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嫌われ大作戦

『まずは、嫌な女になるには…。礼儀作法を無視する⁈イヤミを言う?無視する⁈いっそ、喋らない⁈


私が、男なら、どんな女は、いや⁈

汚いとか、臭いとか?


ブリブリした子や、痛い感じも、私は嫌だけど…。好みにもよるからなぁ…』


ソフィアナは、男心を考えていた。


『まずは、ベルンゲラ様の好みを聞かないとね。でも、誰に⁈本人に⁈……。それは最終手段よ…。まかり間違って、私が、好意的と思われても、困るもの…』


ソフィアナは、考えた。

『あ。お兄様に聞けばいいのよ。』



まずは、ハンスに会わせてもらうか、手紙のやり取りをさせてもらわなければ、ならない…


『どうしたものか…。』


すると、遠慮がちなノックが響いた。

「はい」

と、ノックに返事をすれば、侍女が、スッと、扉の外へ消えて行き、すぐに帰ってきた。そして、


「ソフィアナ様の新しい護衛担当が、挨拶をしたいと申していますが…。いかがされますか⁈」


「いいわ。通して。」


侍女にそう返事をすれば、扉が開かれ、1人の騎士が現れた。小動物の様な、優しい彼の顔には、見覚えがある。

「イワンさん!」


今までが、心細かったためか、イワンが現れた事が、飛び上がるほど嬉しかった。

ついつい、令嬢のマナーを忘れ、大きな声で名前をさけんで、イワンに飛びついてしまったのも、仕方ない事なのかもしれない…。


ただ、王子の婚約者に、飛び付かれた、イワンは、冷や汗しか出てこないが…。





「イワンさん、話、話を聞いて下さい。もー私、どうしたらいいか…。」


「とりあえず、ソフィアナ様、落ち着きましょう。あなたが、1人寂しいだろうと、知り合いを護衛にと言われたのは、ベルンゲラ様です。ただし、連れ帰りそうな、ハンス様は、護衛を禁止されて悔しがってましたよ…」


いつもよりは、硬い話し方だが、できるだけ、普段に近い喋り方で話してくれるイワンに、ありがたく思いながら、ソフィアナは、先程考えた事を小声で話した。


「私は、昔から言ってたように、王子の婚約者は嫌なんです。それは変わっていないんです。だから、助けて下さい。逃げたいとかは、言いません。ただ、王子に嫌われる為に、王子の好みが知りたいのです。探ってくださいませんか⁈私の為なら、お兄様も、きっと協力してくれるはずです。」


「えっと…。まあ、好みくらいなら護衛の時にでも、聞いてくるよ。あと、他の護衛にも、聞いてみるくらいはできるかな…。」

イワンは、仕方ないとでも言うように、了解してくれた。


それから、しばらくイワンと話をしていたが、あまり長いと、護衛の上司に叱られると、いい、イワンは、護衛の為、扉の外へ出て行った。







イワンが、情報を持ち帰るまで、とりあえずは、自分が思い付く限りの嫌な女をする事にしたソフィアナ。


まずは汚い女。

『ノーメイク‼︎

ラフな服、庭で乗馬!』


だって、城の中はキレイだから、汚れようがなかった…

仕方なく、乗馬訓練をお願いした。

庭なら、汚くなれるから。


そしたら、ベルンゲラ王子も、「一緒に乗馬する」と言ってきた。チャンス到来。


『流れる汗、乱れた髪、砂埃で汚い顔は、ノーメイク。ふふふ。これなら、汚いさらに、汗臭い‼︎

完璧に、嫌な女だ。

あとは、王子がくるのを待つばかり。』


上機嫌の、ソフィアナ。


ソフィアナは、自分の容姿と男心をあまりわかっていなかった。前世は29歳独身、コミュ症…仕方がないのかもしれない。




颯爽と、歩いてくるベルンゲラを見つけると、汚さをアピールするかの様に、きれいな髪をかきあげた。

汗に、手に付いていた、砂埃が、首筋について気持ち悪いが、我慢する。


『体中汗だくで、服は、肌に張り付き気持ち悪いが、我慢だ。』


「ベルンゲラ第一王子様、ご機嫌よう…。」

近づいた、王子に、笑顔で挨拶をすると、王子はスッーと目を細めた。


汗で張り付いた胸元は、年齢にしては、立派なふくよかな胸を強調していた。

健康的にもみえる、ノーメイクは、幼さの残る面影に、体とのアンバランスさを強調し、首筋にまとわりつく髪も、どこか艶かしい…。



ベルンゲラは、ソフィアナの首筋に付いた、砂埃を右手中指で拭いとる。


そのまま、頬を片手で、包みこめば、汗ばんた肌がひんやり心地よく手に吸い付く。


「首に、砂が付いていますよ。」

と、触る口実を見つけたベルンゲラは、ソフィアナに微笑みかけた。


「ひゃあぁぁ」


「きっ、汚いですから、さっ触らないで下さい。」

なんとか、言い返したソフィアナだか、

ただでさえ、汗で気持ち悪いのに、他人に触られて、お互いに、気持ちいいはずない!はず、だった。


「君の汗が、汚いなんて、これっぽっちも思わないよ。なんなら、舐めてあげようか?」

と、ベルンゲラに覗き込まれた。




「ノーーーーーーーー‼︎」





驚き過ぎて、変な声が出たソフィアナは、

汗ばんだ肌に触られた感覚と、変な声を出してしまった羞恥、と、ベルンゲラの爆弾発言に、真っ赤になってしまった。


「ごっ、ご冗談を…。けっけっけっけっこうです‼︎」

と、叫びながら部屋に帰って行くソフィアナをみながら、ベルンゲラは、苦笑いしていた。


そんなベルンゲラに、イワンは、呆れた目線を送った。

そして、

「冗談じゃなかったんだけどね。残念…。」

と呟いていた事をソフィアナは知らない。


こうして、

汚い女作戦は、何か大きな傷痕をのこし、失敗におわった…。





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