反省
また、少し短めです。
父、オスカーの話によれば、人への錬金術での付与は、前代未聞で、下手したら、その人の命に関わると言われた。
『奴隷を簡単に殺すという、父から、人に、錬金術を使う危うさを諭されたことが、どうにも、納得いかないが、話を聞くに、私は、危うくテレッサを殺していたかも知れないと言う事だった。
父云々は、置いといて、
大好きな、テレッサを殺してしまうなんて、考えただけでも、背筋が凍る思いだ…』
ソフィアナは、部屋に帰り、自身のベッドに腰掛けながら、自分が、軽い気持ちでしてしまった事の重大さに、青ざめていた。
もちろん、テレッサに危害を加えたくてやった事ではないが、だからいいという問題ではない。
話し合いで、時間がかかり、夜も遅くに部屋に帰ったため、直ぐに寝る準備がされ、テレッサと、きちんとは、話せていなかった。
『お父様の話を聞いていて、テレッサ、なんて思ったのかしら…私の事、嫌いになってしまったり……
思い返して見れば、あの日の私、おかしかった…。
魔法が使えるようになって、嬉しくて、練金術の本を徹夜で読んで、試したくて試したくて、徹夜明けもあり、テンションが、おかしかった。
テレッサの為とか、言ってたけど、あの時の会話、思い出しても、正当化する言い訳してるようにしか聞こえない。
私…私…
ただただ、新しいおもちゃで、遊びたがってた、子供だ…。(見た目は子供なんだけど…)
中身いい歳なんだから、ずるい大人の自分勝手な考え方と言い訳を自分に使ってたなんて……
私、最低だわ…
あっ明日、きちんとテレッサと話をして…
謝ろう…許してくれるまで、何回でも謝ろう…
そして、二度と錬金術を人には使わない…』
ソフィアナは、泣きそうになりながら、そう心に決めて、布団に潜り込み、眠りにつこうとしたが、色々考えてしまい、なかなか寝付けなかった。
『テレッサの胸元の魔法陣絶対人に、見つからないようにしないといけないわね…。
人への錬金術が禁忌なのに、それが有るだけで、テレッサが何かあらぬ誤解を受けるかもしれないわ…。
私が居るうちは、私が、幻影魔法で、誤魔化しているけど、私の魔力が切れたり、私が死んでしまったら、その後テレッサが困るわよね…。
私が居なくても、魔法陣を隠せる隠蔽の魔法陣を刻んだ、アクセサリーをあげようかな。謝罪の意味も込めて贈ればいいよね。
肌身離さず持てる物がいいよね…。指輪や腕輪は、侍女をしてるテレッサには、邪魔よね…。なら、ネックレスか…。あんまり派手なのは普段着けられないから、シンプルなのがいいわね…。』
ソフィアナは、ふらふらベッドから起き上がり、クローゼットに入って行った。
クローゼットから出てきたソフィアナな手には、豪華なネックレスが握られていた。
ネックレスをテーブルに置いたソフィアナは、おもむろに、そのネックレスの鎖を切った。
数個宝石が、テーブルの上にパラパラと散らばった。
『まずは、これをこうして………
あとは、こうして……。テレッサだけでは、目立つかしら…木を隠すなら森の中〜……
あとは、これをこうして…。』
先程、寝不足のテンションを反省していたはずの、ソフィアナだが、全然反省できていない事に、本人は全然気付いてなかった…。
そして、オスカーからは、当分の間錬金術を禁止されていたが、彼女の中では、人への錬金術が禁止とすり替えられていたため、悪気も何もなく、ただただ楽しく何かを作り上げていた…。
そして、彼女は、気付いていない…この国の王子にも一時的にとは言え、魔法を操れる魔法陣を付与したことを…。都合良く忘れているのである。
そんな、おかしなテンションの、ソフィアナは、また、おかしな事をしてしまい、朝をむかえた…。
翌朝、いつものように、起こしに来るテレッサより早く起きて…
いや、起きていたので、着替えと、片付けを終えた、ソフィアナは、テレッサを待っていた。
「ソフィアナ様。おはようございます」
いつもと変わらないテレッサの声に、謝罪のため緊張していたソフィアナは、隠れて安堵の息を吐いた。




