迂闊な君
迂闊な君は、見事に僕の策にハマったね。
君の事だから、途中から話を聞かず、どう逃亡するか、賢い頭で、計算していただろ⁈
あらゆる魔法を駆使して、姿を眩ませる気だったかな⁈
優しい君は、家族を犠牲にできないから、死んだふりでも、するつもりでいたのかな⁈
でもね。僕は、どうしても、君を手に入れたいんだ。
逃がしてあげれないんだ。
王子であるから、ある程度は何でも手に入るけど、反面、諦めなきゃいけない事も多かった。これからだって、自分の意思より、国の為の選択を迫られ、何かを諦め、譲んだろう…。
でも、他なら譲れるけど、君だけは、譲れないんだ。
君を譲るなんて、諦めるなんて、想像もしたく無いんだ。
だから…ごめんね。
騙し討ちみたいに、婚約を成立させて…。
でも、僕は、君にきちんと伺ったよ。
「承諾してくれるなら……どうか、この手を…取って、いただけないだろうか⁈」と…
「手を…」意外が、若干小声だったけど、普通なら、聞こえている声量だよ。
確実に、聞いてないって、わかってて、話したけど、きちんと話したよ。
本当なら、デビューしていない君と、僕には、接点がない。そう、僕たちは、初対面なんだ。
だから、君が、パニック体質で、迂闊なんて、本当なら知らない事だからね。
だから…。これは、聞いていなかった、君が、悪いんだよ。
どんなに、卑怯に、婚約者になろうとも、
僕は知ってるよ。君が、僕を受け入れない理由が、僕ではなく、僕が、王子だからだと…。
でも、アレクとしての僕を受け入れてくれてた君なら、きっと、僕も、好きになってくれるはず。
僕は、そう信じてる。
偽りの僕ではなく、本物の僕を愛して欲しい。
僕は、君が望むなら、君の数百倍でも、君を愛するから…。離れる意外の願いなら、なんだって叶えてあげるから…。
今はアレクを好きでも構わない。
今は…。
でも、僕は、自分が思ったほど、君には余裕が無いみたいで…
婚約者になり、君が僕だけの者に、なったと思えば、
アレクは、僕なのに、僕に嫉妬してしまいそうだ。
君が、アレクを思うたびに、アレクを殺したくなる…。
君には優しく在りたいのに、たまに、すごく、残酷になるし、自制が効かなくなる…。
あれは、君が悪いんだよ。
僕は純粋に乗馬をしに行ったのに、無邪気に微笑みながら、僕を煽るから…。
触れる口実を見つけたら、ついつい自制が効かなかった。
たまで、いいんだ。
毎日なんて、望まないから…。
僕に微笑んでくれないかな…。
僕が、残酷にならないように…。
少しでいいんだ、話をしてくれないかな…。
イワンに、僕の好みを聞かれたよ。
僕に嫌われる為に、必要なんだよね…。
僕の好みは、君だよ…。
だから、君とは、真逆の好みを伝えた。
そしたら、きっと、君は、普段の君で、僕の前に現れてくれるから…。




