鑑定
短めです。
自身の周りに水球を作り出したソフィアナは、次々に他の魔力を注ぎ込んでいく。
「今は青をまとっています。青に、赤が入りました。さらに…」
ソフィアナが、魔力を増すたびに、ハスは、呆然としながら、実況していた。
その実況と、目の前の信じられない光景に、部屋にいた全ての人が、言葉を失った。
そして、全ての魔力を出したあのおどおどろしい水球をまた作り上げた。
「お父様。見てのとうりです。私、全属性持ちでしかも、魔力量も桁外れみたいです。
前自分で、鑑定した時は2メートルに達してはいなかったので、あれから、成長したみたいですわ…」
長い沈黙を破ったのは、ハンスだった。
「父上、私は、今、見聞きした事がまだ、信じられませんが、もし、事実なのだとすれば、これは、ソフィアナの安全の為にも、秘密にするべきであると…。
過ぎたる力は、不幸の元です。どんな輩に狙われるか…。
先日ソフィアナに頼まれ、少し護身術を教えましたが、飲み込みは、はやいのですが、技術は、やはり、素人のそれ、魔力こそ膨大で、多才であっても、瞬時の判断や、技術がそこに伴わなければ、技術のある者には、容易に拉致される可能性があります。
私は、(私の可愛い)ソフィアナに危険な目に合って欲しくありません。」
「私も、兄上に賛成致します。魔力が莫大でも、か弱い守るべき女性であることは、代わりありません。
魔法について、学ばせ、力を使いこなせるようにし、上手く誤魔化す方法も学ばせるべきかと…」
「2人の言い分は、わかった。
力については、確かにハンスの言うとおり、誰に狙われるかわからん。隠しておくにこしたことは、あるまい。よって、ソフィアナよ。先程の願いは、聞き入れる。グロスターの言う様に、学び隠すように…
あと、この部屋にいる者全てに、この事については、他言無用とする。ソフィアナ他に話しておく事はあるか?」
「........あの…。テレッサの事なんですが…」
「何だ?言ってみなさい。いまさら、お前の事で、驚く事はない。」
「テレッサの後天的な、魔力なんですが…。あれ…。
私が、テレッサの許可なく勝手にテレッサに、錬金術で、付与してしまいました…。」
叱られるのを覚悟で、目をつむり言い切ったソフィアナだが、
誰からの反応も無く、恐る恐る顔を上げた…。
父と、兄を見上げれば、その普段整ている顔が、魂の抜けたような愕然とした顔をし、珍しく呆けていた。『お父様も、お兄様も、部下の方には見せられないお顔だわ…。』
その後、ソフィアナは、正気を取り戻した、オスカーにより、人を物の様に扱ってはいけないと、魔法や、人間の倫理について、みっちり2時間説教されたのだった…。
だが、奴隷制度で、人権なんか丸無視で、貴族体質のオスカーに、人間の倫理について諭されながら、なんとも釈然とさないソフィアナなのだが、そこで、口答えしたら、さらに説教が長くなるのは目に見えているため、大人しく、説教を聞いているフリを続けていたのだった…。
やっと説教から解放され、執務室から、出た直後、
あの、長い説教の後にもかかわらず、ハンスから、自身の剣への威力強化と防御魔法陣の付与、どちらかできないかと、聞かれ、
ちょっとやさぐれていた、ソフィアナは、
「どれか一つではなく、威力強化、防御魔法、軽減化とか、加速とか、剣の強化とか、剣に魔法を纏わせる魔法陣の付与、全て同時に付けれますが……。
今お父様にしばらく、錬金を禁止されましたので、できません。」
と、ハンスに八つ当たりして、少しストレスを発散していたのは、内緒だ…。




