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探していた少女

誤字脱字報告ありがとうございます。

そして、読んで頂いたり、ブックマークまでして下さっている方ありがとうございます。

チキンなので、ブックマークは確認せずに、読んでいる方の人数は、いつも、誤字脱字を教えて下る2〜3人と思い込んでいたので、たまたまブックマークを見てビックリしました。趣味に付き合って頂き、感謝しかありません。ありがとうございます。


「おっかしな。ブランバード家のご令嬢は、魔力無しと、もっぱらの噂なんだけど…⁈」

イワンさんが、いつもと変わらない明るい声で、そういいはなった…。



『そうだ、確かに、ブランバード家のご令嬢は、魔力無しというのは、貴族界では、有名な話だ…。

しかし…今目の前で、起きた事は…』



ソフィアナ嬢の背後に近づき、コソコソと耳打ちしたのは、彼女の従者だか、奴隷だかのラスという青年だ。


目を見開くソフィアナ嬢に、ニッコリ悪い笑顔で、微笑んだ。


「でも…も…たら…だし…」

小声で、何をいっているかは、聞こえないが、ラスにソフィアナ嬢は、首を横に振っていた。


その後も、何やら話し込んでいる。途中からは、側に控えていた、侍女まで、話の輪に入っていった…。

ラス、侍女、ソフィアナ嬢は、3人丸くなり、こそこそとしていた。


ふと、隙間から、ソフィアナ嬢が、ラスの胸あたりに手を置いているのが見えた、目が茶色と水色に変わった。

『あの時と、同じだ…

あの時も、目の色が変わっていた…。

やはり、あの髪の色…。あの顔…。』



その様子をソフィアナ嬢に、置かれた場所からイワンさんと一緒に見ていたが、他の囚われた人がいた事に気が付いた。

いや…思い出した。




「なんだか、お取り込み中、申し訳ないが、向こうの檻を壊したいんだ。侍女さんさっきの剣か?なんかわからなかったが、すげ〜武器貸してくれないか?」


イワンさんが、そう声をかけると、侍女は、さっと立ち上がり、イワンさんに一礼してから、他の檻に走って行った。


檻の中の意識のある人に、出来るだけ背面の柵に、倒れた人を抱えて、近寄るよう声をかけてから、一つ一つ壊した。

女性で、さらには、少女にしては、有り得ない力だ。

本人は、おかしな事をしていると、わかっていないようだが、僕やイワンさんでも、あれを安易と壊す事はできない。




「この武器は、私しか使えませんので、イワン様ご容赦ください。」

と、イワンさんに謝罪した後、檻にいた人に向かい直り、

「あと、もうしばらくしましたら、ワーグナー男爵…いえ、もう男爵ではありませんね…。旧ワーグナー邸の始末が済んだようです。そろそろ騎士様がおみえになります。皆さまお待ち下さい。」

幼い、テレッサの至って冷静な言葉に、捕まっていた人達は、気が抜けたのかしゃがみ込んでいた。

なぜ、もう始末が済んだ事を知っている⁈変わった様子はなかった…風の魔力を使った様子は無かったが…。イヤリングに手をやりながら、囚われている人に話をする侍女を見ていた。





