ソフィアナ5歳 属性
5歳になり、ソフィアナの家庭教師に、魔法に関する指導者が増えた。
だが、ソフィアナは、産まれた時の鑑定で、魔力無しと判断されている。
魔法の属性は、その人の色でわかる。
鑑定士はオーラの色で、その人の属性を
大きさで、魔力量を見る。
オーラが、おおきければ、大きなほど、魔力も強い。
この世界の属性は、7属性ある。
光属性は、白いオーラ、高い治癒魔法・光の攻撃、防御魔法を得意とする。
闇属性は、黒いオーラ、精神魔法・闇の攻撃、防御魔法を得意とする。
この2つの属性は、まず希少で、居ないとされている。
風属性は、黄いオーラ、風を操り、千里眼や情報収集に役立つ魔法で、風の攻撃、防御魔法を得意とする。
土属性は、茶いオーラ、錬金術や鑑定、防御を得意としている。
水属性は、青いオーラ、軽い治癒魔法が使え、水や氷の攻撃魔法を得意とする。
この3つは、希少では無いが、あまり数は居ない、属性である。
火属性は、赤のオーラ、強い攻撃魔法を得意とする。
木属性は、緑のオーラ、軽い治癒魔法と、植物を育てるのに長けており、知的能力が高い者が多い。
この2つは、魔力持ちには、もっとも多かった。
そして、鑑定士は、土属性で、オーラ量の平均値の者が、多い。ソフィアナの鑑定も、その一般的な者が行なっていた。
通常オーラは、その人を囲むように、色付き輝いている。魔力量が多くても、通常の状態で、30センチ以上膨れ上がる者はまずいなかった。勇者と呼ばれる様な莫大な魔力の者でも、50センチが最大だった。
これが、常識であった。
ソフィアナの周りには、色が無かった。
色が無いとは、魔力の色が無いと判断され、魔力量もオーラが無ければ、測れない。
よって、魔力無しと判断されていたが、実は、オーラには、透明な物があった。よく見れば、揺らいでいたのだ、だが、その揺らぎが、2メートル以上に達していて、揺らいでいる通常では考えられない状態であったため、鑑定士は気がつかなかったのだ。
そう。ソフィアナは、莫大な魔力を持った無属性。
属性が無いのではなく、どの色にも対応変化できる化け物じみた魔力持ちだった。
今日も、自分には、魔力が無いと思っているソフィアナは、楽しくない魔力授業を受けていた。
テレッサは、そんなソフィアナに付き合っていた。テレッサにも、特に魔法の適正はなかったが、ソフィアナの側に居られる事を喜びに感じているテレッサには、苦にはならなかった。
授業が終わって、夕食前の休憩で、お茶を飲みながら、ソフィアナは、おおきなため息をついた。
「はぁ〜。私も魔法使ってみたいわ〜。お父様の様に…とまでは言わないから、あの暖炉に、ここに座ったまま、火をつけたり、あのランタンに手をかざすだけで、灯りをつけたり…」
ソフィアナは、魔法への想いをはせながら、ランタンに手をかざし、冗談半分に、
「尊き光よ、我を照らす淡き光となれ。ランタンに灯りを…」
と、執事のジョセフの魔法を使う詠唱の真似をした。
………
ランタンに、光が灯る。
「?」
ソフィアナは、何が起こったか分からず、周りを見渡した。
一緒に、お茶をしていた、テレッサも、何が起こったかわからず、目を点にしていた。
「私には、魔力無いはず…なんで、ランタンに火が?」
『あれ?あれ?あれ?なんだろう、この体の中の力…これ…魔力⁈一回使えたら、なんか感覚がわかってしまったぞ…。』
「尊き光よ、我を照らす淡き光となれ。ランタンに灯りを…」
ソフィアナは、さっきとは別のランタンに手をかざす。思う様に火がつく…。
次は、暖炉…
『あ。これ、詠唱しなくても、いけそうなきがする。なんていうか、魔力をイメージに乗せて〜えい。』
暖炉に火がつき、煌々と燃えがった…
「ははは。うそ〜。私魔力あったんだ〜。」
「ソフィアナ様よかったですね。さっそく旦那様に…」
「だめ!」
『だめよ。私には、魔力が無いから、王子の婚約者候補の順位は3位なのに、魔力があったら、魔力の大きさで、順位が変わる可能性がある。
そしたら…
ダメ。絶対だめ。
「テレッサ。お願い今見たことは、秘密にして。私は、魔力無しのままがいい。」
「ですが、ソフィアナ様…それでは、今までの様に、陰口をたたかれたままですよ?」
「そんなの、言わせておけばいいわ。私は、自由がいいの。ただでさえ公爵令嬢ってだけで、毎日お稽古や勉強に、マナーにダンス、魔法授業、経済学と5歳が学ぶ内容じゃないわ…。息苦しさ満載なのに、王子の婚約者とかなったら、お妃教育とかまた、満載にされて…しかも人づき合いが…てんこ盛り…絶対嫌よ。」
ソフィアナは真っ青になりながら、テレッサに、誰にも言わないように詰め寄った。