謝罪のネックレス
誤字脱字報告ありがとうございます。
「テレッサ、おはよう。」
ソフィアナは、カーテンを開けに向かうテレッサに遠慮がちに声をけた。
「あの、テリー…昨日のお父様の話…
知らなかった事とは言え、貴方の命にかかわることなのに、貴方の許可も得ずに…私…
あの…テレッサ…私…私…ごめ…」
「ソフィアナ様、お話の途中で、すみません。謝罪でしたら、必要ありません。
もし、あの時に、命に関わるとわかっていても、私は、ソフィアナ様に、これをお願いしていたと思います。私にとって、これはソフィアナ様と居るための宝物ですから、ソフィアナ様が気にされることは、ありません。」
胸元に手を置いて、幸せそうに笑顔で、そう言うテレッサに、ソフィアナは、泣きそうになった…
「それでも、それでも、ごめんなさい…テリー」
ソフィアナは、そういいながら、テレッサに抱きついて、しばらく泣いていた。
安堵の涙か、後悔の涙か、自分の涙の意味がわからずただただ、テレッサに、何もなくて、いままで通りいられる事を喜びながら…
朝食を済ませ、部屋での休憩時間。
ソフィアナは、テレッサ、ハス、ラス、エスターを部屋へ呼んでいた。
そして、みんなを自分の隣と向側のソファーに座らせると、
「テリー、これ持ってて。」
と、隣に座るテレッサに、昨夜、徹夜で作ったネックスを手渡した。
「え⁈いっいけません。こんな高価な物頂けません…」
「私からの謝罪だと思って、お願い受け取って。その胸の魔法陣を隠すための物なの…」
辞退しようとするテレッサの首に、ソフィアナは、そっとネックレスを飾った。
「このネックレス、勝手に取れたり、誰かに取られたりしたら、困るから、テレッサしか使えない様に、登録したいの。登録には、血が必要で、少し痛いけど、指先から少しだけ血をちょうだい。手をこっちにかして。」
テレッサは言われるがまま手を差し出した。
指先に針を刺し、血を搾ると、ネックスのトップにその指で触らせた。
血がネックレスのトップに付いた瞬間…。
ネックレスのトップにある石の魔法陣が輝いた。
一瞬にして、その光は落ち着いたが、ネックレスの紐の繋ぎ目はなくなり、ただの紐だった物は、細い綺麗な鎖へっ変わった。
「これで、このネックレスは、テリーの意思でしか、取り外しできないし、胸の魔法陣の隠蔽もしてくれるわ。後は、何かあった時に、右の小さな石の方は、無意識に瞬発的な防護と回復魔法が働く魔法陣がついてるのと、左の小さな方には、自分の意思で、物理攻撃や魔法攻撃を無効にする結界を張るための魔法陣があるから、石が肌に触れていれば、考えるだけで、発動するわ。
あとは、ペンダントトップの下についてる小さな石は、ふふふ…引っ張り出してみて。こんな小さなトップから〜果物ナイフ〜。
護身用なんだけど、このナイフ、軽くてよく切れて強いから、石壁⁈くらいなら、簡単に壊せるわよ。たぶん…。試してないから、どこかで、試さないとかしら…。」
試していない事にか気が付いて、どう試そうか小首をかしげるソフィアナとは、別に、説明が進むにつれ、顔色が青に近くなって行くテレッサ…
「ソっソフィアナ様…。こないだ、魔法の授業で、先生が、魔法陣がいくつも付く様なアクセサリーは、国宝級のもので……。
もしあっても、お城くらいだと…。」
「え⁈そうなの⁈テりーが守れるなら、なんでもいいかなぁ〜って…。あれ?やり過ぎたかな⁈」
「いやいやいや。ソフィアナ様…!
やり過ぎとかで済むレベルではないですよ…。
しかも、どこかの隠密の装備でしょうか⁈これ…」
そう言いながら、ハスもラスも、テレッサへの説明を聞きながら、青ざめていた。
「え⁈どうしよう…」
「え⁈こんどはなんすか⁈」
ソフィアナの動揺に、ハスも動揺して聞き返す…。
「テリーだけが、持ってると、目立つかなぁ〜って、ほら、貴族って、自分付きだとわかるように、自分の紋章入りの物を持たせるじゃない⁈だからね…
もちろん、テリーのネックレスにも紋章入ってるんだけどね…あのね…
みんなの分も作っちゃたの…。」
「「「えー⁈」」」
ソフィアナの言葉を聞いて、4人してネックレスをみながら、固まった…。
「でも、これ、もう作っちゃったし、登録すれば本人しか使えないから、見た目はアクセサリーだし、バレないんじゃないかなぁ〜。はははは。」
「「「ははははは…」」」
みんなから、乾いた笑いがでたことは、言うまでもない…。
ソフィアナはせっかく作ったしと、それぞれにネックレスをつけ登録をした。
トップの下の石は、取り出し式のナイフで、左右の石には、テレッサと同じ機能をつけたが、テレッサ以外のトップには、登録用の魔法陣以外は、まだ何も付与ていなかった。
テレッサは、魔法陣の隠蔽がメインだったからだが、他のみんなが、それぞれどうしたいか、とかどうして欲しいかを聞いてから付与しようと思っていたからだ。その事をみんなに伝えたら、呆然とされたが、じっくり考えたいと言われたため、本人達が決まったら、申告してくると言う約束にした。
同じ錬金術がつかえるハスが、ネックレスを手に取りしみじみと呟いた。
「いや〜こんな色の魔石はじめ見ました。魔石ってこんな色んな色あるんですね…」
ネックレスのトップには、青い石、その下には小ぶりな、白い石、左右には、赤と緑の石がついてた。
ネックレスは、男女で、鎖の色と太さが違うくらいで、他のデザインは、皆同じだ。
トップの石は人指し指の爪程しかない。その両サイドも2〜3ミリの小さな石だ。トップにぶら下がる白い石もトップの石の1/4程度。
男女どちらが付けていても、あまり違和感が無いように、ソフィアナが、考えたのだ。
「⁈魔石???」
しみじみと、ネックレスを観察しているハスに、ソフィアナは問い返した…。
「魔法陣を付与するには、魔石でないと、付与できないんですが……」
ハスは、ソフィアナとネックレスを交互にみくらべている…
「それ、魔石じゃないわ、私のクローゼットにあった、適当なネックレスを作り替えただけたから…。
私、何にでも、どんな事でも、思い付けば、付与れちゃうみたい…。だから、人にもできたのかしらね…」
また乾いた笑いが、部屋の中を通り過ぎたのは、言うまでもはない…。
「あ!ソフィアナ様、おれ、あ、いや、私も、それがいいっす!何にでも錬金術使えて、それを操る魔力量をこのトップに付けれませんか⁈」
やや興奮気味にハスが手を上げながら、そう訴えた。
「いいわね。やってみましょうか…。もちろん、お父様達には内緒だからね。」
ソフィアナは、ノリノリで、付与した。