すると、イワンさんと僕に、ラスとコソコソ話していた、ソフィアナ嬢が近づいて行った。


「あっ…あの…。この状況は、私は、命の恩人ですよね⁈」


ソフィアナ嬢の、少し震えている声をききながら、「まっ、そうだな。」とイワンさんが軽く返答して、イワンさんと僕は顔を見合わせて、ソフィアナ嬢の話の続きをまった。



「お願いです。今この状況は、ラスの魔力の暴走と言う事にして下さい。」


勢いよく頭を下げるソフィアナ嬢に、僕たち二人は、一瞬、面食らった…。


『恩があるから、何かしろと、脅しの様に言ってきたかと思えば、まさかの、状況詐称…。いや、魔力詐称。』


「いくらなんでも、無理がないか⁈」

僕が呟くと…


「おとりをするにあたり、色々調査して、行方不明のラスが木の属性持ちなのはわかっている。だから、余計、暴走にしても、水の上位魔法が、使えたらおかしいだろう?」

イワンさんも、話の矛盾に、突っ込まずにはいられないようだ。




「お二人が、私がやったとさえ、言わないでくださるなら、他は大丈夫なんです。

ええっとぉ…。ラスは、恐怖のあまり、後天的に、水の属性にも、目覚めましたから…。

なんと、2属性持ちになってしまいました。王子様もびっくりですね。だから、そう。

2属性目まで、目覚めたから、魔力が、暴走しちゃったんです。

そう、目覚めて、すぐだったから。うん。混乱?うん。混乱したんです。」


途中まで、目線は斜め上で、棒読みのような言い方だったが、目覚めたあたりから、今思いついたかのような、話し方に、目をひそめるしかない…。





「あの。水を出したら、証明になりますか⁈

氷は、できるかわからないですが、やってみます。」


ラスは、右の片手を前に出し、水を溜めるために、たわませた。そして、水をだした。

その後、出した水を縦長にして、手の方から、徐々に凍らせていった。




その状況に、イワンさんは、目を点にしていたが、僕は、両手を胸の前に組んで見守る、ソフィアナに、懐かしさを乗せた眼差を向けた。


『僕らに魔法陣を付けたのは、絶対に彼女だ。後天的魔法なんて、そう都合よく覚醒しない。

しかも彼女は何やらラスにしていた。そして、ラスの胸元には、魔法陣が見える。

僕は記憶力がいい。一見同じにみえるが、確実に先程までの奴隷の魔法陣とは、違う。


そんなことが、できるのは、僕らを助けてくれた、僕らに魔法陣を付与した、彼女だけだ…。』



僕は、何か確信に近いものがあった。



『初めて会った時も、遠目だったが、あの髪、あの顔…何故かどこかで、会ったきがしていたが、そう思ったのも、きっと、まさに、探していた彼女だったからだ。』




「僕はいいよ。黙ってる。って言うか、何が起きたかわからなかった。って言う。

けど、なんで、隠したいのか、その理由は教えて。

普通貴族なら、こんな力があれば、喜んで吹れて回ると思うんだ。けど、ソフィアナ嬢は、あえて隠したい。その理由がすごくきになる。」


イワンさんが、頭をかきながら、質問する…。



「わっわたしも、わからなかったと、報告いたします。が、イワンさんが、言われたように、理由が気になります。」


僕も、イワンさんの意見に賛成だ。




ソフィアナ嬢は、ためらいがちに、


「内緒にして下さいますか?魔力を隠す理由…。」


そう言って、ソフィアナ嬢は、おずおずと2人をみた。


その視線に、僕たちは、うなずいた。




「まず、家族が隠した理由は、余りにも過度な力は、トラブルを自身に起こす可能性があるため、過保護にも、産まれた時の評価のままにしていてくれます。


そして、私自身は…。

王子の婚約者候補に、名前があがりたくなかったからです。」


『家族が、隠したい、理由は、正当だ。だ…だっだが…』

「王子の婚約者とかは…、名誉な事では無いのかな⁈」

口の端をピクつかせながら、つい聞いてしまった…。




「光栄な事なんですが………。

私、好き勝手したいんです。

王族ともなれば、やれ社交や、やれ教育や、やれお茶会や、やれパーティーだ、食事会だ…。責任や、公務も…考えただけで、これだけあるんです。

知らない事は、この倍あってもおかしく無いと思うんです。だから無理ですね。」

『ぐうの音もでない…。』


「っ…。たとえば、努力しようとか思わないのか⁈」




「…まず、コミュニケーションが苦手なんです。王族の方は、人とばかりあって、話すのと、笑って居るのが仕事みたいなものじゃないですか…。苦痛ですね…。根本、私の性格にあっていないんです。」


苦笑いしながら、言うソフィアナ嬢に、僕は、言葉を失った。


ずっと探しているうちに、憧れ、尊敬し、いつしか、恋慕となっていた事、そして、目の前にその相手がいる事で、まさに、恋に落ちていた自分を自覚したが、その瞬間…

『僕は、失恋したのか⁈』


胸が、ギュッと詰まる気がした…。



僕の正体は、第一王子ベルンゲラ…。

今は、10歳になると王子に課せられる、課題中。

魔法を腕輪で、封印された状態で、騎士の訓練を受けている、平民アレク…。



『そうか。僕は、今、アレクか。王子は、失恋だが、アレクは、まだ失恋していない。』


「ちなみに、王子でダメなら、ソフィアナ嬢に、理想の男性や憧れの男性は居るのかい⁈」


苦し紛れの僕の質問に、


「理想ですか…。ああ。騎士団長のクラウス様は、渋くて素敵でしたね…。強そうですし、優しいなんて。素敵ですね。」

と、言われてしまった。

僕はまだ、渋くなれない…。

まずは強さから目指そ…。




ソフィアナの、好みは、29歳の前世に、だいぶ引きずられている…。



リアルに追われて、更新がなかなかできませんが、沢山の人が、読んで下さってるとわかり、頑張らねばと、思い直しています。


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