大袈裟に嘆いてみた。
「おいおい、なんで、そー話が、明後日な方へ…」
イワンは後頭をかきながら、呆れた顔になる。
「あー、ソフィアナ嬢、盛り上がってるとこ、わりーんだが、もし、アレクが、そんな状況で、それを僕が、知ってるなら、僕助けに行ってるからね…。
あとね。アレクは元気だし、2年会えないのは、あいつが、君に相応しくなる為とか言って、会わないだけだからで、囚われて会えないわけじゃないからな。」
呆れすぎて、呼び方が、戻ってる…。
「やっぱり…。アレク、イワンさんには、連絡とってるんですね…。まあ、元気で頑張ってるならいいんですけど……。私の婚約の事……。彼、知ってますか?」
「あっ…いや、どうだろうな…。最近は、連絡が無いから…。」
イワンの視線が、不自然にそらされた。
何か隠している事は、わかるが、これ以上は、言わないだろうと、早々に諦めた。
今日の本当に聞きたかった、情報源がアレク、イワンさん、ハンスお兄様でない事は、とりあえず、聞けたから、後はマリー様の事を聞いてみる。
イワンから聞いた、マリー様のお話は、乙女心をキュンキュンさせるものだった。
マリー様は、ドミニク様の幼なじみで、友人のアルドール伯爵家の兄弟セヌッシュ様とフラン様の婚約者候補だった事。
ベルンゲラ様の誕生日パーティーで、一目惚れしたドミニク様が、マリー様に猛アタックして、その日のうちに婚約した事。
マリー様は、生まれながらにして心臓が弱い為、20歳まで、生きられ無いと言われている事。そのため誰とも結婚する気は無かったこと。
けれど、密かに、セヌッシュ様に憧れて、婚約者になりたかった事。
ドミニク様は、そんなマリー様の心を婚約した、後に知って、ショックを受けるも…。でも、好き過ぎて、婚約解消できないこと。
最近までは、母方の親戚が、領主をしている田舎に、マリー様が、療養に行っていた事。
ドミニク様は、心臓の弱いマリー様を気遣い、城の治癒師を特別に主治医にしている事。
などが、貴族界では、皆んなが知っている、事実だと言う事を教えてくれた。
「では、ドミニク様は、片思いなんですか?」
「貴族の結婚に、恋愛感情が、ついてくる方が、珍しいから、片思いでも、お互い何も思わないよりは、いいんじゃないかな?」
「確かにそうですね…。でも…」
花壇の近くのベンチで話したマリー様を思い出す。
「すごく、ドミニク様に、気を使っていた様に、感じたんだけどなぁ…。まあ、人として、気を使ってた、だけかもしれないけど…」
「で、そろそろ、僕も、仕事に戻っていいかな?だいぶ長くなったし…。」
イワンは、話が一区切りしたのを感じると、そそくさと仕事に戻る宣言をした。
そして、返事をする前に、「じゃぁ。」と、手を上げてから、扉の外へ出て行った。
私への態度に、侍女のアマニが、思いっきり睨み付けていたが、気にする様子は、なかった…。
「マリー様と、楽しくお喋りしたいわね…。」
イワンの出て行ったあと、マリー様の事を考える。
「アマニ、マリー様を午後のお茶にお誘いしようと思うのだけど…。ベルンゲラ様に、許可必要だと思う⁈」
「大丈夫です。その辺りの連絡と許可は、私が…。」
「そう⁈アマニ、流石ね。では、手配は頼むわ。許可が出たら、マリー様の好みのお茶菓子の手配も…。
あっ。マリー様の都合を優先してね。別に今日じゃなくてもいいから…。」
「心得ました。」
アマニは、キレイなお辞儀をして、部屋からでていった。




